DACを購入するときの注意点
DACを購入する際には、サイズや費用面に注意して購入する製品を選ぶ必要があります。設置スペースやDAC以外にかかる費用を十分に考慮して、利用シーンに合った製品を購入しましょう。
サイズが大きいモデルもある
据え置きタイプのDACには、サイズが大きいものもあります。ある程度スペースに余裕を残しておきたい場合は、置ける空間の大きさをあらかじめ測っておきましょう。パソコンの周辺で使いたいなら、コンパクトに使えるタイプを選んだ方が空間を圧迫しません。
また、バッテリー非内蔵タイプのDACだと、USBやコンセントから給電する必要があります。置きたい位置をコンセントの場所を考慮して、給電が難しそう・配線が複雑になりそうな場合はバッテリー内蔵型を選びましょう。
DAC以外の費用もかかる可能性がある
DACを使用して音楽を再生するには、専用の再生ソフトが必要です。DAC本体だけでなく、再生ソフトの購入費用もかかる可能性には注意しましょう。
パソコンを使用してハイレゾ音源を再生する場合、据え置き型のDACならスピーカーやアンプの用意も必要です。
ポータブル型のDACの場合は、イヤホンやヘッドホンを購入する必要があります。すでに自宅に他のアイテムがそろっていれば追加の投資は不要ですが、不足しているものがある場合は、DAC以外の購入費用も予算に盛り込みましょう。
DACの選び方
実際にDACを選ぶときには、対応している再生機器やフォーマットの他にも着目したい要素があります。趣味で音楽を楽しむ人向けのチェックポイントと、用途によってDTMに使う場合に調べておきたいポイントを紹介します。
対応するファイルとビットレートを確認する
DACが対応しているファイル形式の種類とビットレートは、楽曲データの再生品質に影響します。音質にこだわって音楽を楽しみたい人にとって、特に重要な要素です。
多くのDAC製品がハイレゾ音源の再生が可能な『PCM系』と呼ばれる製品であり、24bit/96kHz以上に対応していてハイクオリティーな音楽体験ができるでしょう。
市場で販売されている製品の多くはPCMに対応していますが、一部には『DSD音源』に対応しているものもあります。
DSD音源とは、CD音源のサンプリング周波数の64倍という精度で記録され、1ビット単位で量子化を実行する音源のことです。『DSD2.8MHz』や『DSD5.6MHz』に対応する製品が展開されており、アナログ音源に近い再現性が楽しめます。
DACを選ぶときは、PCMだけでなくDSD音源が再生可能かどうかも確認しておくとよいでしょう。
据え置きかポータブルかを決める
DACの形状は『据え置き型』と『ポータブル型』の2種類に分けられます。
据え置き型は屋内利用を想定している方式で、室内に設置し外部から電源供給を受ける設計になっています。一方、ポータブル型は屋外での利用が想定されており、バッテリーを内蔵しているのが特徴です。
ただ、据え置き型の製品の中には、コンセントではなくUSBからの給電が可能なものもあります。室内利用が中心で給電に問題がないなら、USB給電に対応しているものがパワフルでおすすめです。
ポータブル型は外出先で音楽を聞きたい、室内でも置き場所を固定せずに音楽鑑賞を楽しみたいという人に適しています。
入出力端子に着目する
どのような入力端子を備えているかも、DACを選ぶときにチェックしたいポイントです。使用する機器によって、ケーブルに対応するDACの端子は異なります。
DACを導入したい再生機器でどのようなケーブルを使っているのかを事前に調べ、対応している入力端子を備えたDACを選びましょう。代表的な端子には『同軸・光ケーブル』『USBケーブル』『LANケーブル』『HDMIケーブル』などがあります。
DACの導入とともに新たなプレーヤーを買う場合は、ケーブルの種類までチェックしておくと安心です。
用途によってはアナログ音声出力もチェック
DACをDTM用に使ったりプロ仕様の機器とも接続したかったりする場合は、アナログ音声出力の有無をチェックする必要があります。アナログ音声出力には、『FIX』と『VARIABLE』の2種類があるため、どちらを利用したいのかも事前に決めておきましょう。
FIXとは『固定出力』のことで、一定の音量で出力されるのが特徴です。一方のVARIABLEは『可変出力』のことで、再生機器のリモコンを使用した音量調節に対応しています。
構成/編集部