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キャッチコピーも議事録も文章作成もおまかせ!AIが自動化+αでサポートする便利な文章作成ツール3選

2022.07.26

メールや資料作成、広告文など、文章を作るとき、なかなかうまくいかないということはないだろうか。そんな悩みの解決につながる、AIが文章作成の手助けするツールがぞくぞく登場している。ただ自動化するだけでない、AIならではの特長を活用しているツールを3つ紹介する。

AIが文章作成を助けるツール3選

1.「Catchy(キャッチー)」

2022年6月30日より提供開始された「Catchy(キャッチー)」は、AIがキャッチコピーなど100パターンを超える様々な文章を生成するAIコピーライティングツールだ。

広告やECサイト、Webライティング、資料作成、広告文、メール文、記事作成などの文章作成業務の手助けをする。

「Catchy」イメージ

手がけるのは、東京・渋谷のスタートアップ、株式会社デジタルレシピ。AIは、OpenAI社が提供する自然言語処理モデル「GPT-3」を使用している。

●開発背景

デジタルレシピは、パワーポイントのファイルを、コードを打つことなくWebサイト化できるサービス「Slideflow(スライドフロー)」を運営している。「Catchy」の開発は、「Slideflow」がきっかけとなったという。同社の代表取締役 伊藤新之介氏は、次のように述べる。

「『Slideflow』のユーザーヒアリングを繰り返す過程で、Webデザインや資料作成の際、伝達を目的としたビジネス文章は得意な人が多い一方で、マーケティングを意識した『気の利いた文章』を考えることに苦手意識を持つ人が多いことに気づきました。

例えば、機能の説明は得意であるものの、その機能が顧客にどんな効果があるのかを説明することが苦手、見出しに使うキャッチーな一言が思いつかないといった悩みです。

そこで、商品説明文を入れれば、あらゆる『気の利いた文章』を作る仕組みをつくれないかと思い、リサーチを開始。そこで見つけたのがGPT-3でした。広告の成果で人間に勝つなど、高い文章生成技術を持ったモデルです」

GPT-3は、すでに海外で活用が進んでおり、関連サービスが盛り上がっているAI。どうにか日本語で活用できないかと考えたという。

「当社CTOの古川渉一は、AIなどの研究で知られる東京大学松尾研究室に在籍していたこともあり、AIに関する知見がありました。共にGPT-3を研究し、実験を繰り返した結果、日本語として違和感のない文章を返す仕様を作り上げることができました。

当初は、『Slideflow』を契約しているユーザーにのみ提供する予定でしたが、日本でGPT-3系のライティングツールが出ていないなら、一番乗りでサービスリリースする価値があると判断しました」

●自分で文章作成することと比べたメリット

文章を書く仕事は、このツールによりどう変化するのか。伊藤氏は、ターゲットごとに次のようなメリットがあると述べる。

「例えば広告運用担当者は、Google広告やFacebook広告など、日々、様々なタイトルテキストの作成に追われています。『Catchy』は短い時間で多くのバターンのタイトル案を出してくれるので、運用広告担当者はタイトル作成の時間を大幅に削減することが可能になります。また、動画広告の台本アイディアにも使えます。

EC運用担当者は、プラットフォームごとの商品タイトル、説明文、詳細情報の大量生成など、ライターは記事のアイディア出し、記事作成のサポートとして役立てられますし、マーケターはマーケティング戦略のブレストのサポートなどに使えます」

Catchyの文章のアウトプット例

●今後の展望

今後は、どんな展望があるだろうか。伊藤氏は次のように話す。

「二つあります。一つは、デザインオートメーションを目指すこと。『Slideflow』と『Catchy』を組み合わせて、デザインの自動化をさらに進めていきます。

『Slideflow』で、簡単にWebサイトを作成できる基盤ができあがり、『Catchy』でマーケティングに適した文章を短時間で作成ができる。文章さえあれば、誰でも思い描いてるデザインが作れるサービスを目指します。これから先は、画像選定、レイアウト選定といったデザインの様々な要素の自動化を進めます。

もう一つは、DAMをはじめとした海外のクリエイティブオートメーションツールを競合として、進化させていくことです。DAMはDigital Asset management、つまり文章、ロゴ、画像、トンマナなどブランドデザインの要素をチームで共有するストレージサービスです。

近年では、単なるストレージサービスではなく、要素を組み合わせてバナー作成などを自動で量産するツールとして注目を集めています」

2.「JamRoll(ジャムロール)」

オンライン会議の議事録や文字起こしを効率化したい。そんな思いは誰もが抱くものだ。

「JamRoll」は、そんな悩みに応える、音声感情解析AIの「AI書記」がオンライン会議を自動で録画し、文字起こしやトーク分析などを行う動画プラットフォームだ。

「JamRoll」再生イメージ

手がけるのは音声認識、会話解析など音声分野におけるAI領域の研究と開発を行っている、東京・渋谷の株式会社Empath。今年3月にリリースした「JamRoll」には、同社による世界50ヶ国3,500社以上で採用実績のある音声感情解析AI「Empath」が搭載されている。

仕組みはこうだ。AI書記がオンライン会議に同席し自動録画をする。自動で文字起こしをしてくれるのはもちろん、音声認識、会話解析、感情解析の三つの音声解析AIが搭載されていることから、発話割合や話速などのトーク分析も可能だ。

つまり、これまで議事録の文字情報や口頭での報告では知ることのできなかった実際の商談の雰囲気や交渉術、参加者の反応などを取得できる。

またZoom、Google Meet、Microsoft Teamsと連携が可能で、各ツールで録画したデータを自動で一元管理することができる機能も備える。

●開発背景

JamRollの開発背景について、Co-CEOの山崎はずむ氏は次のように話す。

「COVID-19の発生以降、多くの企業がリモート会議を取り入れた結果、会社への出勤、および顧客先への訪問における移動時間が削減されたことにより、オンラインでの商談数が増加しました。

より多くの顧客との接点が持てるメリットがある一方で、営業メンバーの受注・失注のブラックボックス化しました。そして議事録作成の手間の増加、会議増加によるメンバーの負担という課題も生まれました。

これらの課題に対して『JamRoll』がZoom、Teams、Google Meetなどのオンラインで開催される商談、および社内会議などを自動で録画・解析・整理することにより、チームで売上と生産性を上げることをサポートするために開発しました」

●自分で文章作成することと比べたメリット

議事録を取っていた従来の業務は、このツールによりどう変化するだろうか。

「議事録は文字情報に依存するため、書き手によって議事録の記載内容の質が変わってしまったり、伝言ゲームを通して、言った言わない問題が発生したりすることで、社内外のコミュニケーションで誤解がはびこってしまい、チームでのコラボレーションが阻害されることが予想されます。

一方で、『JamRoll』を通して一次データである動画・音声を社内の共通資産とすることで、ビジネス・コミュニケーションの齟齬をなくすとともに、自動文字起こしを行うことで、議事録作成の工数を削減します。これにより、文字情報のみでは伝わり切らない商談や会議の温度感が分かり、情報共有や引継ぎ時間の短縮で業務における生産性の向上が期待できます」

●今後の展望

今後は、どのような展開を考えているのだろうか。

「当初は、オンライン商談に特化した製品として市場に発表しましたが、ユーザーインタビューを重ねてきた結果、オンライン商談以外にも採用面接、上長と部下の1on1面談、コーチング、教育現場などの領域においてニーズがあることが分かりました。特に採用面接など人事領域での活用が期待されており、HRの領域でも注目のプロダクトとして取り上げていただいています。

今後は、1.UI/UXの機能改善、2.オンライン商談、採用、1on1、採用面接における各ビジネス・コミュニケーションの課題に特化したAIアシスタントの開発 、3.英語やインドネシア語などの多言語対応など、多様な領域においてお客様の課題を解決するために開発計画を進めていきます」

3.「ELYZA Pencil(イライザ ペンシル)」

キーワードからたったの約6秒で日本語の文章を生成できるAIがある。それは「大規模言語AI イライザ」のうちの一つ、「ELYZA Pencil」だ。

大規模言語AI イライザは、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップ、株式会社ELYZAにより開発された。「まとめる、書く、読む、話す」を人間並の精度で処理するAIを提供することで、ホワイトカラー業務のDXを推進する日本語AIサービスだ。

中でも文章執筆に特化した「ELYZA Pencil」は、キーワードを数個入力するだけで、約6秒で日本語のタイトルや文章を自動生成することができる。デモサイト上では「ニュース記事」「ビジネス用のメール文」「職務経歴書」の3つの文章タイプから選べる。

「ELYZA Pencil」イメージ

●開発背景

代表取締役 曽根岡侑也氏は開発経緯について次のように述べる。

「およそ4年前まで、AIは『言語・文章』といったテキストデータを扱うことを苦手としており、高精度に文章を読解・生成することがむずかしい状況にありました。しかし、ここ3年半で、テキストデータを扱うAIが急激に進化を遂げており、人間よりも精度高く文章を読解したり、人間と遜色のない文章を書くようになるなど、パラダイムシフトが起きています。

このような背景の中で、当社は人間超えの精度で日本語を扱うAI技術を3年ほど研究開発してきており、そのAI技術を用いて、日常生活や仕事のあり方を変えることができないかと模索しておりました。

『ELYZA Pencil』は、パラダイムシフトをより多くの方に体験・理解してもらうこと、日常・ビジネスの場でよく発生する『文章を書く』業務を代替・ サポートすることを目的として開発しました」

●自分で文章作成することと比べたメリット

文章を書く仕事は、このツールによりどう変化するのか。

「ホワイトカラーの方の業務の中では『フォーマットはある程度決まっているが、多様な文章を書く』業務が多くを占めています。例えば、ホワイトカラーの全業務のうち、28%の時間がメール対応に割かれているという話があります。これらの業務の中で『ELYZA Pencil』を利用することにより文章を書く作業の効率化ができると考えています。

文章を書く際に、内容の骨子を思い浮かべて、ときには箇条書きをしてから、それを肉付けする形で文章を書く方がいますが、『ELYZA Pencil』は肉付けの作業をAIが行うようなイメージで、書く作業を支援しています。

当社では現在『ELYZA Pencil』を実業務に活用するための取り組みを進めています。例えば、株式会社マイナビと一緒に、求人原稿やニュース原稿の作成を効率化するためのプロジェクトを進めています。これらの活動を通して、言葉を扱うホワイトカラーの人々の生産性を向上させることができると考えています」

●今後の展望

今後は、どのような展開を考えているのだろうか。

「今回、キーワードを数個入力するだけで、約6秒で日本語のタイトル・文章を自動生成する『書く』AIを一般公開いたしました。ホワイトカラーの業務の中には、大量に文章を書く作業が発生します。その中で大きいのはメールや原稿の作成作業ですが、医者の方はカルテや紹介状作成業務、弁護士の方は契約書作成業務など、業種によっては多岐に渡ります。

様々な業務内容に合わせながら、負担となる業務を『ELYZA Pencil』で担うことで、AIで幅広くサポートしていきたいと思っています」

これまで不可能と思われていたAIによる文章作成は、ここまで進んだ。AIが日々の文章作成を助けてくれることで、業務効率化だけでない、新たな発見にもつながりそうだ。今後の発展に期待したい。

【参考】
Catchy
JamRoll
文章執筆AI ELYZA Pencil

取材・文/石原亜香利

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