研究機関が行ったリサーチ結果から「免疫力アップ」の方法を取り入れよう
終わりの見えないパンデミックの影響により、精神的な疲れを感じている人が多いのではないだろうか。
ヨーロッパとブラジルに拠点を置く研究機関がEUに住む人を対象に行ったアンケートによると、回答者のうち78〜83%がストレスや不安を抱えており、71〜77%がストレスによる免疫力の低下を感じていることがわかった。
アンケートを行ったのは、オレンジの生産農家やオレンジジュースの製造業者などの寄付を資金源とするThe Fruit Juice Science Centre。
ストレスが心身に与える影響や、ストレスの悪影響を回避する方法、回復手段について見てみよう。
ストレスが心身に与える影響
医師である Nisa Aslamによると人間がストレスを感じているとき、身体は必死にストレスに抵抗しており、ストレスへの反応が心臓や血圧にとって負担になることもあると説明する。
ストレスは免疫システムに大きなインパクトをもたらすと同時に、気力が奪われることによって負の連鎖の元となっていく。気力が奪われると自炊できなくなり、外食やレトルト食品の頻度が増し、アルコールの摂取が増える。エクササイズができなくなり、結果として睡眠の質が落ち、さらに免疫力が低下するという循環である。心当たりがないだろうか。
免疫システムを活性化する方法
Gill Jenkins 医師によれば何よりもまず、免疫システムを活性化する生活を送る必要があるという。「常に免疫力を高い状態にしておくことが大切。免疫力を上げるためにはビタミンCと葉酸をたっぷり含む100%のオレンジジュースを毎日150ml飲むことで実現できるので、それほど難しいことではない」。
フルーツジュースに含まれる免疫力アップの効果は明確である。Gill Jenkins 医師が言うように、150mlのオレンジジュースは1日に必要なビタミンCの84%を含む。さらにオレンジジュースには体内に吸収されやすい葉酸やビタミンB群など、細胞の健康と免疫システム、免疫機能の強化に必要不可欠な成分が含まれている。
オレンジジュースに含まれるカリウムには、血圧の安定と筋肉の働きを助ける効果もあるそうだ。さらに心血管の健康にも寄与し、脳卒中の危険を33%減らすという。このほか抗酸化作用があり、老化や病気を予防するポリフェノールも多く含んでいるという。
さらに免疫システムの70〜80%が存在する腸に働きかけるプレバイオティクスの効果は見逃せない。プレバイオティクスは大腸の働きを改善する成分で、オレンジのほかにはにんにくやねぎ類、ベリー類、アーティチョークなどに含まれる。
ストレスに負けないライフスタイル
ストレスに負けない身体を作るためには、ビタミンDや葉酸を多く含む緑黄色野菜、ひよこ豆やインゲン豆、ブロッコリー、芽キャベツ、オメガ3を含むナッツ類などをたっぷり摂るのが有効である。また睡眠の質を上げるために、就寝前1時間はデジタルデバイスから離れることも徹底したい。
次にNisa AslamとGill Jenkins、2人の医師が提案するストレスに負けないための4つのティップスを紹介しよう。
1.日常的にストレスを和らげる行動を心がける
自然の中でウォーキングをする、腹式呼吸をする、デジタル・デバイスから離れる時間を取るといったストレスを和らげる行動を意識して行おう。このような行動が睡眠の質を上げ、より健康的な食生活へのモチベーションにつながると Dr Nisaは指摘する。
2.アクティブに過ごす
ランニングや宅トレ、早歩きなど、心拍数を上げて汗をかくような活動を週に数回取り入れると、ストレスに負けない心身が作られる。適度なエクササイズによって心地よさを感じるエンドルフィンが分泌され、憂鬱さや不安をかき消してストレスレベルを低くしてくれるのだ。
3.心地良い睡眠を取る
質の高い睡眠をたっぷり取ろう。就寝前の時間をゆったりと過ごすこと、毎日決まったスケジュールに従うことで、身体的なストレスが取り除かれ、決まった時間にスムーズに入眠できるようになる。
4.自然の力で免疫力をアップ
免疫力を高く維持することが大切である。免疫力をアップさせるためのシンプルな方法の1つは、150mlのオレンジジュースを毎日飲むこと。繰り返しになるが、1杯のオレンジジュースに含まれる栄養には免疫力アップを助け、免疫システムを活性化するだけでなく、1日に必要なビタミンCの84%が含まれている。
参考:
文/森野みどり
編集/inox.