PayPayカードは「めんどくさい」?
自分のカードの番号を確かめるため、PayPayカード公式サイトにアクセスして会員メニューに入る。
すると、
紐付けした電話番号へ、4桁の暗証番号が記載されたSMSが届くようになっている。
これは言い換えれば、自分自身のカードの番号を確認するためにわざわざ「錠前付きのドア」を開けなければならないということだ。
これはめんどくさい! と考える人もいるだろう。
が、高齢者から子供までインターネットを利用している現在、カード番号を徹底的に秘匿する措置は絶対に必要だと断言できる。
スーパーマーケットの店員が、客から一時的に預かったクレカの番号と名前を暗記してあとで不正利用した……ということも実際にある。
それだけの突出した記憶力を犯罪以外に活用できないのかとも思うが、ともかく「カードに番号が書かれている」せいでこのようなことも発生し得るのだ。
しかし、PayPayカードには「カード番号の確認」と引き換えの利便性が付加されている。それは「タッチ決済」だ。
急速普及するタッチ決済
筆者のPayPayカードはVISAブランド。従って、VISAタッチ対応の店では非接触型決済が可能である。
しかし、現実問題タッチ決済はどれほど普及しているのか? いくらカードが最先端でも、それに対応している店が少なければ無用の長物ではないか。
というわけで以下はVisa PR事務局からのデータ提供も受けつつ、「VISAタッチ決済の普及度」について解説していこう。
2022年9月末の時点で、日本でのVISAタッチ決済対応カードの発行枚数は約8,700万枚
。2021年9月のそれは5,700万枚だったから、まさに現在進行系で「急速普及」しているのだ。
店舗に設置されているVISAタッチ対応端末数は、2022年9月末時点で150万台。
そして2022年10月時点で全国21都道府県の公共交通機関でVISAタッチ決済が導入されている。
ここで特に注目すべきは、公共交通機関での利用。ひとつ例を挙げると、11月1日から鹿児島市電でのクレカタッチ決済実証実験が始まっている。
参加ブランドの中にはもちろんVISAも混じっている。
タッチ決済の広がりは、何も大都市圏だけの話ではないのだ。
錠前と鍵
PayPayカードは、まさに「次世代のクレカ」である。
もっとも、これには「次世代だからこそ」の面倒臭さや不便さもある。
上述のカード番号確認がそうだし、そもそもPayPayカード公式サイトの会員メニューは重要な個人情報を閲覧しようとする度にパスワードが求められる仕組みだ。
しかし見方を変えれば、クレカはそれだけ「厳重な錠前」があるべきではないか。
それと同時に、クレカにはタッチ決済という「便利な鍵」が付け加えられるようになった。
安全と利便性を両立したクレカの姿を、PayPayカードはいち早く実現しているようだ。
【参考】
PayPayカード
取材・文/澤田真一