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実は身近なところにたくさん存在する「OEM」の正しい意味とメリット、デメリット

2022.08.05

自動車業界をはじめとしたメーカーでは、OEMが一般的になっています。しかし、関わっている業界によっては言葉になじみが薄い人もいるでしょう。OEMの概要と形態ごとの特徴、OEMを利用するメリット・デメリットについて解説します。

OEMの意味は?

OEMという言葉自体を、あまり聞いたことがない人もいるのではないでしょうか? まずはOEMが何を指すのか、どのような業界で一般的なのかを押さえておきましょう。

他社名義の製品を造ること

OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、自社で作った品物を他社のブランド名で売ることです。

メーカーは基本的に、自社で製造したものは自社のブランドで販売します。ただ、メーカーによってはコストやマーケティングの観点から、有名ブランドの製品の製造を請け負うケースが少なくありません。

製品は自社で作りながらも、売るのは他社ブランドでという形態がOEMです。OEMでの製造を請け負う企業を『OEMメーカー』と呼んだり、このような形態で作られた製品を『OEM製品』と呼んだりもします。

日本で製造・販売されているOEM製品は少なくありません。例えば、コンビニエンスストアではプライベートブランドの商品が多数販売されていますが、製造しているのは違うメーカーです。

特別意識はしていなくても、多種多様なOEM製品を日ごろから目にしている人が多いでしょう。

OEMが一般的な業界

OEMが一般的になっている分野はコンビニ業界にとどまらず、自動車業界やアパレル業界・化粧品業界など多岐にわたります。特に代表的なのは自動車業界で、他のメーカーのために部品を製造している自動車メーカーは珍しくありません。

アパレル業界でも、自社で製造工場を持っていないブランドが商品を企画し、OEMメーカーが生産する形態は広く浸透しています。化粧品業界でも、商品の企画や販売は有名ブランドが、製造は海外にある他社の工場が担当しているケースが多いでしょう。

OEMの主な形態

企業のビル

(出典) photo-ac.com

一口にOEMといっても、作るメーカー側と売るブランド側どちらが商品の製造を提案するかによって二つの形態に分けられます。それぞれにどのような特徴があるのでしょうか?

OEMメーカーがブランド側に提案

OEMには、メーカー側が有名ブランドに対して、製品を作らせてほしいと提案する形態があります。すでに完成している製品のブランド化を持ちかける他、ブランド側と話し合って製造するものから決めるというケースも少なくありません。

業界によっては、メーカーの方がブランド側より市場に詳しい場合もあるでしょう。ブランド側と意向がかみ合えば、OEMメーカーが企画したものが、そのまま販売されるケースもあります。

同じような生産形態に『ODM(Original Design Manufacturing)』というものもあります。ただ、こちらは製品の設計からマーケティングまで、一気通貫で受託側(OEMメーカー)が担う形態です。

OEMにおいて販売するのはあくまで委託側(ブランド)なので、受託側がマーケティングまで担当することはありません。

ブランド側がOEMメーカーに製造を依頼

委託する企業が商品を企画して、メーカー側に製造を委託するというパターンが二つ目です。製造工場を持たないブランドが外部に製作を頼るのは、多くの業界で見られる形態といえるでしょう。

作る側は製品のブランディングや必要な機能・カスタマイズ性などに関して、必要な知識を持ち合わせていない場合もあります。商品企画だけでなく、ブランド側が技術指導まで担うケースも少なくありません。

自社で製造できるノウハウは持っていても、製造するリソースが足りないケースで採用されるパターンでしょう。

【委託側】OEMのメリット・デメリット

パソコンとグラフ

(出典) photo-ac.com

OEMを委託するブランド側は、自社のリソースを割くことなく商品を製造できます。OEMメーカーに製造を頼むメリットには、何があるのでしょうか?

コストの削減と安定供給が可能

OEMの委託側は、製造を専門業者に依頼することでコストを削減でき、在庫を抱えるリスクも軽減できます。製造を依頼した製品が予想以上に多く売れた場合でも品切れを出しづらく、ある程度は安定して供給できるようになるでしょう。

また、製造工程を丸ごと他社に任せることで、製品の企画や営業・マーケティングなど、自らの得意分野に集中できるようになるのもメリットです。工場の設備や人員にリソースを取られることなく、他の業務に集中できます。

製造技術やノウハウが向上しにくい

OEMでは製造を専門メーカーに全面的に任せるため、自社ブランドの製品にもかかわらず、自ら製造する技術が向上しづらいのが委託側のデメリットです。製造に関して新たな技術が登場しても、それを自社にノウハウとして取り入れることは難しくなるでしょう。

さらに、メーカー側に製造ノウハウが蓄積されることで、将来的にメーカーがよりよい製品を製造できるようになることも懸念点です。OEMメーカーがノウハウを吸収して成長し、ライバルになってしまう恐れもあるでしょう。

【受託側】OEMのメリット・デメリット

工場の建物

(出典) photo-ac.com

OEMの受託側は、商品を販売する企業から委託を受けたり提案したりして製作を請け負うことで、自社でエンドユーザーに営業活動をしなくても利益を出せます。一方、自社のブランドが成長しづらい面もあるでしょう。

売上と技術レベルがアップする

マーケティング力のない企業でも、有名ブランドの製品を手掛けることで利益を上げられるのが、OEMメーカー側の大きなメリットです。

有名ブランド側に技術的なノウハウがあれば、それを吸収できるという利点もあります。技術力の向上も見込めるでしょう。製品の製造に関して、自社にない技術を学べる場合もあります。

複数のブランドからOEMを受託している場合は、技術やノウハウを組み合わせることで、自社で販売する製品の売上も向上させられる可能性もあります。

自社ブランドが成長しない

作った製品を他のブランドから販売するOEMでは、自社のブランド名を育てにくい点も、メーカーから見た問題です。長年メーカーとして経営を続けていても、他社ブランドの製造ばかりでは、その市場において自社の知名度が上がにくいでしょう。

また、生産量は委託側のブランドが決めるため、どうしても売上が安定しづらいという問題もあります。

製品が問題なく売れていれば毎月一定量の受託が可能なため、売り上げの見通しも立ちやすいでしょう。しかし、製品の売れ行きが不安定ならコンスタントに利益を出しづらくなり、経営も不安定になってしまいます。

構成/編集部

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