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メタバースにAIを活用して得られる〝リアルなアバター〟は本当に必要なのか?

2022.08.18

【連載】もしもAIがいてくれたら

【バックナンバーのリンクはこちら】 
第1回:私、元いじめられっ子の大学副学長です
第64回:大雨による災害の危険度を黒で表示して話題に!直感で訴える「色」の重要性

昨今のメタバースなら「あつ森」のほうがマシ?

この記事を書いている8月13日時点では、新型コロナウィルスの拡大中かつ台風の影響で家に籠っていたので、「バーチャルにでも人に会いたい、出かけたい」という気持ちが湧いてきて、メタバースについて取り上げることにしました。

メタバースという言葉を聞いたことがある人は、今や多いと思います。「メタ(meta=超越した)」と「ユニバース(universe=宇宙)」を組み合わせた造語です。1992年に発表されたニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』の舞台で、人間がアバターを介してネット空間でやり取りをする世界から名づけられました。2021年10月に、米IT大手の「Facebook」が社名を「Meta」に変更し、大規模な投資を行うと発表したことで、「メタバース」は注目されるようになりました。

メタバースの定義には様々なものがありますが、経済産業省の2021年7月13日公開の「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業 報告書」によると、「一つの仮想空間内において、様々な領域内のサービスやコンテンツが生産者から消費者へ提供されるプラットフォーム」とされています。一言追加すると、既存の仮想空間とメタバースの違いは、「仮想空間をプラットフォームとして提供し、様々な領域のサービスが提供されること」と言えます。

しかし、一般的にまだわかりにくいせいか、メタバースが紹介されているテレビ番組で、アバター化された出演者同士がやり取りしている様子が映し出されていた際、「これなら『あつ森(任天堂のゲーム『あつまれ どうぶつの森』のこと)』のほうがいいのではないか」といったツイートがリアルタイムに映し出されていました。ビジュアル面だけでみれば、発展途上のメタバースよりも、きちんと作り込まれた『あつ森』のほうが完成度が高くみえた、ということでしょう。

どうすれば没入感が高まるのか

「どんな条件を満たしていればメタバースなのか」を議論するうえで、一例ではありますが、比較的わかりやすくまとめられているものとして、地図サービスの開発プラットフォームを提供するマップボックス・ジャパンのCEO高田氏による「メタバースの地政学─「4象限」で理解する」があります(下図参照)。ここでは、縦軸を「人」(キャラクターとアバター)、横軸を「地理空間」(リアルとバーチャル)として4つのカテゴリーに分類できるとしています。

メタバースの地政学──「4象限」で理解する|高田徹|マップボックス・ジャパンCEO|note より引用

短い記事なので、今回は、テレビ番組の出演者が登場していることを想定していた、おそらく「メタ」に近い状況と、あつ森の違いがどこにあるのか?という疑問にフォーカスしたいと思います。

上半分(1・2象限)は「自分ではない誰か=キャラクター」になって(変身)活動する(ゲームでいえばプレイする)のに対して、下半分(3・4象限)は、自分を模したアバター(分身)が活動するといえます。

この区別が難しいのは、キャラクターも、自分固有のキャラクター設定をして、オンラインで他のユーザと出会うこともできるため、アバターとの違いが明確ではないということかと思います。

メタバースにAI技術が使われる可能性はいろいろあると思いますが、AIは画像処理関係が強いため、本物の自分と見分けがつかないほどリアルなアバターを作ることも可能です。

例えば、@DIMEの連載でも以前取り上げた(戦争でAIが悪用される「ディープフェイク」にどう対処すべきか?|@DIME アットダイム)敵対的生成ネットワーク(GAN)などの機械学習を活用すれば、自分と区別のつかないアバターを作り、仮想世界で活動するもう一人の自分を見ることができるでしょう。

しかし、仮想世界でまで自分のリアルな姿を見たくないという人もいるかもしれませんし、そもそも個人的には、どんなに自分に近い姿であっても、メタバースで活動する自己を投影した存在は見えない方が、没入感が高まるのではないかと思います。自己が視界に入ることで、自己が客体化してしまうため、没入感は阻害されてしまう気がします。そのためには、まだ一般的ではないVRグラスの利用が必須になるため、VRグラスの利便性向上など諸所技術的課題があります。

メタバースについては他にもさまざまな課題もあり、まだまだ語りたいことが多いので、またの機会に取り上げたいと思います。

坂本真樹(さかもと・まき)/国立大学法人電気通信大学副学長、同大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター教授。人工知能学会元理事。感性AI株式会社COO。NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』のAI・ロボット担当として、人工知能などの最新研究とビジネス動向について解説している。オノマトペや五感や感性・感情といった人の言語・心理などについての文系的な現象を、理工系的観点から分析し、人工知能に搭載することが得意。著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)など。


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