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続々と登場するケタ違いのお金持ち「シン富裕層」ってどういう人?

2022.11.26

コロナ禍を経て今、企業が注目しているのがシニア層から世帯年収1400万円以上のパワーカップルやリッチZ世代の購買力。しかし今、日本にケタ違いの資産をもった新しいタイプの富裕層が生まれている。いったいどんな人が、どのように稼いでいるのか? 今どきの富裕層を考察した『日本のシン富裕層』の著者、大森健史さんに聞いた。

スマホの普及、暗号資産の登場、「シン富裕層」の誕生

海外移住の手続きを通して富裕層の資産形成には詳しい大森健史さんが、従来の富裕層と違うタイプの存在に気づいたのは2010年代に入ってからだという。

大森さんが、一般の家族から会社経営者、投資家らの海外移住の手続きをサポートするアエルワールドを設立したのは2004年。当初の顧客は、いわゆる資産家、財閥一族の子弟、ビジネスで成功を収めてリタイア後に海外で過ごしたいという人たちがほとんどだった。ボリュームゾーンは60代、70代、次に50代だ。

大森健史(おおもり・けんじ)
1975年生まれ。国際証券株式会社で資産運用のコンサルティングを担当。その後、留学・旅行業界を経て、ビザ申請や海外生活設計のアドバイザー業に携わる。2004年、海外移住や海外留学をサポートする株式会社アエルワールドを設立。相談実績は2万人を越える。10月に『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で富を築けたのか』(朝日新聞出版)を上梓。

「大転換のきっかけはスマホの登場」と大森さんは話す。その普及が、資産も特別なスキルも持たざる者に資産形成の門戸を開いた。特に、暗号資産が登場した2017年以降は、莫大な資産を持つ普通の人たちがアエルワールドを訪ねてくるようになったのだ。

彼らは必ずしもビジネス経験が豊富なわけではない。名門大出身のエリート層でもない。

「今では、ごく普通の人たちが数年で富裕層になるタイプが圧倒的に多い」と話す大森さんは、彼らを “シン富裕層”と名づけ観察してきた。

「彼らは一見、まったく普通です。服装は高級品でも高級ブランド品でもなく、私たちの会社に打ち合わせに来るときもユニクロのスウェットとパーカーといった格好です。何億も稼いでいるのに高級車を買うわけでも、いい家に住むわけでもなく、今までと同じ部屋に住みつづけている人も多いです」

これでは、まったく目立たない。あなたの隣の机に座っている人が、億単位の資産を持っていてもわからないのだ。

あなたはどのタイプをめざす? 富裕層の5タイプ

ところで、富裕層とはどれくらい資産持ちなのだろうか? 野村総合研究所のマーケット分類では、資産5億円以上が「超富裕層」、1億円〜5億円が「富裕層」と分類。2019年時点で富裕層が124万世帯、超富裕層が8.7万世帯、日本にいる。

ただ、大森さんは、この定義ではシン富裕層はつかめないという。シン富裕層の資産には現金に換金しにくいもの、暗号資産やFXなどが多いという特徴がある。それらを含めると、「シン富裕層のボリュームゾーンは10億〜20億円くらい持っている人たち」と、大森さんは見る。

では、超富裕層の人たちは、どんな方法で資産形成しているのか。大森さんは5つのタイプに分類している。

①ビジネスオーナー型:自分の実力で企業経営し、その資産で不動産投資などをして資産を増やす。従来タイプと言えるが、資産形成方法によっては“シン富裕層”にも重なる。

②資本投資型:開業医や一流企業勤めのサラリーマンなど、一般の平均より高い給与を元手に株式や不動産、暗号資産等に投資。

③ネット情報ビジネス型:インターネットを活用し、株式投資や情報商材、動画配信などの新しい分野に飛び込んで稼ぐ。

④暗号資産ドリーム型:暗号資産で数億円から数百億円の資産を手にした人たち。ただし、このタイプは、自身の判断で投資してきた人と、他者からのアドバイスに従って投資して運よく当たった人に大きく分かれる。

⑤相続型:従来型の富裕層。相続した資産を運用する。

この中で今、注目される“シン富裕層”は、③ネット情報ビジネス型と、④暗号資産ドリーム型である。

このシン富裕層の、従来型の富裕層とは似ても似つかぬ特性を、大森さんの著書『日本のシン富裕層』から、いくつか抜粋させてもらおう。

●決断がとんでもなく早い
「フットワークが軽く、即決型。海外移住の相談に来られるお客様も、ひと通りこちらから説明すると、『ああ、わかりました、じゃあ、移住の手続きをお願いしていいですか?』とあっさり決断されます。」

●損得よりも仕事の面白さを優先する
「お金持ちになりたいというモチベーションより、その仕事をやりたい、面白い、と思って動いている。特に、ネット情報ビジネス型、ビジネスオーナー型は仕事が趣味で、好きで働いている、元気いっぱいなのが特徴です。」

●物欲があまりない。暮らしぶりはシンプルというより地味。
「全体的に、物欲がなく、小綺麗にはしているのの服装に無頓着というタイプが多い。ボトムスはたいていスウェットパンツです。ジーンズでもコットンパンツでも、ましてやスラックスでもありません。」「ハワイに移住したいというあるクライアントは、ハワイに視察に行く際のホテルの宿泊代が1泊2万円でも、『高いよ、もっと安いホテルはないの?』。資産が10億円以上あるにもかかわらず、です。」

以上、ユニクロを着た富裕層たちの、ほんの一面をご紹介した。次に、新タイプの富裕層の中でも特に注目される「ネット情報ビジネス型」と「暗号資産ドリーム型」の可能性と、彼らに学ぶべき点を解説してもらった。

→その2「“シン富裕層”がコロナ禍でさらに増加。チャンスは誰にでもある時代に」につづく

取材・文/佐藤恵菜

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