逆出稼ぎワーカーのREALVOICE【FILE 3】
小林大輝さん
静岡県在住。本業として東京のデザイン会社でディレクターをしつつ、出身地である静岡県で独立の準備を進めている。
副業先/大阪府の不動産会社
業務内容
もともとブランディングに力を貸す予定だったが、建築学科出身の経歴を見込まれリノベーション用商材のマーケティングを行なっている。
報酬/月額10万円
専門性を武器に副業で力試し、独立の準備に活用
1988年生まれの小林さんは、地方副業の経験が豊富だ。「JOINS経由だけでも、胡蝶蘭の農家さんや料亭、結婚式場など、コロナ禍の前から様々な企業と副業をしてきました」
それには理由がある。将来的な独立を見据えている小林さんは、業務経験を積むために副業をしているのだ。
「僕は静岡市出身で、大学進学のタイミングで上京して都内で働いていたのですが、やっぱり静岡に戻りたかったんです。皆が生き急いでいる印象がある東京が苦手で……」。しかし、静岡県内に働きたい企業を見つけられなかった小林さんは、やがて静岡で本業として経験を積んできたプロモーションやマーケティングの分野での独立開業を考え始める。
「僕は広告業界にいたこともあるのですが、副業を通して、そこで身につけた製品やサービスの魅力をターゲットに届けるスキルがほかの業界でも生かせると実感しました。今はその分野で独立しようかと思っています」
こうして小林さんは独立を見据え、JOINSでの案件に限らず、多くのリモート副業を掛け持ちするようになった。以前は東京に住んで地方の仕事を受けていたが、今では静岡県に住み、開業準備を進めながら本業である東京の会社とのリモートワークと、複数の地方企業とのリモート副業を並行して進めている。実際に仕事相手と会うこともあるが、ほぼリモート中心だ。「いずれもマーケティングやブランディングの仕事です。もはやどちらが本業なのかわかりません(笑)」
さらに、今、JOINSを通して副業をしている大阪府の不動産会社に採用される際には、小林さんの別の専門性が役立ったようだ。
「実は僕は、大学と大学院では建築を学んだんです。だから図面も引けますし、マーケティングのスキルもある。そういう人間は少ないはずなので、それなりに応募倍率のある案件だったのですが、スムーズに採用してもらえました」というように副業でも、やはり専門性は重要になる。自らのストロングポイントをはっきりさせてから案件を探したい。
ところで、小林さんにとっての静岡の魅力は、生活水準の高さだという。「満員電車もないですし、広い公園もあるから、子育てにはばっちり。街もきれいだし……。そうそう、食べ物がすごくおいしいのもいいですね」。リモート副業は、仕事でもプライベートでも、人生を豊かにしてくれる。その魅力は収入だけではない。
〈ココがポイント〉マーケティングと建築の知識という、2つの専門性を同時に生かせる。本業より裁量が大きいため様々な経験ができるのも魅力。
〈ココに注意!〉リモートワークメインの小林さんのスタイルは、今でこそ珍しいが今後は増えそう。だからこそ、埋もれないよう専門性が必要だ。
こんな仕事も!地方ならではの企業と働けるのも副業の魅力だ!
鮎業界を救え!
鮎の業界にもマーケティングは必要。鮎業界を底上げするためのプランを考えるという仕事では普段と違った視点が求められそう。
印鑑の生き残りをかけて
何かと逆風が吹く印鑑業界だが、座して滅びるのを待つ手はない。あなたのアイデアが印鑑の新たな可能性を切り開くかも!
会社の未来を担う仕事も!
10年後の会社の生存戦略を一緒に考えるという社長と同じ視点に立った仕事は、一会社員ではなかなか経験できない貴重な機会になりそう。
※上で紹介している案件はすでに募集終了しているものを含みます。
取材でわかった「逆出稼ぎ」で成功するポイント!
●自分のスキルが何であるかをはっきりさせる
●地方企業に足りていないものが何かを読み取る
●お金よりも、キャリアアップをモチベーションに!
今回の取材を通して、皆さんに共通する「逆出稼ぎ」で成功するポイントはお金を目的にしないことだと見えてきた。成功した人は皆、都市部の大企業では得られない経験を楽しんでいる。最大の魅力は、やりがいとキャリアアップなのだ。また、リモートワーク中心だからこそ、信頼関係の築き方、言質のほかの社員とのコミュニケーションが重要になる。地方企業だからと言って下に見たりせず、同じ目線に立って働くことも重要だと感じた。
取材・文/佐藤 喬 イラスト/オオノヤスフミ