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スタートアップの投資先として今、最も注目されている事業領域と業界は?

2022.09.29

スタートアップ企業の資金調達が、2021年度に比べて難しくなっていると言われている昨今、VC(ベンチャーキャピタル)/CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)や事業会社は、どの分野に関心があるのだろうか。

フォースタートアップスはこのほど、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」のSTANDARD会員のうち、 VC/CVCの投資家・事業会社のオープンイノベーションまたは新規事業開発担当者、スタートアップ経営者または資金調達関係者に対して、「投資・資金調達に係る実態調査」を実施し、200件の有効回答を得た。調査結果の詳細は以下の通り。

スタートアップ企業の46.3%が資金調達時に求めるアセットは「営業活動(顧客紹介など)」と回答

スタートアップ企業の46.3%が資金調達時に求めるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」と回答する一方、事業会社が提供できるアセットは、「営業活動(顧客紹介など)」は31.5%であり、お互いの期待にギャップがみられる。

大企業のCVCであれば既存顧客の紹介は得意であるように思われがちだが、顧客接点を持つ部署とCVC部門の連携が薄いことも要因の1つであると考えられる。

また、VC/CVCの33.3%が「戦略策定」と回答しており、事業会社の10.1%よりも20%以上高い結果となっている。

事業会社は、自社の事業とのシナジーを期待して投資をするケースが多いため、「戦略策定」よりも「営業活動(顧客紹介など)」(31.5%)におけるサポートを提供する割合が高くなっていると考えられる、

投資したい事業領域、CVC/VCは「コンピューター・ソフトウェア」、事業会社は「医療・ヘルスケア関連」が1位

VC/CVCではコンピューター・ソフトウェアへの投資意欲が高い傾向が見られる。これまで米国の株式市場はIT株の上昇が長く続き、銘柄によって差はあるものの、巨大IT企業の株価は下がらない見通しだ(※1)。その期待感による影響を日本市場においても受けているものと考えられる。

事業会社は、本業との事業シナジーを追求したストラテジックリターンを重視する傾向にある。そのため、興味のある投資領域は会社ごとに変わることがある。その結果、興味のある事業領域・業界は幅広く分散していると考えられる。

【参考】
(※1)日経ビジネス「米IT株の下落は「逆風」にあらず」

スタートアップ企業、資金調達にかかる時間は3か月以内が63.3%

スタートアップ企業は、資金調達活動において投資家と接点を持つための手段として、「出資元や繋がりのあるVCからの紹介」が59.7%と半数以上が回答した。加えて「証券会社からの紹介」が7.5%と、紹介を通じて投資家との接点を持つ割合は67.2%と7割近くにのぼった。

これはスタートアップと投資家が接点を持つには、スタートアップ企業側が自社のみの知見や人脈で行うことが容易ではないことを示していると考えられる。

一方、投資家側であるVC/CVCとしては、資金調達ラウンドにおいて、投資先の候補を見つけ、実際に投資するまで「1ヶ月〜3ヶ月で実行されることが多い」と60%が回答。1ヶ月以内での投資も含めると63.3%が3ヶ月以内に投資していることになる。

資金調達ラウンドによって投資家からの資金調達にかかる時間は異なるが、スタートアップ企業の多くは身近な紹介を受け投資先を検討し、平均3ヶ月以内で投資が実行されて、遅くとも半年以内には大半のスタートアップ企業が資金調達を実施している。

43.3%のスタートアップが、投資家と会うための効率的な活動ができていない

しかし、スタートアップ企業は多くの投資家と会うための効率的な活動は43.3%が「できていない」と回答。調達活動に時間が取れないと回答するスタートアップ企業も25.4%と、投資家となるキーパーソンに会えないことや、時間を割けないことなど効率的に活動ができていないことが課題となっている。

CVCや出資を検討する事業会社の母数が増えている中で、スタートアップ企業に対して出資に関する注力領域・出資可能金額・出資検討期間などを含む方針やスタンスに関する情報開示をしているケースは多くない。

そのため、スタートアップ企業側からは、CVCや事業会社の出資ニーズを正しく掴むことは難しく、自社にとって最適なパートナーとなりうる投資家にアプローチができていない状況がある。

また、CVCや事業会社においては、人事異動などにより、スタートアップ企業への投資に長期的に携わった人材が不足している。そのため、スタートアップ企業側からは「この人と話すべき」という投資の意思決定に関わるキーパーソンを見つけ出すことが非常に困難であるという。

CVCや事業会社側においても、ストラテジックリターンを求めて出資先を探していてもスタートアップ側が戦略に関わらずに資金のみを必要としている場合には、双方のミスマッチが発生する。数あるスタートアップからシナジーを生み出す適切なパートナーを見つけ出すのは容易ではない。

資金調達や外部企業とのアライアンス活動において使ってる時間は25.4%が1時間/日以下、時間はとっていないと回答したのは22.4%と約5割のスタートアップ企業はアクションに対する時間は月20時間未満と、時間が足りないことがボトルネックとなっている。

依然としてスタートアップ企業が自ら、自社に最適な投資家を探すことができていないのが現状であり、事業会社・CVC/VCも情報収集はしているものの、最適な企業とのマッチングまでつなぐことが安易ではなく紹介に頼る企業も多い状況だ。

<調査概要>
調査内容/スタートアップエコシステムにおける投資・資金調達に係る実態調査
調査目的/資金調達関係者の「投資・資金調達」にまつわる関心や考えを明らかにする目的
調査方法/インターネット調査(Web上のアンケートフォームより入力)
調査期間/2022年5月30日〜 6月15日
調査機関/フォースタートアップス株式会社(自社調査)
調査対象/『STARTUP DB』登録のSTANDARD会員のうち、 VC/CVCの投資家・事業会社のオープンイノベーションまたは新規事業開発担当者、スタートアップ経営者または資金調達関係者(全2871名)
回答者/有効回答数200件(そのうち、VC/CVC、スタートアップ、事業会社の数は186社)

出典元:フォースタートアップス株式会社

構成/こじへい

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