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なぜNTTグループは音響ビジネスに参入したのか?

2022.11.15

Q・NTTグループが音響業界に参入した狙いとは?

「以前は、ドコモブランドの端末は日本製品でしたが、いつのまにかNTTだけに限らず日本製の端末は大幅に減少していました。しかし、端末についてはこれでストップではなく、新しいイノベーションを加えることでもう一度、日本の技術が世界に貢献できるのではないかという想いがありました。

PSZ技術は社会や暮らしを大きく変える可能性を感じます。PSZ技術は端末だけでなく、ネットワーク、アプリケーションと大きな形での技術分野に発展するとみており、それをセットでできるのがNTTグループの強みであり、やるべきことだと考えています」(川添氏)

「コロナ禍を経て定着したリモート会議、動画配信サービスの爆発的普及によって、イヤホンを装着するライフスタイルが日常のあらゆるシーンで定着してきました。その一方で、長時間の装着による耳の疲労、すぐそばに家族や同僚がいるにもかかわらず耳がふさがれていることでコミュニケーションが取れないというような課題も生まれました。

NTTソノリティはNTTグループでも珍しいメーカー機能を有しており、先進的な音響技術を活用して新しいデバイスを生み出すことで、これらの様々な音の課題に解決して、豊かな音環境のある社会を目指しています。そこで生まれたのがNTTグループとして初のコンシューマー向け音響ブランドの『ヌーム』です」(坂井氏)

Q・ヌームが従来のイヤホンと異なる特長は?

「PSZ技術を使って人と人、人と世界をもっとシームレスにつなぎたいと考えており、追求したいのは没入感でなく、周囲につながる気持ち良さです。

PSZ技術搭載のオープンイヤー型パーソナルイヤースピーカーは有線モデル(8250円)と、来春発売のワイヤレスモデルの2製品。PSZ技術により、オープンなのに音漏れを気にせず聴くことができること、耳をふさがず自分の耳元のみに音を閉じ込めるのでストレスなく長時間使用できること、周囲の音も聴こえること、というのが他のイヤホンとは大きく異なる特長です。

自宅やカフェなどでのリモートワーク、子どもの声が聞こえる状態で家事をしながら音楽や動画を楽しむ、車の音や周囲の声が聞こえる散歩やジョギングなどの利用シーンを想定しています。電信、電話、インターネットと時代と共に技術革新を続けて人と人をつないできたNTTグループ初の音響ブランドとして、まずは『家』という周囲と最もつながるべき場所からコミュニケーションの変革をもたらしていきたいと考えています」(坂井氏)

【AJの読み】日本の技術で周囲とつながり共存できる音環境を作る

特定の場所だけに音場を作ると言われてもピンとこなかったが、デモンストレーションで納得した。舞台上には装置があり、川添氏がマイクを装置に向けると音楽が流れている。実は川添氏の登壇中も音楽が流れていたが、周囲には全く聴こえなかった。

NTTグループでは今年6月から、日本全国どこからでもリモートワークで働くことを可能とする「リモートスタンダード制度」を導入した。快適なリモートワークを提供する本製品もこうした企業姿勢を反映している。

「率先してリモートスタンダードを掲げてきたNTTグループだからこそ、リモートワークシーンでの音環境課題を技術で解決したいという発想から、ヌームもリモートワークシーンで選ばれる№1ブランドを目指しています」(坂井氏)

NTTソノリティの調査では、10%のユーザーが密閉型製品に強い懸念を感じており、潜在的なオープンイヤーの市場は4000億円に達するとみている。NTTグループが音響分野に参入した理由として川添氏は「日本の技術力の復活」を挙げていたが、ヌームブランドもグローバル市場を視野に、伊藤忠商事と業務提携し順次海外展開も予定。2025年度までにオープンイヤー型イヤホン市場のシェア10%獲得、売上400億円を目標に掲げている。

PSZ技術の周囲とつながるという特長を活かして、家庭や街中以外に人と関わるシーンとして、美術館、歌舞伎での音声ガイダンス、オンラインやリアルで多言語が交わる国際会議での活用も想定。

さらに、PSZ技術搭載チェアや音漏れのしないブース、航空機や車のシートにオープンスピーカーを設置して座席ごとに異なるコンテンツを再生するといった、耳に装着する音響系デバイスにしばられないプロダクトも検討している。

文/阿部純子

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