手紙を使った退職の挨拶
仕事の用件はメールやチャットで済ませられる時代なので、退職の挨拶を手紙で伝える人は少数派になってきていますが、手紙で退職の挨拶をしても何ら問題ありません。手紙を書く際の構成と実際の例文を紹介します。
退職挨拶の手紙の構成と例文
退職挨拶の手紙は封書・はがきのいずれを使っても問題ありません。注意点としてはがきの場合は、縦書き・横書きのどちらでも構いませんが、封書の場合は縦書きの便せんを使うのがマナーです。また、手紙を送るタイミングとしては退職日から2カ月以内が目安です。
退職挨拶の手紙は次の4項目で構成されます。
- 前文:「拝啓」と時候の挨拶を記載する
- 主文:起語に続き、退職日など退職の概要・在職中に受けた恩へのお礼や感謝・今後の展望を伝える
- 末文:締めの挨拶と「敬具」を記載する
- 後付け:日付・自分の氏名・宛名を記載する
退職挨拶の手紙の例文
拝啓 ○○の候 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて、私こと
このたび、一身上の都合により○月○日をもって ○○○○を退職いたしました。在職中は仕事に必要な知識から社会人としての心得まで非常に多くのことを教えていただき、深く感謝いたします。
△△の案件では、何とか私が成果を出せるよう根気強くアドバイスをくださったことを昨日のことのように思い出します。そのときの□□部長のように、どんな困難な問題も解決できるような社会人になりたいと心から思いました。
□□部長から教えていただいたことを活かし、これからも頑張っていく所存です。
末筆ではございますが、□□部長のご多幸と一層のご活躍をお祈りしております。
敬具
令和○年○月
○○○○(氏名)□□ 様
退職する際に注意すべきポイント
退職によりそれまで勤めていた会社でのキャリアは終了しますが、会社の事業はあなたの退職後も継続します。この点を踏まえた上で退職する際の振る舞いとして注意すべきポイントを解説します。
会社に対する不満を周囲に話さない
あなたの退職後も同僚は引き続き同じ会社で働きます。また、取引先の会社もあなたの会社とのビジネスを継続します。このように退職後も働く人たちのことを考え、会社に対する不満があったとしても周囲に漏らしてはいけません。
あなたが周囲に不満を漏らす行為は、周りの人たちを不快にします。さらに、在職中に積み上げてきた周囲の人たちからあなたへの信頼や評判を根底から覆すことにもなるので、絶対に避けなければなりません。
貸与品を返却しデスク周りをきれいにする
パソコン・スマホ・書籍をはじめとする各種資料など、業務に使用するために会社から借りていたものはひとつ残らず返却します。その際に、パソコンやスマホの資料や関係者の連絡先といったデータも必要なものは後任者に引き継ぎ、不要なものは削除するなどの整理が必要です。
あなたが使っていたデスクは、退職後には別の社員が使用します。次に使う人のために、私物は持ち帰り、不用品は廃棄するなどデスク周りをきれいにすることも忘れずに行いましょう。
引き継ぎ最終確認と最後の挨拶
出社最終日の午前中には各種業務の引き継ぎの最終確認をします。引き継ぎ内容の漏れは、社内外の人たちに迷惑をかけることになるので、最後まで緊張感をもって取り組むことが必要です。引き継ぎが終わったら、直接会えない社内外の人向けに「最後の挨拶」となるメールを送付します。
午後は会社から借りているものを返却し、上司や同僚への挨拶回りをしましょう。定時前(朝礼時の場合もあり)に最後の挨拶の時間がもらえれば、口頭で退職の挨拶をします。
構成/編集部