お葬式の香典に関する近頃の風潮
お葬式には主に4タイプの形式があります。一般葬・家族葬・一日葬・直葬です。昔ながらのお葬式のスタイルである一般葬・家族や近親者のみの家族葬・通夜を行わない一日葬・火葬のみを行う直葬と、それぞれ規模や流れが異なります。新型コロナウイルスの影響もあり、小規模な葬儀が中心となりつつある傾向は、香典にどのような影響を与えているのでしょうか。
香典の相場はお葬式の形でも変わる?
葬儀がどのような形式になっても、香典の金額は変わりません。直葬の場合通夜とお葬式を行わないため、香典は必要ないと考える向きもあります。
しかし、そのような場合も香典を用意するのが参列者のマナーです。お葬式が小規模でも、1日しか行われなくても、香典の相互扶助の考え方は影響を受けないからです。
香典を辞退する喪主が増えている
近頃の香典の傾向として、喪家が香典を辞退するケースが見られます。訃報を伝えるときや、葬儀の案内状で「香典を辞退いたします」という案内を受けた場合は、香典を用意する必要はありません。
ただし、辞退の文面に注意が必要です。お葬式では参列者が持ち寄る香典の他に、供花(くげ・きょうか)、供物(くもつ)もあります。香典だけを辞退する場合と、その他のものも辞退する場合があるので、案内状の文面に注意しましょう。
お葬式の香典のマナー
香典は新札を使いません。新札は探したり用意したりしなければ揃えられないものです。香典に新札を包むということは、事前に揃えておいたことを意味することになり、死を予期していたと考えられるため忌み嫌われる行為とされています。
新札しかない場合は、わざと折り目を付けるなどして包みます。では、他に香典で気を付ける点はどのようなものがあるのか見ていきましょう。
偶数の金額は避ける
香典の金額を決めるとき気を付けておきたいのが、縁起の悪い数字です。
- 偶数
- 4と9
偶数は割り切れることから、「割れる」「分かれる・別れる」という言葉をイメージさせるため、香典やご祝儀で嫌われる数字です。また、4は「死」を、9は「苦しみ」を連想させるので、弔事ではタブー視されています。香典は、奇数の金額を包むよう心がけましょう。
多すぎる金額は失礼になる
多額の香典は喪家に対して失礼にあたります。喪家は、四十九日のあとに香典をいただいた人へ向けて、香典返しを送ります。香典返しの金額は、香典の額に対し3~5割とするのが一般的です。
相場や関係性をはるかに超える金額を送ると、喪家に金銭的な負担を掛けてしまいます。香典は相場の範囲内で用意するのが、喪家への心遣いにもなります。
香典の入れ忘れはすぐに知らせる
意外に多いのが、香典の入れ忘れです。香典袋を用意してお金を入れないまま渡してしまい、家に帰ってから気づくケースは少なくありません。
この場合、喪家の人が気づけば連絡が来ます。連絡が来る前に自分で気づいたときはお詫びして後日送るか、弔問で渡しましょう。
構成/編集部