ルノー『アルカナ』
エンジンルーム
直4ガソリンエンジン、駆動用と補助用の2モーター、電子制御ドグクラッチマルチモードATで独自のフルハイブリッドを実現した。
運転席と各種装備
カーボン調トリムとレッドラインのインパネ。メーターはフルデジタル、センターには7インチのタッチスクリーンを装備している。
シートスペース
前席はレザー×スエード調表革の6WAY電動式を採用。後席の着座位置は高めだが床もフラットで、身長170cmクラスでも快適。
ラゲージスペース
大きくて広いリアゲート。床板ボードは上下2段で高さを変えられる。後席背もたれは6対4で可倒し床面を上段にすればフラットになる。
【 ココがポイント!】輸入車で唯一のフルハイブリッド車
マイルドではなくフルハイブリッドなのでスタートからのモーター走行可能距離が長い。回生ブレーキを効かせれば走行距離も延びる。高速道路では1.6Lエンジンで低燃費走行が可能だ。
【 ココがポイント!】ルノーF1チームの技術が注入されたハイブリッドエンジン
フルハイブリッドエンジンの開発には、ルノーF1チーム(RS=ルノースポール)の技術と開発部門の人的交流が貢献したという。それを象徴する証しとして、RSエムブレムが付いている。
快適性、上質感なら『DS 4』、走りやパフォーマンスなら『アルカナ』
DS『DS 4 CROSSBACK』
[運転性能]3気筒1.2Lガソリンターボエンジンは、大きめのボディーでも性能は十分。やや重めのハンドリングも安定感あり。18点
[居住性]前席はゆとりがあり前方、斜め後方の視界もいい。後席とラゲージスペースは狭くはないが使い勝手はあと一歩。17点
[装備の充実度]先進運転支援システムは、コーナーミリ波レーダーや180度カメラなど機能がアップ。室内浄化など快適装備も実用的。19点
[デザイン]世界で最も美しいクルマに選出されたのはスタイリングだけでなく、インテリアにも華やかさがあるからか。19点
[爽快感]今回は130PS、230Nmの1.2Lガソリンエンジンだったが、131PS、300Nmのディーゼルや225PS、360NmのPHEVも楽しい。18点
[評価点数]91点
ルノー『アルカナ』
[運転性能]スタートから街中走行もモーターで走れるのがフルHVの強み。さらにF1の技術が生かされ高速走行でも低燃費。18点
[居住性]前席の死角は少なく広さも十分。後席も床はフラットでクーペ形状だがヘッドスペースは確保されている。18点
[装備の充実度]先進運転支援と予防安全技術はかなり進んでいる。最新プラットフォームでユーロNCAP5スターの衝突安全も獲得。19点
[デザイン]クーペスタイルのボディーは空力抵抗とスポーツ性能を意識したもの。ハイエンドSUVの雰囲気を感じさせる。19点
[爽快感]走りの楽しさは運転モードを選択することで自分好みのトルクまで調節できる。ドグクラッチの音は気になる。18点
[評価点数]92点
【OTHER CHOICE】ドイツ車とフランス車でも大きく異なる電動化戦略
国産車でも脱炭素化の動きの中で、EVやPHEVのバリエーションを増やす動きが拡大している。EU各国は日本より脱炭素化への動きが進んでおり、メーカー各社も積極的に取り組んでいる。
同じEVやPHEVのクルマを造るにも国ごとの交通状況や充電インフラから、実用化するクルマの性格に違いがあるのが興味深い。
ドイツは高性能で高額車に力が入っている。ポルシェ『タイカン』、アウディ『eトロン』、メルセデス・ベンツやBMWも高性能EVやPHEVの開発に注力している。
一方、フランスは街中も重視したコンパクトカーを中心に、高速走行まで考慮したクルマが多いのが特徴。車両価格も400万~500万円台が多いことも日本での人気が高まっている理由といえる。
ステランティスグループ(プジョー、シトロエン、DS)とルノーが開発するEVやPHEVは、どれも実用的で個性的。今後もぜひ注目したい。ユニークなモデルがきっと用意されているはずだ。
シトロエン『C5 AIRCROSS SUV PHEV』
571万2000円~
プジョー『3008 GTハイブリッド4』
648万4000円~
文/石川真禧照 撮影/望月浩彦
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。