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態度やマナーが悪くて苦手!そんな部下がいたら上司はどう接するべきか

2022.10.16

上司の立場ともなれば、苦手な部下の一人や二人は出てくるのではないだろうか。しかし、苦手意識を持ったままでは上司は務まらない。上司自身のメンタルの持ち方や具体的な事象、部下タイプ別の対処法について有識者に手ほどきしてもらった。

部下・後輩へのストレス1位は「態度・マナーが悪い」

ライズ・スクウェアが2022年7月、男女500人に対して実施した「部下や後輩にストレスを感じる理由に関する意識調査」では、職場に苦手・嫌いと感じる部下や後輩がいる人は84.6%にも上った。

そして部下・後輩へのストレス1位は「態度・マナーが悪い」、2位は「やる気・責任感がない」、3位は素直に指示・指摘に従わない」となった。

1位「態度・マナーが悪い」については次のような自由回答が挙がった。

・上司や先輩にタメ口や舐めたような態度をとること。上を敬えない姿勢にストレスを感じる(28歳 女性)
・挨拶ができないとストレスを感じる(39歳 男性)
・同期同士や後輩に対しての話し方がお友達感覚すぎて呆れることがある(44歳 女性)

では、部下・後輩にストレスを感じたときはどうしているのか。1位は「注意・指摘する」、2位は「何もせず様子を見る」、3位は「できるだけ接触しない」となった。

この調査結果からは、多くの上司が部下にストレスを感じており、特に態度・マナーといったふるまいについて注意や指摘をしているのが多いことが分かった。

「部下が苦手」と感じたときに上司・リーダーとして持つべきマインド

実際、部下に苦手意識を感じ、ストレスを抱くようなシーンでは、どのような対応をすればいいだろうか。まずメンタル面について探ってみよう。

今回、話を聞いたのは、リーダー・管理職・経営者向けビジネススクール「ひとひとClub」代表で、講師でもある高木 久美氏だ。「苦手」「嫌い」と部下に感じた場合、どう思えばいいか。

【取材協力】

高木 久美氏
ビジネススクール『ひとひとClub』代表兼講師
ファッション・医療・IT・人材企業で十数年マーケターとして活躍。「人」を理解し動かすマーケティングの知識+ビジネス心理学&コーチング資格を活用し“人と自分を活かし活き活き働くための人間力&リーダーシップを高める教育プログラム”を開発し、2011年にリーダー・管理職・経営者向けビジネススクール『ひとひとClub』を設立。計850回以上の講座を開催し、リーダーの人間関係・マネージメントの悩みを一緒に解決中。
https://www.hitohitoseminar.com/

「苦手・嫌いと感じること、ありますよね。人は、自分にとって『こうあるべき』と思っている常識が相手から『軽んじられた』『否定された』と感じると、『なぜ?どうして?』というモヤモヤ、つまり、いら立ちや悲しみ等の感情が生まれます。多くの人はこのモヤモヤを我慢し、閉じ込め、スッキリしないまま頑張って相手に合わせたり、気を使いながら注意・意見したりします。それでも上手くいかないときに上司・リーダーにおすすめなのは、自分の気持ちや在り方を整える作業です。実はこのモヤモヤの奥には『本当はこう在りたい・こんな会話をしたい』など、あなたの願いや大事にしていること=良いエネルギーが隠れているのです」

●自分の気持ちや在り方の整え方

「整え方は複数あります。一つ例を挙げましょう」

1.モヤモヤをどんどん書き出す。
2.その中で一番嫌なことを選ぶ。
3.「それの何が嫌か?」と何度も自問自答し感情を書き出す。
「そうか、自分はこれが嫌だったんだ」という納得感ある答えを見つける。
4.「本当に嫌なこと」の奥にある「本当はこう在りたい」という願いを思い出し、その願いで相手に伝えたいことを考える。

「このように気持ちを掘下げられるとスッキリし、自分の気持ちが楽になり、自分の在り方が整い、自分の中からいつもと違う対応策が出てきます。気持ちを一人で掘下げるのは簡単ではありませんが、少しでもあなたの気持ちが楽になれば成功です」

部下の態度やマナーが悪い…どう対応する?

部下の「態度やマナーが悪い」と感じたとき、どのように対応するのが優れた上司だろうか。よくある対応の例をもとに解説してもらった。

●「上司や周りに対して高圧的・威圧的な態度をとる」

「人の行動の奥には、価値観が眠っています。その人の行動の奥にある価値観がわかれば、上手な対処法も見えてきます。この高圧的・威圧的行動の奥にある価値観を考えると、例えば『論理的に考え、結果を早く出したい』もしくは『新しいことや楽しいことをやりたい』と思っている可能性があります。

このような心理・思考で行動している人が、『自分の言っていることは正しい』『こっちのほうが面白いのになぜわかってくれないのか?』と感じると、『もっと強く言えばわかってもらえるかも』と、行き過ぎた状態、つまり高圧的・威圧的になることがあります」

●「意見を言わない・黙ってしまう・無視をする」

「この行動の奥にある価値観の一例は、『仲良くしたい・揉めたくないから周りに合わせる』もしくは『慎重にミスなく行動したい』という思いかもしれません。仲良くすることが大事と思っている人は『意見を言って、それが相手と反対意見だったら嫌な顔をされるかも』と気になり、ミスなく行動したい人は『間違ったことは言いたくないやりたくない』と感じて黙ってしまうわけです」

「先述の“上司への意識調査”に、部下・後輩へのストレス1位は『態度・マナーが悪い』という結果がありましたが、人は自分が軽んじられたと感じると何か嫌な気持ちになります。部下の立場であっても、自分の価値観が否定されたと感じたり、価値観と反することを強要されたと感じると不安になり、上記のような自分を守る行動をとる傾向があります。上司の対応策としては、まず、なぜその行動をとっているのか、相手の真意・大事にしていることを聴いてみましょう。

聴けたら『その価値観も仕事には大切だよね』と一旦受け止めてから、『それでね、私はこれが大事だと思うから…』と自分の価値観と意見を伝えて、その後、一緒に解決策を話し合ってみましょう。そんなの面倒、と思うかもしれませんが、ひと手間かけることで関係性が良くなり、会話もスムーズになれば、その部下との仕事はぐっと楽になるはずです」

「やる気・責任感がない」部下に対する対処法

続いて、部下が「やる気・責任感がない」と感じたとき。どのように対応するのが優れた上司だろうか?

●「自分の好きなことだけやる、やりたくない仕事は手を抜く」

「この行動の奥にあるのは『新しいことや楽しいことをやりたい』という心理かもしれません。『自分が楽しいことをやったほうが良い仕事ができるはず』『自分にしかできない仕事で貢献したい』などの価値観で行動していて、本人はよかれと思っているかもしれません」

●「言われたことしかやらない、自ら進んで行う姿勢が見られない」

「こちらは『仲良くしたい・揉めたくないから周りに合わせる』という心理かもしれません。『言われていないことをして相手の希望と違ったら不快にさせるかも、もしくは迷惑をかけるかも』などの価値観で行動していて、本人はよかれと思っているかもしれません」

「部下のやる気や責任感を上げるには、相手の大事にしている価値観を理解し受け止めて、活かす言葉をかけることが効果的です」

【「新しいこと・楽しいことをやりたい」部下に対して】

例:『前回やってくれたA社向け資料がすごく好評だったから、この仕事もあなたのアイデアで良いものにしてね」

「このように、本人が楽しくアイデアを活かせる言葉をかけてあげることで、興味がなかった仕事でもやる気を高めて良い仕事をしてくれる可能性が高まります」

【「仲良くしたい・揉めたくないから周りに合わせる」部下に対して】

例:『いつも周りへの協力ありがとう。この仕事は、チームみんなの役に立つ内容にしたいから、周りをよく見ているあなたの視点を活かして欲しい。一緒に頑張ろう』

「このように、本人が頑張っている協調性を活かせる言葉をかけてあげましょう。そして一緒にやろうという気遣いによって不安が減り、前向きに積極的に取り組んでくれるかもしれません」

「いずれも、相手をコントロールしようと思って使うと上手くいかないので、相手の価値観に寄り添う気持ちで接しましょう。すると、相手の心が開きます。その後には『私はこれが大事だと思うから…』と自分の価値観や意見も伝えると、互いの心が近くなり、あなた自身も安心して話しやすくなっていくと思います」

部下に対して、何か不満やストレスを感じたときには、チャンス到来。価値観に寄り添い、今後、部下とのコミュニケーションがレベルアップするかもしれない。ぜひヒントにして取り組んでみよう。

【調査出典】ライズ・スクウェア「部下や後輩にストレスを感じる理由に関する意識調査」

取材・文/石原亜香利

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