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日本でもブームになるか?世界に広がる環境保護と金融を融合させた「グリーンフィンテック」

2022.08.19

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

カーボンニュートラルに金融サービスで貢献する「グリーンフィンテック」

今夏も世界各地で異常気象が発生し、温室効果ガスの排出による「気候変動リスク」は世界が直面する喫緊の課題となっている。日本でも「2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す」と政府が宣言し、目標の達成に向けて法整備などの動きも活発化している。

企業や経済活動でもカーボンニュートラルを目指す動きが広がっており直近では、日本政策投資銀行(DBJ)と、三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクが脱炭素化事業に支援する官民ファンド「脱炭素化支援機構」を合弁で設立すると発表した。財政投融資や民間資金を原資としたファンド規模は200億円を目指し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素関連事業へのリスクマネーの供給を通じて民間投資を促す。

いまや「カーボンニュートラル」は企業と個人を問わず重要なテーマとなっており、若年層を中心に個人の環境意識も着実に高まっているが、ヨーロッパを中心に様々なサービスが生まれているのが「グリーンフィンテック」。金融サービスと情報技術を結びつけた新しいサービスや事業領域である「フィンテック」に、環境保護への貢献という要素を付与したもので、デジタルネイティブ世代を中心にグローバルで支持を集めている。

○TRED(英国)

デビットカードとアプリが連動した「TRED」は、ユーザーの消費活動をCO2排出量に置き換えて、アプリで表示してくれる英国初のサービス。「自分の買い物=CO2排出量」として、消費行動を「食料品」や「移動費」などにカテゴリー化。買い物データを分析し、自分のライフスタイルにおける何が気候変動に最も影響を与えているかを“見える化”する仕組みだ。

○Flowe(イタリア)

イタリアのグリーンデジタルバンク「Flowe」。顧客のリクエストに応じて、FSC認証(適切な森林管理を認証する国際制度)がされている木製のデビットカードを発行している。グアテマラに植樹するオプションや、Floweアプリを通じて、植樹された木の成長を確認することも可能。

さらに、買い物をするたびにどれだけCO2を排出しているかをリアルタイムで表示する機能や、買い物をした店ごとに CO2排出量を比較する機能など、サステナビリティをより意識付けできるサービス「Flowe ECO Balance」を提供することで、他のチャレンジャーバンクとの差別化を図っている。

○アントフォレスト(中国)

アリババ系のキャッシュレス決済「アリペイ」の拡張機能のひとつとして、脱炭素などの取り組みを促す、ユーザー参加型のリアル植林活動ゲーム「アントフォレスト」。

水道代や電気代などをオンラインで支払う、徒歩で通勤するなど、所定の「地球に優しい」とされる活動で貯めたポイントを使用し、ゲーム内でバーチャルツリーを育てると、アントフォレストが代行して植樹するサービス。6億人を超えるユーザーが参加し、3億2600万本以上が植樹され、中国本土でも特に乾燥した地域の森林再生に貢献している。

○SAISON CARD Digital for becoz(クレディセゾン)

クレディセゾンの「SAISON CARD Digital for becoz」は、国内初の決済データを活用する、気候変動対策をテーマとしたコンセプトクレジットカード。デジタルカードを専用アプリ上に発行し、プラスチックカードなしのカードレスで提供する。

DATAFLUCTが提供する個人のCO2排出量の可視化・オフセットが可能なサービス「becoz wallet(ビコーズウォレット) 」に、クレジットカード決済データを自動連携する機能を付帯しており、クレジットカード利用履歴に基づくCO2排出量を可視化することができる。

“推し”を応援できる若年層に人気のクレカ「Nudge」による「広島Nudgeの森」プロジェクト

本連載でも紹介したクレジットカード「Nudge」(「ふだんの買い物でカードを使うとNFT化した特典を入手できる!注目のキャッシュレスサービス『Nudge』の革新性」)は、広島県東広島市入野財産区及び賀茂地方森林組合と協定を結び、Nudgeを利用することによって、広島のアカマツ林を再生する「広島Nudgeの森」プロジェクトを開始した。「広島Nudgeの森」クラブのユーザー会員は、普段の生活でクレカを使うだけで利用金額の一部を植樹に貢献できる。

広島県は日本有数のアカマツの生息地。マツは木材として優れた特性を持ち、松茸の苗床として地域に多くの恩恵をもたらしているが、平成に入ってから松くい虫の寄生虫を原因とする「マツ枯れ」によって森林の機能が低下し、豊かな森林が徐々に枯れている状況になっている。

今回、植樹される東広島市のマツ林でもマツ枯れが進んでいるが、スギやヒノキの森林と異なり、補助金を用いた再生が難しい状況にあることから、東広島市と連携しNudgeの仕組みをつかった森林再生のプロジェクトを立ち上げた。マツダスタジアムと同規模の3ヘクタールの土地で長期的な植樹活動を行い、豊かなマツ林の再生を図る。

ユーザーによる貢献は、相当する苗木の本数に換算され、アプリ上でリアルタイムでチェックすることができる。また、カード利用による支援のお礼として、Calbee Future Labo、広島ドラゴンフライズなど、広島県に縁のある協賛企業やスポーツチームの様々な特典が受けられる。

「東広島市では『世界に貢献するイノベーション創造のまち』『暮らし輝き笑顔あふれる生活価値創造のまち』という2つの方向性でまちづくりに取り組んでおり、本市の特徴である豊かな森林は、これらの取り組みを進める上でかけがえのない財産。大切に育て、次世代へと受け継ぐことは非常に重要です。

森林には水源の涵養や土砂の流出防止のほか、地球温暖化の緩和などの観点から、多くの人が協力して森林保全に取り組む必要があると考えています。本プロジェクトが企業や地域をはじめ、多くの人々に『持続可能な未来の実現』に向けた活動の輪を広げるきっかけとなることを期待しています」(東広島市 高垣廣徳市長)

「Nudgeはスポーツチームやアーティストのみならず、石川県小松市のような自治体や、動物保護活動を行うNPOのような非営利法人の活動を応援するカードとして、多くの提携先に活用いただいています。これからも『広島Nudgeの森』をマイルストーンとして、官民幅広いステークホルダーの皆様と協働し、NudgeカードSDGsの達成にユーザーが気軽に貢献できるクラブの開設を進めていきます」(ナッジ 代表取締役 沖田貴史氏)

【AJの読み】猛暑に豪雨と、気候変動はもはやだれもが自分ごととして捉える必要がある

ヨーロッパ、アメリカ、アジアと記録的猛暑に見舞われ、日本でも豪雨による災害が頻発するなど、気候変動はもはやだれもが自分ごととして危機感を持たなくてはいけない時代になった。こうした状況下で環境保護に貢献したいと思いながらも、どのような手段で貢献できるのかわからないと感じている人も多い。

その点、デビットカードやクレジットカードで買い物するだけでカーボンニュートラルに貢献できるグリーンフィンテックは取り入れやすい。Z世代、若年層は世界的に環境保護への意識が高く、電子決済に抵抗感のない世代でもあり、さらにNudgeのように特典が受けられるインセンティブがあれば、より脱炭素に取り組みやすくなる。

文/阿部純子

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