東武鉄道の新型特急「スペーシアX」。
今回は車両のデザインを担当した日立製作所の髙田裕一郎氏に、その思いを聞いてみた。
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日立製作所の髙田裕一郎氏
どんな旅でも、それにフィットしたスペースがある
「乗った瞬間から日光を感じてもらえるよう、デッキには寺院のような神々しさを感じてもらえるように仕掛けを施しました」
デッキに入ると、天井部分にLCDディスプレイが。こちらで季節によって変化する「おもてなし」を演出する予定だ。
「デッキの壁は白、各室へとつながる扉は黒で上部が金色。トイレの中も黒な壁となっています。文字で表現すると奇抜に感じる配色ですが、実際に見るとまとまりがあります。この色の配置は参道から寺院へ入る感じをイメージしました。車内のさまざまな部分に江戸や日光を感じさせるデザインを反映させています」
江戸時代に生み出された色彩文化「四十八茶百鼠」も活用したものの一つだ。
「当時幕府から贅沢な色を制限された庶民は、48の明度や彩度の異なる茶色、同じく100のねずみ色を生み出してオシャレを楽しんだと言われています。同じ色でも明度や彩度が異なることで、シンプルですが豊かないろどりで車内を演出することができました」
基本の色はスタンダードシート(一般席)。
「『スペーシアX』は全部で6種類の席がありますが、スタンダードシートが四十八茶百鼠を用いたベースの配色で構成され、他のクラスはそこに個性的な色を追加していきました。一番多くの色を使ったのは1号車のコックピットラウンジです。またコンパートメントに敷かれている藍色のじゅうたんも少ない面積ですがこだわりました」
1号車と6号車には、東照宮の陽明門を思わせるものが。
「間柱部にある照明に、陽明門の柱に施されている『グリ紋』をイメージする紋様を施しました。乗った瞬間から『日光』が始まっています」
両先頭の1号車と6号車のエクステリアの六角形の窓は、沿線である栃木県鹿沼市の伝統工芸である組子の紋様からインスパイアされている。
「六角形の窓枠と周囲の三角形で形成された形が特徴的な先頭車。この形状が作り出す形が『スペーシアX』のキーワード。ここ以外にも車内のいろんな場所に同じ形状を織り込みました」
一体どこに?
「スタンダードシートのインアームテーブルとか……他の場所は、実際に乗って探してみてください」
最後に「スペーシアX」の楽しみ方を聞いてみた。
「まずは乗った車両を楽しんでください。そして、1号車のカフェカウンターに飲み物や軽食を買いに行きましょう。すると他の車両のまた違った雰囲気が感じられて、次は違う車両に乗ってみたいと感じていただけると思います。1人旅行、2人旅行、家族旅行、グループ旅行、どんな旅でも、それにフィットしたスペースがあるのが『スペーシアX』です」
日光、鬼怒川温泉への旅をアップデートする「スペーシアX」のデビューは2023年7月15日。デビューが待ち遠しい!
取材・文/渡辺雅史
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構成/DIME編集部