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人気マンガ「アオアシ」対談企画!中村憲剛と小林有吾が気になるキャラから推しキャラまで語り尽くす【前編】

2022.09.19

 

 

累計1500万部突破、第65回小学館漫画賞一般向け部門を受賞、日本サッカー界とも多くのコラボレーションを続ける“いまもっともアツいサッカー漫画”といえば『アオアシ』。 アニメもNHK Eテレにて毎週土曜日午後6時25分~で好評放送中だ。

今回はワールドカップを直前に控えた今、かねてより親交のある元・Jリーガー/日本代表の中村憲剛と『アオアシ』作者の小林有吾による対談が実現!

前編では原作でも注目の“あのキャラクター”のこと、2人の推しキャラなどについてお話いただきました!

※本インタビューは、週刊ビッグコミックスピリッツ39号(8月29日発売、発行/小学館)に掲載されたものを再編集したものとなります。

『アオアシ』とは?

サッカーJリーグのユースチームを舞台に、プロを目指す高校生たちの熱き姿を描いた人気コミック。

「世界へ、連れていってやる。」
愛媛に暮らす中学生・青井葦人(あおいアシト)は弱小サッカー部のエース。
中学最後の大会で負けた日、悔しさをぶつけるように海辺で走り込んでいたアシトは、試合を見ていた一人の男と出会う。
その男――福田達也は、Jリーグ有数のクラブ「東京シティ・エスペリオンFC」で、高校生年代を育成する組織「ユースチーム」の監督だった。
荒削りだが、ある特別な才能を持つアシトに無限の可能性を見出した福田は、自らの野望を語り始める。
「俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない。我がクラブこそが世界だと。その野望のすべてを担うもの、育成<ユース>だ。」
福田の誘いを受け、入団試験<セレクション>を受けに上京することを決意するアシトだったが──挫折、成長、友情—青春の全てがここにある!

『アオアシ』
著:小林有吾
小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載中!既刊1~29巻 好評発売中!
公式HP:https://bigcomicbros.net/work/6196/
公式Twitter:https://twitter.com/aoashiofficial
アニメ公式HP:
https://aoashi-pr.com
アニメ公式Twitter:https://twitter.com/aoashi_pr
https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/43180

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二人の出会い

――お二人は日頃から交流があると聞いていますが、いつぐらいから始まったのでしょうか。

小林「2年前の2020年ですね。憲剛さんが現役引退した年にイラストを描かせていただいたのですが、引き合わせてくれたのは、当時愛媛FCにいた森谷賢太郎選手(現:サガン鳥栖)です。元日本代表で、川崎フロンターレのレジェンドのお話を聞いてみたくて頼んだら快く受けてくださって、これだけのことを達成した人がなんでも答えてくれて感動しました。それが作品の力になっています。そこからはLINEでも質問攻めにしています(笑)」

中村「先生は湯水のように質問が出てくるので、話し甲斐があるんです(笑)。もともと僕自身がアオアシを読んでいたというのもありますが、作品から先生の熱量を感じていたので、賢太郎の話にも『喜んで』と言いました。小林先生はサッカーが大好きで勉強もしているし、リスペクトもすごく感じます。その熱量がアシトたちの躍動に繋がり、読者に伝わってきます。僕の周りでもアニメを含めて親子でアオアシを観てますよという人が本当に多いです」

――小林先生からはどういう質問が多いんですか。

中村「自分が普段はあまり話さないようなことを訊いてくれます。『このプレーはどんなことを考えてやっているんですか?』ということが多いですね。現役時代はあまり訊かれませんから(苦笑)。先生は、そこのリアルな感覚を掴みたくて訊いているのだと思いますが、そこを丁寧に言語化していくと、自分の頭の中が整理される感覚があります。今は育成年代で指導者として選手たちに接することが多いのですが、言語化して整理されたものがそのまま出ることが多いので、引き出しは増えました。つまり、アオアシでインスパイアされたものが、リアルの育成現場にも落とし込まれているということです」

小林「それは嬉しいなぁ。自分は漫画家の中でも取材が好きなほうだと思います。たくさんのプロ選手にお話を伺って、それが作品の力になっています。ただ、憲剛さんの話を聞いた時に、この人の言うことは『答え』だなと思ったんです。見てきたもの、達成してきたものが特別すぎて突き抜けているというか、ほかのサッカー選手とも違うんです。たとえば、一つのプロフェッショナルの考えに対し、それが100%正しいと言えることはないと思います。でも、憲剛さんの話を聞いていたら、これを『答え』としてそのまま描けばいいじゃないかと思ったんです(笑)。言葉が強いですね、そういう意味では」

司馬について

――作品の影響はどうでしょうか。28集から登場する司馬明考しばあきたかは、中村憲剛さんがモデルではないかと言われていますね。

▲アシトが憧れるほどの「思考力」を持つベテラン選手。

小林「実はトップチーム編はもともとやる予定ではなかったんですよ。ユースの話ですし、そこを描くとユースの話に戻る必要がなくなってしまうので。でも、やっぱりやるべきだなと思って、その時に中村憲剛さんの強烈な影響があったんですね。トップチームのイメージも、強い川崎フロンターレでしたし、だったら憲剛さんのキャラクターをそのまま出せばいいじゃないかって」

中村「アシトがトップチームに練習参加する時に、長くプレーしているレジェンドを出したくて、モデルにしたいと先生が言ってくれたんです。『マジですか? 自分がアシトを教えられる!』と、ものすごくテンションが上がりました(笑)。自分がアシトとつながった感じがして嬉しいです」

小林「読者によっては『憲剛さんかな? ヤットさん(遠藤保仁えんどうやすひと:現ジュビロ磐田)かな?』と思うみたいですね」

中村「司馬とヤットさんと僕を並べてくれたコマがあって、うまくまぶしてくれましたよね。僕は普段、コミックスの発売を待つ派なんですよ。でも『今週のスピリッツで中村憲剛が出てるよ』って教えてもらって、これだけは我慢できずに雑誌を買ってしまいました(苦笑)」

▲左から中村憲剛さん、遠藤保仁選手、司馬。

バトンリレー

――小林先生の中で、引退するベテランを描いてみたいという思いもあったのでしょうか。

小林「バトンタッチを描きたかったというのはあります。人から人に受け継がれていくものがあって、それでクラブが発展していく。そこを描かないと、やはりJリーグを紹介していくことにならないと思っていて、そこが一番ですね。描く前はそんなに尺を取らないでやろうと思っていたのですが、読者の反応を見ていると、かなり喜ばれている感触がありました。いいバトンリレーを描けているのかなと思います」

中村「自分が引退したのは一昨年なのですが、読んでいてあの時をリアルに思い出しました。特に司馬がBチームにいるのが生々しかったんです。自分も怪我から復帰した年はAチームとBチームを行ったり来たりしていたので。司馬も怪我していたからというのもあってBチームにいて、そこにちょうどアシトが練習に来る…タイミングもばっちりですよ」

――司馬が自宅で奥様に引退を告げるシーンは印象的です。

中村「そこは完全に自分と重なってますね(笑)。『チーム司馬は、攻撃は司馬で守備は奥様』というのもすごくわかります。なんだろうな…支えているというよりも、一緒に歩んでいるんですよね。海外移籍を断ってエスペリオンで生きると決めた時から覚悟ができていたと奥様が話す姿は泣けますよ」

小林「これからまだ面白くなるんですよ」

中村「えっ? ここからまだ面白くなるんですか! どこまで行くんですか(笑)」

小林「2集分でまとめるはずが、3集分かかっているんです。トレーニングもよい話だなと思いながら描いてますね」

中村「29集収録分までしか読んでいないのですが、濃密な三日間ですよね。その短い中でアシトが話を聞くだけでは終わらせず、言われたことを考えて実践し、また自分の意見をぶつけるところがいい。福田ふくだ、 出口でぐち、栗林くりばやし…自分をしっかり持っていて、考えを伝えてくる若手が本当に上に行くんだよなと当時を思い出しながら読んでいます」

小林「憲剛さんの話を聞いて大事だなと思ったのは、意見をぶつけてくる度胸だけではなく、自分なりにやってみたうえで言っているところですね。まず一回は受け入れてやってみる。そのうえでディベートしにくる。それが正しいなと気づきました」

中村「そうなんですよ。こちらが話をして『大丈夫です!』とか『その通りです!』と受け入れ続けるだけの選手だと難しい。こちらのアドバイスが頭に入ってない若手の表情を先生が見事に描いてくれてましたね。『そうそう! この顔なんだよな…』と、言葉が刺さってないあの目は印象的でした(苦笑)」

▲一方 アシトは、司馬から「いい目をしている」と評される。

練習参加のリアル

――中村さんが川崎フロンターレに練習生として参加した状況はどうだったんですか。

中村「僕はJユースの下部組織にいたわけではなくて、大学生としての参加でした。しかも4年生だったので、これが就職活動。二日間で何か爪痕は残さないといけなくて、人生がかかっていました。危機感というか、もう後がないというのはありましたね。初日の練習で選手の特徴などいろんなものを見て、二日目が練習試合だったんです。とにかく自分を知ってもらわないといけないし、いかにして自分の武器をフロンターレで発揮するか。ポジション的にも周りの選手を知らないといけなかったので、頭をフル回転させていました。その練習試合の前に突然、『君、ボランチやれる?』と監督から訊かれて、大学ではずっとトップ下だったんですけど、『やれます!』ってとっさに嘘をついたんですよ(笑)」

小林「えっ、嘘をついたんですか(笑)」

中村「そこでボランチはできませんと言ったら、落とされると思ったので(笑)。結局、それがうまくいって練習試合でチームが5、6点取ったんです。それが当時の監督や強化部にも目が止まって道が繋がったんです。あの二日間は強烈に覚えてますよ。当たってくだけろというぐらい必死でしたね」

――現在のアシトの練習参加ぶりはどう映っていますか。

中村「いいぞ、いいぞと思って読んでいます。高校生でトップチームの練習に入れる。しかも周りのアドバイスを聞いて、積極的に受け入れるところからスタートしている。そこでダメでも、まだ2年はあるわけじゃないですか。焦らなくても、なんとでもなりますよ。でも自分で危機感を作って、トップで爪痕を残そうとする姿は共感できます」

小林「よく考えたら、アシトはまだ高1なんですよね(笑)。それにしては焦っているかもしれません。ただアシトは家族のためにという思いがあります。家族に苦労をかけているので、一刻も早くプロにならないといけない…そこは僕も一緒だったので」

――小林先生はアシトに自分を重ねながら描いている?

小林「それはあるかもしれません。僕も漫画家を目指す時期が遅かったんです。憲剛さんの話とも似ていて、後がない状態で眼に映るものは何でもヒントにしないと人生が終わる…そのぐらいの危機感でした。自分も家族に苦労をかけたので、年齢関係なくプロになるにはどうすればいいのか…そこの部分は自分の心境を重ねながら描いているところもありますね」

二人の推しキャラ

――中村さんの推しキャラは大友栄作だそうですね。どの辺に惹かれますか。

中村「僕は中盤のポジションだったので、ああいう全体を見れるタイプが一人いると、チームのクオリティーやまとまりが段違いに変わると思っています。一人一人の感情の揺れ動きを察知しながらも組織全体をマネジメントしている…そんなことをしていないようで、大友はちゃんとやってるんです。そこにまた惹かれますね。味方を助けるし、試合中はちゃんとよいところにもいる。評価されにくいのですが、わかっている人からは評価される。指導者だったら、チームに一人は置いておきたいタイプなんです、大友は」

小林「たしかに、評価されにくいタイプかもしれませんね。もともとは、コミカルなツッコミ役の親友がいたほうがいいという注文を編集者から受けたのがきっかけなんです。その時に二人のキャラクターを描いたのですが、それが大友と 橘たちばなでした。それで大友はギャグパートも任せるズッコケ役で行こうと。ただ、アシトの横にずっといるためには大友も成長しないといけない。ただのダメキャラだったら、序盤で振り落とされてしまいますからね。そこで気づく人は気づくようなプレースタイルで、そしてチームになくてはならないという設定になりました」

中村「どんどん存在感を増してきましたね」

小林「人気もあるんですよ」

中村「大友のプレースタイルを見て、そういう生き残り方があるんだと思う子供達もいるんじゃないかな。あとは、女の子が出てきた時だけ顔が急にカッコよくなる絵も好きなんです(笑)」

小林「大友はモテる奴が大嫌いなんで(笑)」

中村「アシトが青森星蘭戦のスタメンを告げられたあとに、早朝に河辺で二人が話すシーンがありますよね。あそこは大友の真骨頂でしたね。彼もスタメンになるまで成長を遂げていて、みんなにも評価されて決戦に臨む。あのシーンが大好きです」

小林「…よかったな、大友! 憲剛さんが褒めてくれてるぞ!」

▲顔だけでなく、しばしば口調まで変わる。

▲アシトも驚く切り口からチームを見ている大友。

――よく訊かれると思いますが、小林先生の好きなキャラクターは?

小林「なんの面白みもない答えで申し訳ないですけど、アシトです(笑)。今まで描いてきたキャラクターの中で一番わかりやすいんですよね。今まで自分が描いてきた主人公は何を考えているのかわからないキャラクターばかりで、自分も動かしにくいところがありました。でもアシトはすごくいい奴で、思っていることや悩みも全部口に出す。だから、描いていて楽だなというのもあります。アオアシという作品でいろんな道を開いてくれるので、一番はアシトですね」

――今までは栗林のようなタイプを主人公にしていたんですか。

小林「そうですね。描けもしないのに天才を描こうとしていて、そこで自分の首を絞めていました(笑)。実力もない新人が背伸びしていたので、そういう漫画になったと思っています。もっと簡単でいいのにと、今なら思いますね」

中村「コップから水がこぼれる前にそれを察知できないですよ(笑)。ジュニア版の巻末サッカー教室(※12巻に収録)でも話したんですけど、栗林のあれはなんの能力なんですか(笑)」

小林「あはは(笑)。栗林はラスボス感がありますね」

▲ユース入団当初、昇格生たちとわかり合えず悩んだアシトは、自分の気持ちを素直にぶつけることを選ぶ。

▲アシトの1学年上ながら、強烈な「圧」を放つ栗林。

後編に続く


中村憲剛プロフィール

元・Jリーガー/日本代表で、現在は日本サッカー協会ロールモデルコーチやテレビ解説、中央大学サッカー部テクニカルアドバイザーなど、幅広く活躍中。

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小林有吾プロフィール

愛媛出身。『HOUSE OF BLUE LIGHT』でデビュー。主な作品に『ショート・ピース』『フェルマーの料理』。『アオアシ』で第65回 小学館漫画賞一般向け部門受賞。

 

インタビュー・文/いしかわごう 写真/スタジオ・アウパ ©ケンプランニング


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