「感じがいい人」と思われるためのちょっとしたコツ。それは決して難しいことではなく、考え方や捉え方を変えるだけで誰でも実践できる。職場で、普段の生活で、意識するだけで好転するコミュニケーションのノウハウを大野萌子さんが伝授!
日常会話編
Q1|ネガティブ発言を止めるにはどうしたらいいですか?
A|「リフレーミング」でプラスの言いかえを意識しましょう
「怒りっぽい」「甘えん坊」「頑固」……。こうしたネガティブな性格表現は、時に相手を怒らせたり、不快な気持ちにさせてしまうもの。
その解消には、物事を違う角度から捉えるテクニック「リフレーミング」を利用した言いかえを試してみるのがおすすめだ。
例えば、前述の「怒りっぽい」は「正義感が強い」、「甘えん坊」は「人懐っこい」、「頑固」は「意志が強い」に変換。このようにマイナスに捉えられがちな言葉も、プラス表現に言いかえることで、相手は気持ちよく受け止めることができ、声かけした側の好感度もアップする。
「自己肯定感が低い人ほど、ネガティブな言葉を発しやすい。まずは自分を認め、自信を持つこと。そうすれば心に余裕ができて、人にもやさしくなれる。ネガティブ発言も自然と少なくなるはずです」
■ 感じいいPOINT「自分が言われて嫌な言葉は相手にも使わない。自分を認められれば、ネガティブな発言は自然と減ります」
Q2|言わなくてもいい余計なひと言を言いがち。どうすれば避けられる?
A|「間(ま)」を大切にして、自分の考えをまとめましょう
誰かと話している時、つい言わなくてもいい余計なひと言を口走ってしまう人も多い。その原因の多くは、早く返事をしようと焦るあまりに頭でしっかり考えず、思いつきで言葉を発してしまうから。自分の考えを確実に伝えたいなら、あえて考える時間=「間」を取ることが大切だ。
大野さんいわく、沈黙は聞く気がない人を振り向かせる時にも有効とか。確かに、相手が急に黙ると気になるもの。相手の注意をひきつける際にも「間」を活用したい。
■ 感じいいPOINT「話し始める際にひと呼吸することも大切。〝間〟を置かず、矢継ぎ早に答えると、相手の理解を邪魔することにもなります」
Q3|悩みを相談された時、どんな言葉をかけてあげればいいですか?
A|「(あなたは)○○だったんだね」と「共感」すること
悩みを聞く時のポイントは相手に「共感」すること。「(あなたは)○○がつらかったんだね」などと、相手を主語にして「共感」する。それだけで、相手は自分の気持ちをわかってくれたと慰められるのだ。
この時大切なのは「わかるよ」「私もそうだった」と「私」が主語になる「同感」を挟まないこと。というのも相手は、自分以外の他人が主語になる話に違和感を感じるから。
相手に「共感」して自らの気持ちに気づかせ、考えをまとめる手助けをする。それだけでいいのだ。
■ 感じいいPOINT「基本的に自らはアドバイスはしない、経験を話さない。自分のことは相手から聞かれた場合のみ話すのが適切です」
取材・文/内野智子 イラスト/江口修平
感じがいいで得をする65のコミュニケーション事例を紹介する
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著/大野萌子 定価1430円(税込) 小学館
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