自分以外の人とファイルの共有や共同編集をスムーズに行える、Googleスプレッドシート。個人だけではなく、ビジネスシーンでチームで活用している方も少なくないはずだ。
複数人で作業を進行するのに便利なGoogleスプレッドシートだが、ファイルのオーナーがチームから離脱することになった時に注意したい点がある。それが、オーナー権限を別のメンバーに譲渡しないままアカウントが削除されれば、ファイルもクラウド上から消えてしまう恐れがある点だ。
そこで本記事では、スプレッドシートのオーナーがチームを去る場合に備えて覚えておきたい、オーナー権限に関する基礎知識と、オーナー権限を別の人に譲渡する手順を詳しく解説する。併せて紹介するオーナー変更が上手くいかない場合に考えられる原因についてもチェックしてほしい。
スプレッドシートのオーナー権限とは
本題に入る前に、そもそもGoogleスプレッドシートのオーナー権限とは何かについて理解しておこう。「編集者」をはじめとする他の権限との違いも確認してほしい。
ファイルの作成者がオーナー
Googleスプレッドシートで新規ファイルを作ると、そのファイルの作成者が初期設定上のオーナーとなる。ファイルは常にオーナーのGoogle ドライブ上に保存されるため、複数人でファイルを共有し、他のメンバーによってファイルが編集された場合も、更新後のファイルは編集者ではなくオーナーのドライブに上書き保存される。また、ファイルの削除が行えるのはオーナーに限られる。
他の権限との違い
Googleスプレッドシートには、オーナーの他にも「編集者」「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」の3つの権限が存在する。それぞれの権限の違いは以下の通り。
編集者:ファイルの編集やアクセス権限の付与はできるが、ファイルの削除は行えない
閲覧者(コメント可):ファイルにアクセスし、内容にコメントできる。ファイルの編集は行えない。
閲覧者:ファイルの閲覧のみ可能。ファイルの編集やコメントの追加はできない。
「編集者」「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」の権限は複数人に付与することができるが、ファイルのオーナーは1ファイルに対して1人のみとなる。
オーナー権限の変更方法
先述の通り、Google スプレッドシートでは、ファイルの作成者が自動的にオーナーとなる。ただし、自らのオーナー権限を別の人に譲渡することで、オーナー変更は可能だ。ここからは詳しい手順を見ていこう。
権限を変更するための必要条件
オーナーを変更するためには、オーナー権限を譲渡したい相手に該当するファイルを共有した上で、相手の権限を「編集者」に設定しておく必要がある。ファイルを共有していない相手や、権限が「閲覧者」に設定されているユーザーに対しては、オーナー権限の譲渡はできないため、操作を始める前に設定を確認しておこう。
オーナー変更の手順
オーナー権限を別の人に譲渡する際の詳しい手順は以下の通り。
1.該当ファイルを開いた状態で「共有」をクリック
2.「アクセスできるユーザー一覧」にファイルを共有中のユーザーが表示される。オーナー権限を譲渡したい相手の名前の右横にある「▼」印をクリック
3.「オーナー権限の譲渡」をクリック
4.「オーナー権限を譲渡しますか?」と確認メッセージが表示されたら「招待メールを送信」をクリック。相手が招待を受諾後、オーナー権限の譲渡が完了する
なお、新しいオーナーによってアクセス権が変更されない限り、引き続きファイルの編集は可能だ。
オーナー変更ができないケース
スプレッドシートのオーナー変更が上手くいかない場合、いくつかの原因が考えられる。最後に、オーナー変更できない時によくある2つのケースを紹介したい。
スマホからは変更操作ができない
まず考えられるのが、スマホからオーナー変更をしようとしているケース。Google スプレッドシートは、現状ではスマホ・タブレットのブラウザ、アプリ版からのオーナー変更が行えない仕様になっている。オーナー権限を譲渡したい場合には、パソコンのブラウザからスプレッドシートを開く必要があることを覚えておこう。
ただし、編集者・閲覧者・閲覧者(コメント可)の3つの権限についてはスマホからでも設定の変更が可能だ。
Google Workspaceでは同じドメイン同士のみ変更が可能
Googleが企業・団体向けに提供している有料サービス「Google Workspace」を利用している場合、ファイルのオーナー権限の譲渡先として指定できるのは、同じドメインのアカウントのみ。そのため、例えば会社のアカウントで作成したスプレッドシートのオーナー権限を、ドメインの異なる社外の人に譲渡することはできない。
※データは2022年9月上旬時点のもの。
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文/編集部