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Oggi編集長に聞く、コロナ禍を経た働く女性たちの変化

2022.11.06

編集者、とりわけ編集長は、どうしたらたくさんの人に読んでもらえるか、読者の変化、求めているモノを徹底的に考え抜き、時には読者自身も気づいていないインサイトにまで踏み込んでいく。その仕事を覗くと、働く私たちへのヒントがたくさんある。

今回は2022年8月26日発売の10月号で、創刊から30周年を迎えた『Oggi(オッジ)』の塩谷 薫編集長をインタビュー。『Oggi』やその読者を通して感じる、働く女性たちの変化と、それに合わせたコンテンツ作りのポイントを取材した。 

仕事により熱く向かい合っている読者も多い

―まず『Oggi』は、どのような読者が多いですか?

塩谷 薫編集長(以下、塩谷)「創刊からずっと、真面目できちんした働く女性が主となって読んでくださっています。『今時の若い人はバリバリ働きたがらない』というようなイメージもあるかもしれませんがコロナ禍を経て、“コツコツ真面目に取り組めば必ず成果が出る”と、仕事により熱く向かい合っている方が多いなぁと、読者の皆さんと接していて感じます。

一方で、服やメイクの流行は押さえておきたいし、お金の話にも興味があるし、エンタメも気になる。いい意味で様々なことに興味がある平均的な“働く女性”が中心です。

おかげさまで30周年を迎えられたのですが、時代は変わっても『Oggi』を支持してくださるコアな読者がいるのは、ブランディングがわかりやすいからかもしれません。創刊当時から、東京の丸の内や有楽町といった場所に象徴されるような、都市で働く女性像を描き続けてきました。当時からジャケットにパンツ、がひとつの代表スタイルと言えると思います」

Oggi11月号発売中
https://oggi.jp/6841102

―塩谷さんが編集長になった2018年10月からは、表紙に「働く30歳からは、仕事もおしゃれも“今日”が一番楽しい!」というコンセプトが掲げられています。年齢は関係なく、この世界観に共感する皆さんが読者ということでしょうか。

塩谷「スマホやWEBメディアが今のように主流でなかった時代は、年齢で区切るファッション誌が一般的でした。少し前まで『Oggi』もアラサー向けといわれていたし、今も実際に読者の平均年齢は33歳くらいです。でも、これからの時代は上限を設定しないほうがいいと思っています。

女性って、自分より上の世代に憧れるのはOKだけれど、下の世代のものとなると「私とは関係ない」と遠慮する方が多かなぁというのが私の実感です。でも、『Oggi』をずっと好きで読んでくださっている上の世代の方々の中には、『Oggi』が目指す生き方をされている魅力的な方が多い。だからあえて『30歳からは』として上限を設けず、全ての“働く女性”に読んでほしいと考えています」

―逆に下の世代はどうですか?

塩谷「実はいわゆる『Z世代』が、電子版で『Oggi』のような少し上の世代向けのファッションを中心に見ているというデータが出ています。今、10代後半〜20代前半の若い世代に、10万円台のポシェットや、ブランドもののスマホケースなどちょっと背伸びした商品を買う方々が増えていて。そういう方が知りたい情報が、自分の年齢よりちょっとお姉さんの雑誌の『Oggi』には載っている。わ〜っと情報をとるツールとして、電子版が利用されているようです。おかげさまでdマガジンなど電子版の購読率も好調です」

―電子版を意識した誌面作りも大切ですね。

塩谷「はい。ファッションと美容だけでなく電子版で読まれやすいと言われている、手土産ネタなども、あえて入れています。また、タイトルや見出しの文字の切れ間をよくして、電子版で読みやすくしたり、1ページごとに見てもわかるようにしたりレイアウトの工夫もしています。

私はずっと雑誌を作ってきたこともあり、雑誌が大好きです。でも『雑誌って、こういうものだから』ととらわれすぎると、どんどん取り残されてしまう。魂は売らずにギリギリまで攻めて、ある程度は流れにのり、時代に合わせて進化することも大事だと思っています」

コロナ禍での読者変化

―進化が不可欠な変化の多い時代です。2020年からは、新型コロナウィルスの流行が始まり、在宅勤務も増えました。ファッションにも変化はありましたか?

塩谷「ありましたねぇ。コロナ禍以前は、着まわしのきく服や、1か月コーデ企画、つまり1枚の服をONやOFFでどう着分けるかようなテーマが人気でした。そこから新型コロナウィルスの流行が始まって、当初はリモートミーティングで素敵に見せつつ楽な服や、顔周りが映えるジュエリーなどがよく取り上げられていました。

今はそこからもう少し進んで、週に何度かの外出や出社時に着る“とっておきの服”と、家の周りのワンマイル含めた世界で着る“楽だけど誰かに会ったときに恥ずかしくない服”。この2つに分かれているように感じます。結果的に、メリハリをつけて洋服を買っている人が増えたのではないかと思います」

―その変化の中で『Oggi』が譲れないことは?

塩谷「やはり、様々な人と触れ合うとっておきの日を素敵に見せるヒントをお伝えすることです。出社したOggi読者が『○○さん、おしゃれ』と思われる感度の良さは見せておきたいですね。

今は、いろいろな情報が溢れていますし、やらなきゃいけないことや気にしなきゃいけないことが増えています。そんな今だからこそ、流行りの第一情報を、コンセプトがしっかりしている『Oggi』から得るという読者の声をいただきます。その期待に応えられるよう、進化しつつも譲れない部分は見失わないようにしていきたいですね」

後編ではこれからの女性メディアと新たなチャレンジについて伺っていく。

塩谷 薫
小学生の頃に出版社で働くことを決め、大学時代のアルバイト先は小学館の『プチセブン』。同社に入社後『プチセブン』を皮切りに、女性誌の編集者として『CanCam』、『Domani』、『AneCan』副編集長、『CanCam』編集長を経て、2018年10月から『Oggi』編集長に。

取材・文/ニイミユカ 撮影/横田紋子

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