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コロナ禍の急激な暮らしの変化に未来のIoTプロダクトはどう応える?これからの企業マーケティングに求められるもの

2021.01.25

2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。「人々の暮らしを、テクノロジーで豊かにする。」の実現を目指して住宅関連事業者やメーカー、流通・小売りに携わる企業が集い、まずは、ユーザーに心地良いスマートホームを段階的に進めていこうとしています。

2020年10月29日にはカンファレンス「LIVING TECH Conference 2020」を開催。全13セッションの中から、セッション10の内容を3回にわたって紹介します。


左から、木崎大佑さん(株式会社蔦屋家電エンタープライズ 商品部 商品企画Unit新規事業Team Leader 蔦屋家電+プロデューサー)/大木和典さん(muiLab株式会社 共同創業者 代表取締役社長)/沼田健彦さん(株式会社ワンモア代表取締役CEO GREEN FUNDING代表)/中村剛さん(東京電力エナジーパートナー株式会社 販売本部 お客さま営業部 デジタル営業グループ 副部長 リビング・デジタルメディア担当)

※Session 10 後編※ コロナ禍による急激な暮らしの変化に「未来のIOTプロダクト」はどう答える?

【前編】コロナ禍による急激な暮らしの変化に、未来のIoTプロダクトはどう答える? 家電業界の系譜からIoTプロダクトの変化を辿る

【中編】メーカーやクラウドファンディングから続々誕生するプロダクト、世界と日本の市場の大きな違いとは?

個人的に興味があるプロダクトやカテゴリ

木崎:消費者の立場から、みなさん個人的に興味があるプロダクトやカテゴリ、普段愛用しているものと、私も興味があってぜひお聞かせいただきたいなと。大木さんいかがですか。

大木:宣伝になるんですけど、muiと繋がるっていうのもあって、私はSONOS(ソノス)さんのスピーカーを愛用しています。形を気にしなくても音がすごくいいので楽しめるし、Wi-Fiを繋いでおけばYouTubeや自分の好きな音楽をかけられるので簡単でいいなと。一方で、設定が難しいっていうのはあったんですけど。最近持ち運びできるものも出て、あれがまた欲しいなって思っています。

木崎:ぜひ、蔦屋家電で(笑)。沼田さんいかがですか。

沼田:僕、今ずっと”骨伝導の技術の進歩”に注目しています。日本だとイヤーズオープンていうスタートアップメーカーがやっていて、クラウドファンディングを3回くらいお手伝いしたんですが。今はちょうどAfterShokz(アフターショックス)さんのブームマイク付きのヘッドセットをやっているんですけれども。

露骨に音がどんどん良くなっていたりとか、バッテリーの伸びがどんどん上がっていたりとか。カナル型のイヤホンってすごく鼓膜に負担を掛けるんですよね。だからトゥルーワイヤレスになってよかった半面、昔の目じゃないですけど、どんどんテクノロジーのせいで耳が悪くなる人が(増えるのではないか)……。

100歳とかみんな生きるようになったら補聴器ってまだまだ課題もあるので、骨伝導の技術で聴覚の部分を予防するとか、補聴器に替わるようなプロダクトが出てきたりするのかな、なんて思っています。

あとは私、活舌が悪いというか、普段言葉がうまく通らなくてZoomとかで聞き返されるわけです。最新の骨伝導で「喋っている方の声を吸い上げる」みたいなのがあるみたいで、それも早く商業化をしてくれたらと思っています。マイクって空気で拾ってますので性能によって左右がある。それが骨伝導になると、かなりクリアに聞こえるらしくて。

すでに業務用では高速道路の工事とかで使われています。万が一聞こえなかったりすると大変な事故になっちゃうので。まだ値段は高いみたいなんですけど、もうすでに使われているらしくて、そういうのが商品化されていくと可能性があるんじゃないかと。骨伝導の技術はけっこう興味を持っていますね。

木崎:ありがとうございます。中村さんは。

中村:私も最近ノイキャンのワイヤレスイヤホンを使っているんですけど、それはそれですごく良いんです。同じ音繋がりになっちゃうんでもう一個の方で……teploっていうところが出している「スマートティーポット」にハマっていて。

コーヒーメーカーはいろいろあるんですよね。だけどお茶ってなかなか無くて。お茶を淹れる時の温度だとか時間だとか、すごく厳密にやった方が美味しいというのがわかっていながらも、なかなかできないじゃないですか。

例えばお湯を60度で沸かしても、淹れた時にはまた温度が下がってしまうし。それをアプリと連動して茶葉を中でぐるぐる回すみたいなことをやってくれます。今年のCESに行った時に出ていたんですね。そこでいろいろ話しをして、「日本で売るようになったら教えてくださいね」って言ったところ、今年売り始めました。毎朝のルーティンとして使って、本当にいいなと思いました。

Withコロナ時代における企業のマーケティング

木崎:Withコロナ時代における企業のマーケティング活動で、リアルの接点がすごく少なくなってきていますよね。なかなか外に出られない中で、今後ものづくりをしながらも消費者と深い接点を持つため、ファンを作るためにはどういうマーケティングの考え方が必要なのか、沼田さんにお聞きしてもよろしいですか?

沼田:コロナの状況が今後どうなるかというのもあると思うんですけど、一つは「オンラインでの繋がりを維持すること」が非常に大事だと思っています。いわゆるクラウドファンディング自体も元々はスタートアップが資金集めという形で使っていましたけれども、この状況になって、どちらかというと「新製品をローンチする場」に変わってきているのかなと思っています。

例えば、リアルでどこかの拠点にいくつか製品のサンプルを置いておいて、オンラインで新製品を発表するやり方。妻が美容の業界にいるんですけど、家電だけじゃなくて美容分野も、新製品発表会をほぼオンラインセミナーにしていて。そういうかたちに今後シフトしていくんじゃないかと。でっかい会場で見本市をやるっていうのが、もしかしたら少しずつ減っていく可能性はあるのかなと思っています。

木崎:オンラインとオフラインをうまく融合させながら、大木さんがmuiのお話で「直接触ってもらってなんぼ」というところがありましたけど。やっぱりものづくりをやられている方、そういう面もあるんじゃないかなと思います。うまく融合していけたらいいですよね。

どんな未来を想像していますか?

木崎:最後のテーマになるんですけれども、元々このセッションは「未来のIoTプロダクトはどうなっていくでしょう」というのがテーマです。未来って例えば1年先なのか5年先なのか10年先なのかわからないですけど、みなさんどういう未来を想像されていますか?

大木:最近別のところで話す機会があったんですけど、ハイプサイクル(※1)とかムーアの法則(※2)とかで直近の5年ぐらいに対して熱狂するっていうのがテクノロジーだとどうしてもあって、そこに違和感を感じていまして。

※1 ハイプサイクル:イギリスのガートナー社が造った、「社会への適用度」「技術の成熟度」などを示す指標、図のこと。

※2 ムーアの法則:インテル創業者の一人、ゴードン・ムーアが「半導体回路の集積密度は18か月で2倍になる」と論じた1つの指標。

やっぱりもっとロングショットで考えて、そこから今何をしていくのかみたいなこと。今(自分の)子どもが小さいのもあるんですけど、考え方が変わるっていうのが次のあり方なのかなと感じています。

木崎:ムーアの法則もそうですけど、少し緩やかになってきていますものね。沼田さんいかがでしょうか。

沼田:よく「これからは個人の時代だ」みたいな話がありますけど、コロナ禍でより強制的にそういう状況になったというのもあり。やっぱり人からしてみると結局、オンビジネスなのかオフなのかが混ざってきていると思っていて。

だからビジネス用品って言ってるものが、実はけっこうプライベートの用品にも兼用されていくというか。トゥルーワイヤレスのイヤホンとかもそうですけど、「これZoomの会議でいいね」っていうものもが実は個人の趣味、ランニングの時に着けて良いとか。

「ビジネスに使えるよ」っていうクラウドファンディングが多かったんですけど、混ざってきたなって。極論を言ったらキャンプみたいな道具も、実はビジネスのために役立ってるとか。全部一緒になってきているかもしれないなと感じています。

木崎:ありがとうございます。中村さん。

中村:私は「IoTですよ」って目立っている間は、成功じゃないんだと思うんです。結局、サービスだって言っている間は全然サービスじゃないのと同じで。普通に入ってなきゃダメなんです。

ロングテールで溶け込んでいって、お客さんとのメーカーの視点で考えると、毎年モデルチェンジをしていくと”売った時”がお客さんとの接点の最大値で、あとは落ちるだけじゃないですか。そうじゃなくて、ちゃんとファームウェアのアップグレードとかやっていくと繋がるわけです。「愛用者カード送ってください」とかやったって、やっぱりそんなのやらないわけですけど。価値があれば繋がるわけで、そういったことにIoTを使っていくというのがこれからの世界かなと思います。

木崎:先ほど沼田さんもおっしゃっていましたけど、そういう意味ではマスじゃなくてファンを一人ずつ大事にしていくお話に繋がるのかもしれないですね。皆さんにとって一つでもヒントがご提供できていたら嬉しいと思います。ありがとうございました。

supported by 蔦屋家電エンタープライズ

取材・文/久我裕紀

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