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最近よく聞くマーケティング用語「アップセル」ってどういう意味?覚えておきたい導入するメリットとクロスセルとの違い

2022.09.09

マーケティングでよく用いられる『アップセル』という手法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。アップセルの意味からクロスセルとの違い、導入のポイントまで解説します。顧客の心をつかむアップセルの方法をチェックして、売上の向上につなげましょう。

売上向上をかなえるアップセルとは

自社の売上を高めるための方法を探していて、『アップセル』という言葉にたどり着いた人もいるでしょう。まずは、アップセルがどのような営業手法なのかについて、クロスセルとの違いとともに解説します。

顧客単価を向上させる取り組みの一つ

アップセルは、顧客1人当たりの購入額を表す『顧客単価』を上げる施策です。顧客が購入意欲を示しているものや、すでに持っているものよりもランクの高い商品やサービスをすすめることで、顧客単価を上げる営業手法を指します。

アップセルの切り口は、大きく分けて以下の3種類です。

  1. 上位商品への切り替えを提案
  2. トライアル購入者に定期購入を提案
  3. 単品の購入者にセット商品でまとめ買いを提案

上位商品への切り替えは、クレジットカード会社でも使われている手法です。普通ランクのカードを使っている人に、より会費が高いゴールドカードへの切り替えを提案し、顧客単価の向上につなげています。

トライアル購入から定期購入につなげる手法は、化粧品やサプリメントなど幅広い商品に使えるでしょう。洗剤・ティッシュペーパーのように、日常生活で使う日用品・消耗品などのまとめ買いを促して顧客の単価を増やす方法もあります。

クロスセルとの違い

アップセルと同じく顧客単価を向上させる営業手法の一つが、『クロスセル』です。クロスセルはアップセルとは違い、商品を購入しようとしている顧客に別の商品をすすめます。

ネットショッピングをしているとき、『この商品もおすすめです』と関連商品が表示された経験はありませんか。購入しようとしている商品に関連のあるものを表示するのは、クロスセルの手法といえます。

例えば、デジタルカメラを購入しようとしている顧客に対して、他に必要になりそうな保護シートや持ち運び用のバッグなどをすすめる場合もあります。同じ商品を購入した人が買った他の商品を表示させるのも、クロスセルの一つです。

新規顧客獲得のコストをかけず売上アップを狙える

商品・サービスの売上は『顧客単価×顧客人数』で求めるため、商品・サービスを利用する顧客数を増やすことは売上の向上につながります。ただ、新しい顧客を獲得するには、基本的に商品・サービスに興味を持ってもらうための広告・宣伝費が必要です。

新規の顧客を増やさなくても売上の向上を狙えるのが、アップセルを導入するメリットといえるでしょう。新規獲得のコストを十分にかけられない企業でも、アップセルで顧客単価を向上させれば売上の増加を見込めます。

また、すでに商品・サービスに興味を持っている顧客へアプローチするアップセルは、新規顧客へのアプローチに比べると成果を出しやすいのも特徴です。

アップセルで売上を伸ばすためのポイント

対面での打ち合わせ

(出典) photo-ac.com

アップセルを導入したからといって、自然に売上が伸びるわけではありません。アップセルの効果を発揮するためにも、売上向上のポイントを押さえておきましょう。

アプローチするターゲット分析して絞り込む

アップセルを使って売上を伸ばすためには、アプローチするターゲットの分析・絞り込みが重要です。

例えば、現在の商品に満足していたり節約志向だったりする人にワンランク上の商品をすすめても、効果は期待できないでしょう。強引に売ろうとすると、逆に商品・サービスの利用をやめてしまう可能性もあります。

ターゲットの分析・絞り込みに当たっては、『商品・サービスを通じて企業に愛着・信頼を持ってくれている顧客を見極めること』が大切です。

顧客の分析方法には、主に『RFM分析』と『LWP分析』の二つが挙げられます。いずれも、顧客関係の情報や行動履歴をまとめた『CRM』を基に分析します。

RFM分析は、Recevcy(直近の購入日)・Frequency(来店の頻度)・Monetary(購入金額)から顧客の行動を分析し、愛着度・信頼度の高い顧客を3~5グループに分ける方法です。

LWP分析は、List(顧客リスト)・What(行動の内容)・Pace(行動頻度)の観点でアップセルを仕掛ける顧客を選び出します。一定期間の購買行動やヒアリングからつかんだ顧客の悩み・課題を把握し、顧客リストの中で商品の購入率が高い人の条件を決めましょう。

アップセルにつながる商品・サービスを用意する

ワンランク上の商品をすすめるアップセルにおいて、商品・サービスのラインアップの充実は欠かせない取り組みです。

例えば、ある化粧水を購入しようとしている顧客にワンランク上の化粧水を提案するためには、数種類の化粧水を用意する必要があります。

グレードの高いサービス・商品だけでなく、グレードが低いものも必要です。価格に合わせたサービス・商品のラインアップを整えることでそれぞれの特徴・メリットが伝わり、よりアップセルにつなげやすくなります。

期間限定の割引や特典を付けてお得感を出す

アップセルを成功させるポイントは、顧客の心理に働きかけることです。顧客の購買意欲を高めるような分かりやすいメリットを増やすと、アップセルが成功する確率が高まります。

例えば、無料のお試し期間を設けて、ワンランク上の商品・サービスをすすめるのが一例です。いきなり金額が上がるのには抵抗がある人でも、「さらにサービスが充実していて無料なら、試してみよう」とアップセルを受け入れやすくなります。

グレードの高い商品のみを期間限定で安くしたり、まとめ買いで値引きしたりするのも一つの戦略です。グレードが高い商品の金額を下げることで、「金額的に得をするのなら、高いグレードの商品を選ぼう」と顧客の心理が刺激されます。

アップセルを行う際の注意点

打ち合わせをする二人

(出典) pexels.com

売上を伸ばすために導入したアップセルが原因で、顧客を失ってしまうケースもあります。顧客の信頼を損なわないためにも、アップセルを成功させるための注意点をチェックしましょう。

顧客のニーズに沿わない提案は避ける

顧客のニーズにマッチしていることは、アップセルの大前提です。たとえアップセルに応じてくれそうな顧客に対してでも、ニーズに沿わない提案をするのは控えましょう。

顧客が必要としていないのにアップセルを行うと、顧客からの信頼を失うリスクがあります。アンケート・ヒアリング調査を実施し、顧客が利用している商品・サービスへの感想や、質の高いものを求めているかを確認すると確実です。

コールセンター・サポートセンターなどと連携し、寄せられた顧客の意見やクレームをチェックするのもよいでしょう。ニーズを把握し、顧客が必要としているタイミングでアップセルを仕掛けるのがポイントです。

押し売りすると顧客を失う可能性がある

グレードの高い商品をすすめるアップセルの手法は、方法を間違えると「押し売りだ」と受け取られる可能性があります。例えば、自由に商品を選べるはずのネットショッピングでワンランク上の商品を提案され続けると、購買意欲自体が下がってしまうかもしれません。

強引に高い商品をすすめるだけでは、商品の購入自体をやめたりサービスを解約したりといった本来の目的と反対の行動につながる傾向にあります。押し売りだと思われない頻度・アプローチ方法で、顧客のニーズに合った提案をしましょう。

成功した後もアフターフォローを

アップセルが成功した顧客にアフターフォローをせずにいると、商品・サービスだけでなく、それを売っている企業への愛着・信頼が下がってしまう可能性があります。アップセルが成功した顧客に対しては、数日が経過してから商品の使用状況を確認し、不具合があった場合には迅速に対応しましょう。

また、期間限定のキャンペーンやタイムセールなど、顧客にとって有益な情報を定期的に伝える取り組みも大切です。きめ細やかなアフターフォローで顧客の安心感・信頼感を高め、さらなる商品・サービスへの信頼へとつなげましょう。

構成/編集部

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