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【最新ビジネス解説】利用しない時はホテルになる!NOT A HOTELの1日単位で利用できるNFTメンバーシップ住宅

2022.09.20

ホテルであってホテルではないーーユニークなビジネスモデルで注目される「NOT A HOTEL」。暮らしや旅に新しいスタイルを持ち込むビジネスが、さらにNFTの仕組みを活用した「NOT A HOTELメンバーシップ」をリリースした。

NFTを活用したビジネスが次々と生まれるなかで、これは生活者の意識を変えるアイデアになるのではないか? NOT A HOTEL社代表で創業者の濵渦伸次氏に話を聞いた。

自宅にもホテルにもなる超スイートルーム

NOT A HOTELは、1部屋(棟)100〜300平米、部屋によってはプールやサウナ、温泉付き露天風呂も備える「超」ラグジュアリーな別荘向けの住宅だ。最大12口(年間30日分)のシェア購入が可能で、通常数億円する物件を2000万円台から手に入れられる。

さらに、オーナーは自分が使わないときは、同社を通して部屋を宿泊客に貸し出すことができ、ホテル運用の収益で投資回収されるという仕組み。

自宅利用↔ホテル利用の切り替えは、アプリで手続きが完了する。ホテル利用に設定した日の利用権は同社が買い上げ、集客、清掃、決済などの運用は同社が行う。オーナーに一般的な民泊のような手間はかからない。

現在、宮崎県の青島、栃木県の那須、福岡県の福岡市の物件を販売中。今後は全国に拡大予定で、オーナーは自分の別荘の利用日数を使用して、すべてのNOT A HOTELを利用できる。

また2022年6月には、NOT A HOTELを年間1日単位で利用できるNFT「NOT A HOTELメンバーシップ」の販売を開始した。一口125万円で、有効期限は47年間。毎年同じ日に、異なるNOT A HOTELの宿泊利用権がランダムに与えられる。

別荘とホテルビジネスのDX

濱渦氏が、はじめから現在のビジネスモデルを考えていたわけでなく、当初は純粋なホテルとして構想がスタートした。

「ラグジュアリーな超スイートルーム」という空間のコンセプトは変わらない。しかし、そうした宿泊事業は「前例がない」と金融機関の融資を断られ続け、そこへコロナ禍が追い打ちをかけた。ビジネスモデルの転換を迫られて、2020年4月、NOT A HOTELとして、ホテルにもなる住宅販売の事業を開始した。

2021年9月に販売開始すると、24時間で15億円分の物件が売れた。2022年7月現在、1年足らずで30億円分が完売している。形は変わったが、濱渦氏らが見込んだ「ラグジュアリーな超スイートルーム」のニーズは、潜在していた証だろう。

ところが、物件はまだ一棟も建っていない、というのがおもしろい。内見もモデルルームもなし、CGを見せるだけ、しかもオンラインストアのカートで、数千万〜数億円の物件を販売している。

同社はあらかじめ土地の買収や設計は行うが、物件は売れてから建てるというモデル。建物ができた時点で、土地や設計コストも含めて、すでに投資回収が完了していることになる。

濱渦氏はこの状態を「稼働率100%のスイートルーム」と表現する。

一般にスイートルームの稼働率は低いが、空室でも管理や減価償却にコストがかかり、通常それは宿泊費に反映される。例えば、稼働率10%で1泊30万円のスイートルームは、空室9日分の費用を宿泊客が支払っている可能性がある。もし稼働率が100%なら、適正価格は1泊3万円前後だ。

始めに設備投資して客室を稼働させ、何年もかけて回収する一般的なホテル事業では、こうしたムダが避けられない。解決するには、オーナーとして暮らしてもらうスタイルが適切で、使わない日はゲストに貸すことで、さらに物件を効率よく活用できる。

こうして考えると、同社が提供する価値は「高いお金を払ってもしたい特別な体験」(おそらく当初はこちら)だけでないことがわかる。常識を取り除き、ムダを省くことで「憧れのライフスタイルを実現しやすくする」のが、NOT A HOTELの真骨頂だ。

NFTを活用したNOT A HOTELメンバーシップは、まさに後者の価値を提供する施策だ。シェア購入で投資額が下がるとは言え、数千万円を支払える人は限られており、利用しやすいサービスを求める声が大きかったという。

125万円の年1回利用権(47年間有効)を、1泊あたりで計算すると約2万7000円。使わなかった利用権がムダにならないよう、所有者が明確で、譲渡や売買がしやすいNFTを採用した。

二次流通で価値が上がれば、元手以上の収益を得る可能性もある。分割購入の別荘を柔軟に資産として運用できるのは、オリジナルのNOT A HOTELと同様の思想だ。

将来的には、世界中の国や地域に施設を増やしていく見込みだが、拡大とクオリティはカギ。ふつうの生活をするオーナーが、年に数日間、信じられないようなラグジュアリーな暮らしが、世界のあちこちでできるようになる。

デジタルを活用してお金の流れを変え、新しい体験とビジネスモデルを創出する。DXの参考にしたいビジネスストーリーだ。

◯プレスリリース
NOT A HOTEL を1日単位で利用可能なNFTを販売

取材・文/ソルバ!
人や企業の課題解決ストーリーを図解、インフォグラフィックで、わかりやすく伝えるプロジェクト。ビジネスの大小にかかわらず、仕事脳を刺激するビジネスアイデアをお届けします。 
https://solver-story.com/

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