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司会とはだいぶ違う!会議を円滑に進行させるまとめ役「ファシリテーター」に求められるスキル

2022.08.23

これからの会議はファシリテーターが不可欠

ここ数年の間に、急速に認知度を高めた「ファシリテーター」という言葉。会議の進行・まとめ役として、参加者の意見を整理・集約する重要な職責だ。

…と言っても、具体的に何をするのか、はっきりと理解している人は意外と少ないようだ。議事進行をこなす従来型の「司会」に似たものと、考えている向きが多いかもしれない。

一方、「これからのビジネスにはファシリテーターが不可欠」と説くのは、一般社団法人プレゼンテーション協会の代表理事、前田鎌利さん。

欧米のようにディベート文化が根付いていない日本では、「人前で話す経験の少ない人が多く、会議に出ても話せないまま終わるようなケースがよくあります。だからこそ、会議の場で参加者から意見を引き出し、議論の交通整理を行なうファシリテーターの存在が必要なのです」と力説。

著書『30分ファシリテーション 会議を進める技術』(池田書店)では、ファシリテーターとして何をすべきか、わかりやすく解説している。今回は、本書を土台にファシリテーターの役割を紹介しよう。

■会議2日前には議題の資料に目を通す

実は、ファシリテーターの仕事は、会議当日の2日前に始まっている。この日までに、各参加者から議題の申請を受け付け、スライド資料の提出を求める必要がある。

そうすることで、「どのような議論になるかを事前に想定していろいろな対策を立てることができる」からだ。前田さんは、特に議題の「資料」は、事前提出を徹底することを強調する。

そして、提出された資料に、余計な情報が入っていないかチェックする。もしそうなっていれば、資料をより簡潔に修正するよう作成者と交渉する。

とりわけ、役職の高い決済者が、会議に参加する場合、このプロセスは欠かせない。その理由として前田さんは、以下のように述べている。

“提案者は議題に思い入れがあると、詳細な資料を一生懸命作ってきて、プレゼン時間が長くなることがあります。そうなると、決裁者がプレゼンをさえぎって「結論から話してくれ」と言われかねません。”

適切なスライド資料の分量は、「最初に結論から入って、それを裏付ける情報が1~2点くらいあれば十分」とのこと。

「ずいぶん少ない分量だな」と思われたかもしれないが、そもそも前田さんが推奨する1回の会議の時間は「30分」(書名もここからきている)。

その中で議題が2つあれば、15分+15分となるから、スライド資料はいきおい短いものが求められる。

提案者から、「どうしても情報をもっと盛り込みたい」と言われたら、補足資料を準備してもらい、スライド資料と一緒に提出するよう指示する。この補足資料は、参加者から詳しい説明を求められたときに、はじめて提示する。

以上が、2日前の準備。会議の前日は、事前のシミュレーション、最終的なブラッシュアップ、最終資料の送付がメインとなる。

■会議ルールを参加者に周知させる

ファシリテーターとして、事前に参加者に対して周知徹底させておくべきことに「会議ルール」というものがある。

これは会議の際に、各人に遵守してもらうべき決まり事。これがないとどうなってしまうか、前田さんは次のように説明する。

“一部の参加者しか話さなかったり、みんなが好き放題話したり、ムダな長話をしたり、けんか腰で話したり、上司に萎縮して誰も意見を言わなかったり、議論はしているようだけれども活気がなかったりする、といったような「会議崩壊」に陥ってしまいます。”

では、会議ルールにはどのようなものがあるのだろうか。前田さんは次のような例を出す。

・発言は、1人1分が目安
・時間制限のベルが鳴ったら発言を控える。
・必ず参加者全員が1回は発言する。
・出てきた意見に対して否定しない。
・発言者の話は最後までさえぎらずに聞く。

ルールの内容は、会議前はもちろん、会議が始まってからも改めて周知する。また、議論が暴走(ヒートアップ)しないように努めるよう前田さんはアドバイスする。

もう一つ重要なのが、会議の目的(ゴール)を、議題に入る前に明確にすること。これはホワイトボードに記入して、「見える化」された状態にしておくのがベスト。こうすれば議論の脱線を予防できるという。

■反対意見ウェルカムの姿勢で

会議の席で有望な意見が出された矢先、反対意見が出て議論が紛糾しそうな雲行きになったら、ファシリテーターはどう対処すべきだろうか?

前田さんは、「反対意見が出た方が、議論は深まる」と指摘。むしろファシリテーターは、「同じ意見しか出ていないと感じたら、話していない人に意見を求める」くらいのスタンスで臨むべきだという。

そして一番残念なのは、決裁者の意見に誰も反対しないまま会議が終わることだとも。

本当に反対意見がなかったのなら別だが、大概は会議を離れた後で、「実は反対だった」と文句を言う人が出てくるもの。これは当人だけでなく、その場で意見を引き出せなかったファシリテーターにも責任がある。

これを、未然に防ぐにはどうしたら良いだろうか?前田さんはシンプルな解決策を提示する。

“こうした事態を回避するために、ファシリテーターは決裁者よりも先に参加者に意見を聞いてください。「Aさんは最後に聞きますので、まず参加者の意見を聞きたいと思います」と切り出し、決裁者の発言を後回しにするようにしてください。決裁者も参加者の意見を聞くことで、多少は考える時間ができ、その間に冷静に自分の意見を振り返って判断できるようになることも期待できます。”

さらにファシリテーターには、議論に参加したくなるような空気感を作る努力も欠かせない。これにはまず、ファシリテーター本人がテンション高く会議に臨むことが大事。

普段より声のトーンを少し上げ、参加者が発言している時は、うなずいたり相づちを打ったりと反応する。

そして、あまり発言しないタイプの人が、勇気を出して意見を出してくれた場合、「なかなか思いつかないような意見を言ってくれました」といった感じで、必ずほめるようにとも。

これには、他の参加者が意見を出すハードルが下がるという効用もあり、場の雰囲気をいっそう好ましいものにしてくれる。

ファシリテーターの役割とタスクは、上記の範囲にとどまらず、思いのほか多岐にわたる。もしも、今度の会議でファシリテーターを務めることになった場合、本書は、手引きの1つとして非常に役立つはずだ。繰り返し読んで、ファシリテーターの達人を目指そう。

前田鎌利さん プロフィール
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業。ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)などで17年にわたり移動体通信事業に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され第1位を獲得。マネジャーとしての実績を評価され、ソフトバンク子会社の社外取締役をはじめ数多くのプロジェクトを任された。2013年12月にソフトバンクを退社、独立。年間200社を超える企業・団体などでプレゼンテーションや会議術、リーダーシップの講演・研修・コンサルティングなどを行う。著書に『社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)など多数。
公式サイト:https://katamari.co.jp/

文/鈴木拓也(フリーライター)


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