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1000万円超のスピーカーも!「2022東京インターナショナルオーディオショウ」で堪能したハイエンドオーディオの世界

2022.11.05

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

世界のハイエンドオーディオ製品が東京に集結

世の中はまだまだ不景気だが、夢のある音が無料で楽しめる「2022東京インターナショナルオーディオショウ」が有楽町の国際フォーラムで10月28日から3日間、開催された。世界的にハイエンドオーディオフェアは有料化する傾向があるが、日本では事前登録さえすれば無料と太っ腹なので、我々、庶民も大手を振って世界最高峰のシステムの音を堪能できるのだ。さらにオーディオ評論家の講演も無料、これを梯子すると取材時間がなくなるため、毎回、見られないのが残念である。

今回はめったに聴けないハイエンドスピーカーを中心に各社のブースを回ってきた。私が知る限りで最も高額なスピーカーはMAGICO M9である。価格は税込ペアで1億2650万円(予価)。エンクロージャーはアルミハニカムコアとカーボンで重量が454kgもあるため搬入困難であり、インターナショナルオーディオショウには現れなかった。しかし、それ以外にも多くの1000万円超えスピーカーが音楽を奏でており、異次元空間で耳と目の保養ができた。

ヤマハの新製品「NS-2000A」はアナログの音が抜群

ヘッドフォン祭で平面磁界型ヘッドホンの試作機を試聴できなかったので、今回は朝イチでヤマハブースに並んで、NS-2000Aの試聴会整理券をゲットした。3Way4スピーカーのトールボーイで、全ユニットの振動板にハーモニアスダイヤフラムと呼ばれる技術を採用して、音色の統一感を図ったという。価格はペアで88万円、スタンドも含めてのサイズは幅33cm、奥行き45.9cmと6畳間にも置けるサイズだ。技術説明などはなく45分間音楽を流し続けるという贅沢なデモがおこなわれた。

試聴システムは全てヤマハ製品で統一され、前半はデジタル、後半はアナログを再生。アナログプレーヤーは同社のGT-5000を使用したが、レコードの音が出た瞬間、中低域にグッと厚みがある音になり、スピーカーよりも先にGT-5000の実力を再確認してしまった。オールヤマハが奏でる音楽はアコーステックな楽器の優しい響きが再現され、音に癒やしを求める人と相性が良さそうだった。

ヤマハは発表したばかりの新製品NS-2000Aの試聴会をおこなった

システムは全てヤマハ製品でプリ、パワー、SACDプレーヤー、アナログプレーヤーを使用

さすがGT-5000、希望小売価格82万5000円の実力を発揮してくれた

最強の小型2Way、ELAC「CONCENTRO S 503」は132万円

ハイエンドというと超大型フロア型スピーカーを想像するが、音場感で有利な小型スピーカーを忘れてはならない。私が好きなのはハイルドライバーを進化させたJET Vツイーターを使った同軸2WayユニットStepX-JETを搭載したドイツELACのCONCENTRO S 503なのだ。25mmドームツイーターの10倍の面積を持つJET Vは高域50kHzまで伸びたハイレゾ対応で、密度の高い高域を再現してくれる。一見、2Wayだが実は3Wayなので低域の量感もあり日本の部屋のサイズにジャストフィット。内側にある黒いスピーカーはアクティブスピーカーAIRPULSEの新製品「SM200」である。接続されたのがバランス対応ヘッドホンアンプのEarMen「CH-AMP」で、こちらも音場感豊かな音を再生。ミニマムなシステムで高音質を目指すなら狙い目のペアだと思った。

外側がELAC「CONCENTRO S 503」、内側がAIRPULSE「SM200」

上がヘッドホンアンプのEarMen「CH-AMP」、下は別筐体の電源部

TADから8年ぶりに新製品が登場!

小型とは言えないが、国産メーカーTADの一推しが、11月下旬発売予定のTAD-CE1TXである。2Wayに見えるが、ツイーターにベリリウム、ミッドレンジにマグネシウム振動板を使った同軸2Wayユニットを使った3Wayで価格は297万円とハイエンドに突入。実は同社のハイエンドはReferenceシリーズで、こちらはEvolutionシリーズなのでメーカー的にはハイエンドとは呼んでいない。注目したいのは100kHzまで高域が伸びたベリリウム振動板のツイーター、そしてマグネシウム振動板のミッドレンジである。高解像度とハイスピードを両立した、キレのある音を大音量でスカッと聴かせてくれた。

TADブースはブックシェルフ型とは思えないスケール感のある音で会場が満たされていた

国産ハイエンドメーカーが選んだスピーカーは

国産ハイエンドアンプメーカーと言えば、アキュフェーズである。今年6月で創業60周年を迎え、音に磨きを掛けている。プリメインE-480の後継機、E-4000とプレーヤーDP-570のペアが鳴らしたのは、B&W 801D4だった。鳴らすの難しいとされるB&Wの800シリーズをプリメインアンプで鳴らすという自信に満ちたデモを決行。さらに同社のモノラルパワーアンプA-300×2とC-3900で、鳴らした音はワイドレンジで情報量が多く、クセのない音でアキュフェーズの集大成を思わせてくれた。

アキュフェーズがデモに選んだのはB&W 801D4とJBL 4349だった

こちらも国産ハイエンドオーディオブランドSOULNOTEが選んだスピーカーはYG Acoustics Hailey 2.2である。小型に見えるがエンクロージャーがアルミ合金の削り出しでフロントもリアバッフルも32mmの厚さがあり、密閉型で、これまた鳴らしにくい。インピーダンスは2.7Ωまで下がるためアンプのドライブ能力が問われる。このスピーカーを鳴らしていたのが同社のモノブロックパワーアンプM-3とプリのP-3で構成されるMETISである。SOULNOTEらしいホットで濃厚な音が再生され、これがアルミ合金のエンクロージャーから出る音なのかと驚かされた。

YG Acoustics Hailey 2.2を鳴らすのは中央に見える巨大なモノパワーM-3である。

本家WE300Bを使った真空管アンプが新登場

トライオードが創立30周年を記念して限定100台で発売するのが「EVOLUTION 300 30th Anniversary」である。価格は110万円でウエスタンエレクトリックから再販された直熱三極管300Bをシングルで搭載した贅沢なプリメインアンプに仕上がっている。トライオードと言えば、えんじ色のボディが印象的だったが、最近のハイエンドシリーズはブラックに身を包み高級感を増しているように思える。また魅力的な海外製品の輸入もおこなっている。

EVOLUTION 300 30th Anniversaryは300Bシングルで出力12W+12W、バイアス調整機能を搭載、リモコンにも対応する

トライオードの高級ブランドJUNONEシリーズの最新作JUNONE 845S。出力は純A級で22W+22W

参考出品された韓国のHiFI Rose RA180はメカメカしくレトロなデザインのプリメインアンプ

KT170を使って純A級で125W+125Wを実現

ひときは広くゴージャスな空間にハイエンドモデルが並ぶのが、AXiSSブースである。Ayonの真空管アンプはドライブ能力を必要とするスピーカーを駆動するため五極管を使ってハイパワー化している。最新モデルのTrion EVOはKT170のプッシュプルで125W+125Wを実現。私もこの会場で初めてTUNG-SOL KT170と対面した。

メイン会場には土方久明さんの講演のためにFyne Audioの新製品Vintageシリーズがセッティングされ音出し中だった。Vintage Classic XもVintage Twelveも鳴りのいいスピーカーで、コンプレッションドライバーのツイーターを使った同軸2Wayユニットが広々とした空間とヌケのいい高域を聴かせてくれた。ここまでハイエンドスピーカーを見てくると、Vintage Classic Xがペアで154万円というのがお買い得に見えてくる。

後編へ続く

独特のデザインがインパクト抜群のKT170はKT150を超える高出力の五極管だ

Ayonの真空管アンプはミラーフィニッシュのトランスカバーとアルミへアラインのシャーシが特徴

元タンノイの技術者たちが創立したFine Audioから、遂にタンノイっぽいモデルが登場した

ユニットはセンターにコンプレッションドライバーを内蔵した同軸2Wayが使われる

写真・文/ゴン川野

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