そば粉の配合率は「二八」「十割」のみとは限らない
中食ニーズ、そして健康志向が高まる中で、そば粉を50%以上配合して作る高配合の乾麺蕎麦が再注目を集めている。ただ、気になるのは、そば粉の配合率のこと。そば粉を80%配合した「二八」、そば粉と水、食塩のみで作った「十割」など、配合率を含んだ商品名であれば明白なのに、すべてがそうとは限らない。
むしろ、配合量を記載している商品の方が圧倒的に少ないのだ。配合率を知る手立てはないのか?今回は乾麺蕎麦の配合率を見極める方法を紹介しよう。
乾麺蕎麦の配合率表示にはルールがある
農林水産省が告示する「乾めん類品質表示基準」によると、乾めん類のうち、そば粉を使用したものを「干しそば」と定義しており、そば粉の配合率が30%未満の場合、容器または包装に配合率を表示することが義務付けられている。ようするに、そば粉の配合率を表示していない乾麺蕎麦は、すべて配合率30%以上ということになる。
ただ、一般的に高配合と呼ぶ乾麺蕎麦は、そば粉を50%以上使った商品を指す。高配合商品を指名買いするにはどうすればいいのか? 実は農林水産省は「乾めん類の日本農林規格」なる基準を設けており、“標準”と“上級”の2つの規格を設定している。
出典:農林水産省「日本農林規格 乾めん類 2019年12月13日改正」より
上の表「そば粉の配合割合」の項目にあるとおり、JAS標準はそば粉の配合率が40%以上であること、JAS上級は50%以上であることなどと定めている。
このJAS上級マークの有無が高配合商品を見極める目印となるのだが、そもそもJAS規格は民間団体が認定する任意の制度である。そば粉を50%以上使ったすべての商品がJAS上級をつけなくてはいけないという義務はない。
実際にスーパーなどにある市販の乾麺蕎麦をみても、JASマークのついた商品を見つける方が実は難しい、そう感じる方は多いはずだ。
高配合の乾麺蕎麦26商品を厳選掲載!
そこで頼りになるのが、乾麺蕎麦のレシピ本『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」』である(池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円)だ。
芸能界きっての蕎麦好きと知られるDEEN池森秀一池森さんと日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光さんが乾麺蕎麦を使った創作料理で夢の競演を果たした本書には、厳選に厳選を重ねた珠玉の高配合乾麺蕎麦26商品を指名使いした、オリジナルの乾麺蕎麦レシピ50点を収録!
26商品の高配合乾麺蕎麦はすべてスーパーなどで購入できる市販品なので、サルサソースをたっぷり使ったピリッと旨辛の「サルサそば」、宮崎県の郷土料理をそばつゆにアレンジした「冷や汁そば」など、レシピ本内の絶品メニューを手軽かつ簡単に再現することができるのだ。
◆Amazonで購入する
https://www.amazon.co.jp/dp/4093115176
◆楽天ブックスで購入する
https://books.rakuten.co.jp/rb/17118464/
キリッと冷えた新感覚の乾麺蕎麦で、うだるような今年の夏を健やかに乗り切ろう!
取材・文/渡辺和博