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中学受験によって家計に深刻なダメージを受ける家庭の特徴

2022.10.11

首都圏を中心に、中学受験が過熱しています。少子化といわれる現代でこれほどまでの活況をみせる中学受験に、「わが子も乗り遅れさせまい」と中学受験の道に足を踏み入れるご家庭が増えてきました。

同時に、「中学受験により家計が深刻なダメージを受けている」という人も年々増加しています。

本記事では、「中学受験で破産する家計の特徴」を紹介するとともに、その対応策も紹介していきます。

中学受験で破産する家計の特徴

これまで「中学受験を選択したことで生活が苦くなってしまった」という人からのご相談をお引き受けしたことがありますが、「中学受験で破産してしまう家計の特徴」は以下の通りです。

1 貯蓄がない

中学受験をするにあたり、今現在貯蓄がない人の中学受験は無謀としか言いようがありません。

これから塾の費用がかかるようになるだけでなく、受験料や入学金、制服や部活動の費用など、お子さんが大学を卒業するまでノンストップで大きなお金の支払いが続きます。

これから大きなお金の支払いが次から次へと10年以上やってくるのに、今現在貯蓄が全くない状況では、これから先の支払いをどうする予定なのでしょうか。

「これから収入を増やす予定だから大丈夫」「これから節約すれば何とかなる」という人もいますが、お子さんが小さい時期の「お金の貯め時」に貯蓄をする習慣をつけられなかった人は、今より支払いが増える今後も貯蓄の習慣がつかない可能性の方が高いのです。
中学受験を検討するなら、数万円、数十万円程度の貯蓄ではなく、ある程度まとまった貯蓄をする習慣をお子さんが小さいうちからつけておくことが大切です。

2 第2子、第3子と子が複数いる

「中学受験を検討している」というご家庭のお子さんは、たいてい第一子か、上のお子さんと年の離れた末子であることが多いのですが、なかでもその子以外にもこれから中学生になるお子さんが複数いるご家庭ほど、中学受験で破産しやすい家計といえます。

なぜなら、中学受験を検討するお子さんの学費が増える時期と、下のお子さんの習い事などの教育費が増える時期が重なり、支出全体が大きく膨らみやすくなることと、第一子のお子さんが中学受験を検討すると、「下の子にも中学受験を」となりやすく、2人分、3人分の学費の支払いを並行してするには相当な経済力が必要になることが予測できるからです。

特に第一子の中学受験を検討する際は、注意が必要です。

第一子であるがゆえに先々の支払いの見通しが親自身にも立てられないことから、どんぶり勘定になりやすく、「第一子にお金をかけすぎて2子以降にはお金がかけられなくなってしまった」など、兄弟間の教育の不平等などにもつながりやすくなります。

第2子、第3子と下のお子さんがいる中で中学受験を希望するなら、「この先2人分、3人分の学費が同時にかかるようになっても支払えるのか」をよく検討しましょう。

3 足りなくなったら借りればいいと考えている

「もし資金が足りなくなったら教育ローンや奨学金などで借りればいい」と安易に考えている人も、中学受験で破産しやすくなります。

時々「借りられるところからはすべて借りた」という状況でご相談に見える方がいますが、返済計画もろくに立てずに借金ばかりを増やしてしまうと、家計のダメージはより深くなり回復までに相当な努力と時間が必要になります。

どんぶり勘定の自転車操業を続けると、雪だるま式に借金が増える原因にもなり、「今のことしか考えない」は「現実逃避をして問題を先送りしているだけ」になりやすい傾向があります。
中学受験をすると、塾通いの始まる4年生ごろから中学入学から大学卒業までの約13年、人によってはそれ以上という長い期間の資金繰りが大切になってきます。

「お友達が受験するから」「本人が受験をしたいと言ったから」という安易な動機だけで中学受験を決めず、できるだけ借金をしなくても済むような計画を立てることが大切です。

4 資金計画を立てていない

上記の安易に借金の計画を立てることと共通する部分もありますが、家計の資金計画を立てる習慣のない人も中学受験で破産しやすい典型的な家計です。

最近は共働きのパワーカップルが増えていることもあり、夫婦ともに収入があるがゆえに「何とかなるのではないか」と考えがちなのですが、正直に言って、資金面で計画性のない「何とかなるさ主義」のご家庭には中学受験は勧められません。

資金計画を立てなくても、資金面で不足することが全くなく、むしろ余って困るぐらいだというほどの経済力のあるご家庭なら話は別ですが、一般的な収入かやや高収入程度のご家庭では、お子さんが成長するに伴い年々生活が苦しくなるのが目に見えています。

不足する資金が増えるほど、将来お子さんの奨学金などに頼る額が増えることになり、親の無計画が子の借金にまで影響を与えることになることをくれぐれも忘れないでいただきたいものです。

子の金銭感覚を養うために大学の費用は奨学金で賄ってもらうという教育方針にすることまでは分かりますが、一人暮らしの費用、パソコンなどの備品の購入費など、すべてを子の奨学金まかせにしていては、給付型の奨学金に該当するか、子がよほど収入の高い安定した職業につかない限り、将来的に子までも破産する可能性が高くなります。

せっかく中学受験をして子の教育の充実を計画するのですから、親の破産が子の破産にまで世代間連鎖していくようなことのないよう、また、10年後に中学受験を選択したことを後悔することのないよう、日頃からしっかりとした資金計画を立てる習慣をつけましょう。

中学受験は計画性を持って

ここまで中学受験が過熱している状況では「中学受験をさせてあげないと子がかわいそう」「中学受験をしないと子の教育が人より劣るのではないか」といった思い込みが生まれやすくなります。

しかし、「地元の中学校が荒れているから中学受験をするしかない」というご家庭でも、中学受験をすることで親が破産してしまい、学費が払えなくなってしまうようでは本末転倒です。

中学受験をしたいのであれば、一般的な収入に近いご家庭ほど先々の資金計画をしっかり立てたうえで中学受験に臨むのが本来の形であることを忘れないようにしてください。

参考:https://dime.jp/genre/1437419/

※データは記事執筆時点での情報。公開後に制度や内容が変更される場合がありますので、最新の情報についてはホームページなどでの確認をお願いします。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖(講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他 

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