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今、東京で一番のブームになっている韓国料理「チュクミ」のおいしい店

2022.09.24

チュクミ

チュクミ

 韓国料理のチーズタッカルビがインスタ映えする料理として女子高生の間で人気になり、「JC・JK流行語大賞」のモノ部門で1位になったのは2017年のこと。続いてブームになった韓国料理が、韓国式アメリカンドッグ・ハットグですが、これはストリートフードの話で、飲食店で出す料理として次に流行ったのはチャドルバギ。チャドルバギとは韓国語で牛アバラの霜降り肉の意味。これを薄く切ってロール状に巻き、サッと焼いて、ポン酢のようなさっぱりしたタレで食べる料理もまた、チャドルバギと呼びます。

 チャドルバギもチーズタッカルビも、それ以前から人気だったサムギョプサルもすべて肉料理で、これまで日本では韓国料理=肉、というイメージでしたが、最近、日本人の関心は海鮮に移ってきており(海に囲まれた国ですから、当然、日本並みに魚介類もよく食べられています)、例えばコロナ直前の2019年に恵比寿の丘の上にオープンした『韓国食堂 入ル 坂上ル』は、本来はサムゲタンがウリの店ですが、「必食」メニューとしてカニの醤油漬けのカンジャンケジャンを推していて、これがなかなかの味。

 そのおかげかどうかはともかくとして、ミシュランガイドで、東京の韓国料理店で唯一のビブグルマンマークを2020年から3年連続で獲得。エビの醤油漬けのカンジャンセウと併せ、韓国のエビ・カニ料理は徐々に日本でも浸透しつつあります。

 が、チャドルバギの次にブームになったのは、何といってもナッコプセでしょう。

 韓国語で手長ダコをナッチ(またはナクチ)といいますが、ナッコプセは、ナッチをホルモン(=コプチャン)、海老(=セウ)、野菜と一緒に炒め煮にする料理。そもそも、たいていの韓国料理は、材料の名前を短縮してつなげて料理名とし、全部の材料を各テーブルのレンジに載せた平たい鉄鍋の上で、コチュジャンやヤンニョムで味つけしてごたまぜにして火を通し、甘辛に仕上げるパターン。若者にわかりやすい味なのでしょう、コロナ直前の2019年5月、京都に『ナム』という専門店ができて若者に人気を呼んでから、ナッコプセはすぐに新大久保にも飛び火し、どこの韓国料理店でも出すようになりました。

 また、手長ダコ同様、韓国でよく食べられているのがイイダコ、韓国名チュクミです。韓国では本来は3〜4月の食材で、韓国人はチュクミを食べると春を感じるそうですが、今はベトナム産の冷凍物が出回り、一年中食べられるようになりました。そのチュクミを激辛味の炒め煮にした料理もチュクミと呼び、さらに、チュクミとホルモンとエビを炒め煮にしたものをチュコプセと呼びます。そしてこの夏、東京で一番のブームになっている韓国料理がこのチュクミとチュコプセなのです。

 今のブームの火付け役は、2020年3月、韓国の専門店が新大久保に上陸した『ホンスチュクミ』という店です。この店の人気にあやかって、今年2月、同じ新大久保に『チュクミシュラン』、5月に大久保に決定版ともいうべき韓国人気№1のチュクミ専門店『チュクミドサ』がオープン。後者は毎日1時間待ちの行列ができる人気になり、早くも6月1日には新大久保に2号店がオープンしました。

チャドルバギチャドルバギ
ロールさせた牛アバラの霜降り肉を焼いて食べる料理。

ナッコプセナッコプセ
手長ダコ・ホルモン・エビ・野菜の炒め煮。釜山では完全な煮物。

チュクミチュクミ
イイダコの炒め煮。韓国内でも激辛料理といわれています。

『ホンスチュクミ』

『ホンスチュクミ』は2006年にソウルの大学の街・ホンデで創業し、今では18店を展開するチュクミ専門店の日本1号店。2020年3月、新大久保の職安通りから1本折れた焼き肉店が集中する通りにオープン。シメのとびこ炒飯や3段階ある辛さなど、本文で紹介したチュクミ専門店のスタイルはこの店が日本に持ち込みました。コッテリしたチュクミの味は韓国のスッキリした焼酎によく合います。◆住所:新宿区百人町1-5-24 1F ◆電話番号:03・6278・9365

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