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いつ行なうべき?法人税の中間申告が必要な法人と必要な手続き

2022.10.03

会社を経営していると納めないといけない税金の一つが法人税です。法人税には中間申告という制度があります。中間申告の制度の概要・法人税の計算方法・税金の納付方法について基本的な知識から具体的な手続きまでを解説します。

法人税の中間申告の概要

そもそも法人税の中間申告とはどのような制度なのかを解説します。その上で、中間申告する必要がある法人と不要な法人の違い、2種類の申告方法について説明します。

法人税の中間申告とは?いつ行う?

法人税の中間申告とは、事業年度の途中でその期の法人税を後述する計算方法に基づいて、本来なら事業年度終了後に支払う分を前払いする制度です。中間申告は、事業年度開始日から6カ月経過した日から2カ月以内に行わなければなりません。

12月末決算の法人の場合を例にすると、事業年度開始日は1月1日です。事業年度開始日から6カ月を経過した日は7月1日になります。この法人の場合、7月1日から2カ月以内つまり、9月30日までに中間申告する必要があります。

中間申告が必要な法人と不要な法人の違い

中間申告が必要な法人と不要な法人を分ける条件がいくつかあります。その中でも大きな条件の一つは前事業年度の法人税額です。中間申告が必要となるのは、前事業年度の法人税額が20万円を超える法人です。反対に、前事業年度が赤字だった法人や納付した法人税額が20万円以下だった法人は中間申告が不要です。

その他に中間申告が不要となる法人としては、前事業年度が存在しない「設立1年目の法人」や、NPO法人などの「公益法人等」があります。

2種類の中間申告方法(予定申告・仮決算)

法人税の中間申告には「予定申告」と「仮決算」の2種類の方法があります。

<予定申告>

前事業年度の法人税額を基準にして行う中間申告が「予定申告」です。中間申告に伴い納付する税額は、前事業年度に支払った法人税額のほぼ半分になります。申告と納税手続きが簡単なのが、予定申告のメリットです。

<仮決算>

事業年度開始から6カ月経過時点での中間決算を行い、そこで算出された課税所得に法人税率をかけて中間納付する法人税額を算出するのが「仮決算」です。中間決算する手間がかかりますが、前期に比べて経営状況が悪化し、予定申告で算出される納税額の支払いが難しいときの対応策として有効です。

中間申告する場合の法人税の計算方法と必要な手続き

税と電卓

(出典) photo-ac.com

法人税の中間申告を予定申告にするか仮決算にするかで、法人税の計算方法も必要な手続きも異なります。予定申告と仮決算の具体的な手順を解説します。

予定申告での法人税の計算方法

予定申告による法人税の金額は「前事業年度の法人税額 ÷ 事業年度月数(12カ月)× 6」で算出します。

<例:前事業年度の法人税額が100万円の場合>

100(万円)÷ 12(カ月)=8万3,333円(1円未満切り捨て)

8万3,333円× 6(カ月)=49万9,998円 ⇒ 49万9,900円(100円未満切り捨て)

予定申告する場合に必要な手続き

前事業年度の確定法人税額が20万円を超えていると、予定申告に必要な申告書は所轄の税務署から自動的に送られてきます。申告書が送られてきたら、それに沿って申告書を完成させ、提出すれば予定申告に必要な手続きは完了です。

前事業年度に電子申告した場合は、e-Taxソフトのメールボックスに「法人税予定申告のお知らせ」が表示されるので、お知らせ内容に沿って申告します。

仮決算での法人税の計算方法

予定申告のほかに「仮決算」で法人税を中間申告する方法もあります。

  1. 事業年度開始から6カ月時点での中間決算を行う
  2. 算出された「課税所得」の金額に「法人税率」をかけて、中間納付する法人税額を算出する

なお、予定申告によって算出した法人税の納付金額が10万円以下の場合は仮決算による申告はできません。同様に、仮決算で算出した納付税額の方が予定申告で算出した納付税額よりも金額が大きくなった場合も、仮決算による申告はできません。

仮決算する場合に必要な手続き

仮決算の手続きは年度末後に行う決算と同様です。事業年度開始から6カ月間を1事業年度とみなし、6カ月の実績で決算を行います。決算結果から損益計算書・貸借対照表・勘定科目内訳明細書・株主資本等変動計算書を作成し、所轄の税務署に提出する必要があります。

予定申告より書類作成に手間がかかるので、余裕を持って手続きの準備を進めましょう。

中間申告で算出した法人税の納付方法

現金とクレジットカード

(出典) photo-ac.com

中間申告の結果、法人税の納付が必要になった場合には、確定申告時と同様に本店所在地の所轄税務署に算出した金額を納税します。3種類の納付方法があるので、それぞれについて解説します。

納付方法は3種類(現金・クレジットカード・電子納税)

中間申告で算出した法人税を支払う場合には、「現金納付」「クレジットカード納付」「電子納税」の3種類の納付方法があります。

<現金納付>

税務署に直接、現金と納付書を持参し窓口で納税するのが現金納付です。金額が大きくなると、現金の準備に手間がかかる可能性があります。

<クレジットカード納付>

インターネット上での支払い手続きによって、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へクレジットカードで税金を支払うのがクレジットカード納付です。

<電子納税>

e-Taxのシステムを使い、オンラインで税金を支払うのが電子納税です。電子納税を実施するためには、商業登記の情報を反映させた電子証明書が必要となります。e-Taxのシステムを使うためにICカードリーダライタなどの機器の準備も必要です。

法人税を中間申告しないとどうなるのか?

確定申告書類と電卓

(出典) photo-ac.com

法人税を中間申告する対象の会社が申告しないと、罰則はありませんが税務署によって納税額が決められます。みなし申告と呼ばれるこの仕組みと税金の納付が遅れた場合の罰則について解説します。

みなし申告として扱われる

実は法人税の中間申告は法人経営において必須の手続きではありません。したがって、予定申告と仮決算のどちらも行わなかったとしても、無申告加算税が課されるなどのペナルティはありません。

もし、中間申告の期限内に申告書を提出しなかった場合は、事前に税務署から送られてきた予定納税額で予定申告した扱いになります。これを「みなし申告」といいます。みなし申告後の修正はできないので、その点には注意が必要です。

納税の遅れは罰則の対象になる

法人税の中間申告は必須ではありませんが、予定申告・仮決算・みなし申告のいずれであれ、法人税の納付が必要になった場合には、期限内に納付する必要があります。

納税が遅れると、法定期限までに納税しなかったことへの罰則として、追徴課税である延滞税を課されます。中間申告は必須ではないが、期限内の納税は必須と覚えておきましょう。

また、仮決算において、中間申告により計算した税額の計算を間違えて本来の納税額よりも少なく申告した場合には、過少申告加算税という追徴課税も課されます。このような事態を避けるために、間違いのない仮決算が求められます。

法人税を中間申告した場合の確定申告時の手続き

確定申告書類に記入

(出典) photo-ac.com

中間申告により事業年度中に法人税を納付した実績は、事業年度終了後の法人税の支払いにも影響します。法人税を中間申告した年度末の確定申告時に必要な手続きについて解説します。

中間申告時の納付額は前払いとして扱う

事業年度終了後の決算では、中間申告を予定申告・仮決算・みなし申告のいずれで行ったのか、中間申告時に納税があったのか・なかったのかに関係なく、1年分の利益に所定の法人税率をかけて法人税額を算出します。

ここで算出した納税額から中間申告時の納税額を控除した金額が確定申告時の納税額です。つまり、中間申告時の納付額は法人税を前払いしたものとして扱われます。ですから、決算時の納税額より中間申告時に支払った納税額が多い場合は、差額分が還付されることになります。

構成/編集部

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