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なぜNTTグループは音響ビジネスに参入したのか?

2022.11.15

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

「音のインフラ企業」を目指して音響分野に特化した新会社も設立

NTTグループが初のコンシューマー音響ブランド「nwm(ヌーム)」を立ち上げ、音響業界に参入、ブランド初の製品としてPSZ技術搭載のパーソナルイヤースピーカー2製品を発表した。

発表会には日本電信電話 代表取締役副社長 川添雄彦氏、9月に設立された新会社・NTTソノリティの代表取締役社長 坂井博氏が登壇し、音響業界に参入した狙いや、PSZ技術の可能性について語った。

Q・ヌームブランド誕生の経緯について

「いまやあらゆる産業、社会の場面でICT(情報通信技術)は欠かせない技術となりましたが、この技術の多くは人間の価値観の中で考え出したものでインターネットがその最たるものだと思います。しかし世界は人間の価値観だけで構成されているものではなく、人間が解明できていない現象や理論が存在しています。

NTTは2019年5月に、さまざまな限界を打破し大きなイノベーションを実現する「IOWN(=Innovative Optical and Wireless Network)」構想を発表しました。IOWN構想は、人類が困難なこと、未知なることを諦めることなく、果敢にチャレンジして限界を打破するつもりで取り組んできた、いわば私たちの意思表明です。

特定の場所だけに音場を作ること、特定の場所に音を閉じ込める技術は、音響の研究者が長年追い求めてきたものでした。これができれば夢のテレパシー通信ができる可能性があります。

これまでの音響へのアプローチは人間中心の考え方だったので、デジタル技術をいかに駆使するかということを追い求めてきました。今回、NTTの研究者はこれまでの常識を離れて全く違う世界観でこの課題に向き合い、ついに音響常識を打破することに成功しました。それが、世界初の特定の場所に音を閉じ込める『PSZ(=Personalized Sound Zone)技術』です」(川添氏)

「PSZ技術はオープンなのに音を閉じ込める技術で、究極の矛盾を両立させる世界初の技術。特定の空間内の音の閉じ込めは音響技術に携わるエンジニアにとって長年の夢でした。これまでは非常に複雑な信号処理によるアプローチで考えられてきたため、なかなか実現することができませんでしたが、PSZ技術は音の基本原理を再発見して利用するという常識にとらわれない発想の転換から生まれました。

音は空気を伝わる波であり、ある音の波に対してその逆相である180度反対の音波を当てることで音波同士が打ち消し合って音が消えるという性質があります。通常のスピーカーはこの性質を防ぐために敢えてスピーカーを箱の中に入れて、スピーカーの背面からの音の波が外に広がらないように工夫しているのです。

PSZ技術はスピーカーの背面から出ている逆相の音の波を、音を一定の範囲に閉じ込めるために積極的に活用しています。何百回と試行錯誤を繰り返し、オープンなのに音を閉じ込める音場を生み出すことに成功しました。

PSZ技術による音の新しいコミュニケーションを生み出すために設立されたのがNTTソノリティで、私たちが目指すのは音のインフラ企業になることです」(坂井氏)

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