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コミュニケーションのプロに聞く「2度見知り」を克服する方法

2022.08.26

意外と多い「2度見知り」さん

「2度目に会ったときの会話が続かなくて……」

コミュニケーション教室を主催する(株)グッドコミュニケーション代表取締役・野口敏さんは、生徒さんからのお悩み相談で、こんな言葉をよく耳にするという。

「人は第一印象が9割」みたいなフレーズが流行して以来、コミュニケーション術のトピックとして、初対面をいかに制するかに焦点が当たることが多い。

しかし実際は、初対面の関門を切り抜けて、2度目に会ったときの会話のほうが難しいようだ。

野口さんは、これを「2度見知り」と呼んでおり、その対策の数々を著書『2度目の会話が続きません』(サンクチュアリ出版)に記している。

■「4つのお願い」を理解して会話を盛り上げる

本書で野口さんは、2度目の会話が続かない理由として、会話の内容が単なる「情報交換」になっている可能性を指摘する。

例えば初対面の相手が、「趣味で山登りを始めたんです」といったとき、それに対するレスポンスは大概、山登りに関する質問になるだろう。

「どこの山に登りましたか?」
「月に何回ぐらい行きますか?」
「次はどこの山に登りたいですか?」

…というふうに。山の話が終わったら、別の話題を持ち出して、同じように情報交換が続く。初対面であれば、これでもOKかもしれない。

しかし、2回目もこのノリが続いたら、お互いに就職の面接をしあっこしているようで、ちっとも盛り上がらないのは必定だ。

こんな情報交換のループから抜け出て、実りある人間関係を築くには、どうすればいいのだろうか?それには、誰もが持っている「4つのお願い(欲求)」を認識することが大事だと、野口さんは説く。「4つのお願い」とは次のようなものだ。

・自分の話に「いい反応」をしてほしい
・肯定的に話を進めてほしい
・私にもっと興味を持ってほしい
・あなたを知りたい

確かに、まだ仲が深まってないうちに、ネガティブな反応をされ、興味なさそうな受け答えだったら、縮めたい距離も一向に縮むことはないだろう。というか2回目はないはず。

これに関して重要なキーワードとして、野口さんは、「共感」という言葉を挙げる……といっても難しい心理学の話ではない。

単なる「あいづち」であっても、それに感情がこもっていれば、相手は共感をくみ取ってくれ、自然と話がはずむ。例えば、2人の女性のこんな会話のように。

Aさん「今度うちの課長になった人。まだ30歳なのよ」
Bさん「若いね!」
Aさん「12人抜きの抜擢なんだって」
Bさん「うわー、12人抜き!やるー」
Aさん「見た目は普通なんだけどね」
Bさん「へー、意外!島耕作みたいなイケメンかと思った」
Aさん「だったらいいんだけど。そういえばその課長ね、家でハムスター飼っているんだって。名前がハム介」
Bさん「えーっ!めちゃくちゃかわいいじゃない。写真みたいね」

共感の伴うあいづちのもう1つのメリットに、会話が膨らんでいきやすいというのがある。

脳科学的には、「自分の話に共感してもらえると、脳が刺激され、過去の体験や思い出とつながって、別のエピソードが出てきやすい」という。

上の会話の例でも、最初は課長の昇進の話だったのが、終わりの方でその課長のペットの話になっている。適切なあいづちがなかったら、会話はもっと平板なものとなっていたにちがいない。

■仕事上での会話も相手の共感を重視する

それでは、取引先や見込み客といった仕事上の2度目の会話は、何に気をつければいいだろうか?

この場合重要なのは、1度目に相手が話したことをよく聞いて覚えておくだと、野口さんは説く。

例えば最初に会ったときの雑談タイムで、相手が「この前お邪魔したときは、セミの鳴き声がうるさかったのですが、今日はもう1匹も泣いていなかったです。夏も終わりなんですね」と話したら、「季節に敏感で、けっこうロマンティストなんだ」と、相手の印象を頭に留めておく。

そうしておけば、2度目の会話で、「もう秋の気配がありますね。〇〇さんは季節の変化に敏感な方でしたね」というふうに話しかけることができる。

また、相手の仕事に関係あることを日常的に気にしておくことも大事。そうしておけば、次のように会話を展開することが可能になる。

自分「ネットの記事で御社の業界の話が出ていました。〇〇さんとお知り合いになったので、興味を持って見ておりました。御社の業界も環境コンプライアンスって関係あるんですね」
相手「そうなんですよ。よくご存じですね」
自分「〇〇さんと知り合いになって、興味が湧いたのです」

相手「うちの新商品が来週からスーパーの店頭に並ぶんですよ。その兼ね合いで来週から大忙しで」
自分「それは楽しみですね」
(後日の2度目の会話で)自分「新商品、買いました。いいところに並べてありまして、私以外にも買っている人を見ましたよ」

野口さんによれば、「あなたの話で興味がわきました」は、「最強のメッセージ」だという。さりげなく会話の中で生かそう。

では、自分の話をする場面になったときは、どのような内容を話したらいいのだろうか?

NGなのは、いきなりプライベートな話をすること。間違いないのは、仕事に関連したこと。これが基本原則になる。そして、相手が共感できそうな仕事の話をするよう心がける。

自分「昨年入社の新人から、研修制度が充実しまして、新人の知識が私より豊富でやりにくいんです」
相手「今の新人は会社に気を使ってもらえて、うらやましいですね、私の新人のときなんて、ひどいものでした」

自分「ボクの上司、すごく体育会系の人なんですよ」
相手「飲み会が多くて大変そうですね」

このように、話の中身自体は平凡なものでよく、むしろ汎用性が高く、相手にも共通点があるトピックを選ぶことが重要。

自分にはあたりまえで、面白みに欠けると思っても、相手には新鮮に映ることも多い。そうしたトピックを、日頃から意識してストックしておくよう心がけると、関係も深まっていく。

ここで取り上げた、野口さんによる2度目の会話のテクニックは、全体のほんの一部。ほかも含めてマスターすれば、「2度見知り」から脱却できること間違いなし。興味を持たれたら一読してみよう。

野口敏さん プロフィール
1959年生まれ。(株)グッドコミュニケーション代表取締役。関西大学経済学部卒。1989年に男性にコミュニケーションを教える花婿講座を日本で最初に開講。マスコミから200社以上取材を受けるも、「男が結婚のために勉強するなど情けない」と世の中から猛バッシングを受け、時代を先駆ける者の苦難を経験。以後、テーマをコミュニケーション全般に転じ、コミュニケーションスクールTALK&トークを主宰したが、苦労が20年間続く。この間、研究と経験を地道に積み重ね、それを基に2009年『誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方66のルール』(すばる舎)を発刊。シリーズ120万部を突破。以後、著書は18冊を数える。現在も大阪、東京、リモートでコミュニケーション講座を開催。「習ったその日にうまくなる」をテーマに、雑談力、スピーチ力、説明力UPの講座を開き、全国から生徒が絶えない。
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/talk3104

文/鈴木拓也(フリーライター)

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