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大雨による災害の危険度を黒で表示して話題に!直感で訴える「色」の重要性

2022.08.11

【連載】もしもAIがいてくれたら

【バックナンバーのリンクはこちら】 
第1回:私、元いじめられっ子の大学副学長です
第63回:AIに新型コロナ感染拡大シミュレーションにおける「人の心の動き」を読むことはできるのか?

命の危険を意味する「黒」

大雨による災害の危険度を、地図上で5段階に色分けする危険度分布「キキクル」について、気象庁は、大きな災害の発生が切迫していることを示す色として「黒」を新設し、6月30日午後から運用を開始していました。

大雨による土砂災害や浸水、洪水の危険度を5段階に色分けし地図に示す危険度分布=「キキクル」は気象庁のホームページなどで確認できます

8月3日に、気象庁が山形県に大雨特別警報を発表し、テレビなどで国土交通省、気象庁が繰り返し危険を伝えていました。「これまでに経験したことのないような大雨」「土砂災害警戒区域や浸水想定区域などでは、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高く、警戒レベル5に相当します」「命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です」といった言葉を駆使して危険を伝えていました。

このような言葉によるメッセージだけでも恐怖を感じる人も多いと思いますが、同時に、危険度分布「キキクル」も映し、視覚にも訴えていました。このような色を見て、ただ事ではないように感じ、さらに恐怖を感じた人は多いのではないでしょうか。

https://www.jma.go.jp/jma/press/2208/03b/kaisetsu.pdfより

何色がどの程度の危険を表すかについては、気象庁のHPにあるように、ルールが決まっていますが、一般の人はルールを参照して色から意味を読み取るわけではなく、色から直感的に理解します。聴覚障害の人も、日本語がわからない外国人も、この分布図を見ただけで危険を理解できるとすると、色には言葉による説明以上の力があるとも言えます。

AIに人の感性を表現させると、色はどうなる?

@DIMEの連載で、以前、「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」と「炎」の歌詞を筆者オリジナルのAIで解析し、色で可視化したことがあります(https://dime.jp/genre/1236599/およびhttps://dime.jp/genre/1240754/)。このAIは単語と感性の結びつきを学習させたものです。色には温かい感じ、冷たい感じといった感性が結びつくことが以前から知られていることを利用したものです。赤系統の色が暖色、白や青系統の色が寒色であるといったことは、世界的普遍性があります。赤い色の火が熱く、白い雪が冷たいのは世界共通だから、といった説明がされていたりもします。色に結び付く意味については、文化を超えた普遍性と文化差があることを議論した研究論文もたくさんあります。

「色が濃いほど危険度が高い」というのは直感的にわかりやすいですが、個人的には、4相当はややわかりにくい可能性があるかと感じました。RGB値で指定されているわけですが、紫からピンクに見える色まで幅があるため、黒は使われておらず3相当の赤と4相当の色が表示されている分布図を見たときに、薄いピンクに見える場合があり、赤より危険には感じないかもしれないと思いました。どう感じるかは個人差があるかもしれませんが、色はユニバーサルデザインがあり、色覚異常の人でも間違うことのない色を使うことが求められているため、よく考えられた色なのだろうとは思います。

危険性そのものではありませんが、色と感性の結びつきのデータを活用したAIを開発している研究者としては、赤や紫以上に危険であることを表すために黒が導入されていること、4相当の色の使い方がとても気になりました。これらのルールが決定される際に編成された有識者には、私もよく知っている優秀な研究者がいますので、十分に検討されたものと思います。そもそも、赤や紫よりもっと危険であることを伝えなければならないほど、前例がないほどの災害が今後起こることが予想されていることに、恐怖を感じています。

坂本真樹(さかもと・まき)/国立大学法人電気通信大学副学長、同大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター教授。人工知能学会元理事。感性AI株式会社COO。NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』のAI・ロボット担当として、人工知能などの最新研究とビジネス動向について解説している。オノマトペや五感や感性・感情といった人の言語・心理などについての文系的な現象を、理工系的観点から分析し、人工知能に搭載することが得意。著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)など。


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