話題沸騰!DEEN池森氏考案のオリジナル蕎麦を作ってみた【DEEN池森の絶品蕎麦レシピvol.④】
今や、芸能界随一の蕎麦好きとして知られる、人気ロックバンドDEENのボーカル・池森秀一氏。5月30日に発売された初のレシピ本(『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』)も大好評だ。そこで、この本の中から気になるレシピを実際に作って食べてみた。
今回は、宮崎の郷土料理「冷や汁」をアレンジした「冷や汁そば」。
ちなみに農林水産省のサイトによると本式の作り方は
①タイかアジなどの魚を素焼きにして身をほぐし
②骨を丁寧に取り
③すり鉢で白ゴマをすり
④ほぐした魚の身と味噌を入れてすり合わせてすり鉢の内側にぬりつけて
⑤炭火の上にさかさまに伏せて味噌の表面に軽く焦げめがつくくらい炙り
⑥だし汁でといて冷やし
⑦具の薬味を入れてご飯にかける
…というように、すべての工程の難易度が高すぎて、作れる気がまるでしない。
だが池森流ではさば味噌缶を使うことで、全行程をぎゅっとショートカット。過去のレシピに比べると材料は多いが、ただ混ぜるだけなので基本的には簡単。そして、あっという間に蕎麦が消えるほどの圧倒的な美味しさだった。
15年以上、365日ほぼ毎日食べ続けるほどの蕎麦マニアの池森氏。
※参考「365日毎日食べるほど蕎麦が大好き!?DEEN池森秀一氏が蕎麦にハマった理由」
『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』
池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円(税込)
ちなみにこの本の監修は、日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光氏。池森氏が提案するポップで自由奔放な創作蕎麦レシピ25品と、それにヒントを得た野﨑氏の創作蕎麦レシピ25品が対になっていて、合計50品が紹介されている。
つゆの材料は「味付け」「薬味」「アクセント」の3グループ
つゆの材料はいつもより多いが、3つのチームに分けるとおぼえやすい。
※分量は『DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』でご確認を。
最初は味付けチーム。おなじみの「つゆの素」と「こんぶかつおつゆ」、そして味噌と、さば味噌缶。
続いて薬味チーム。ミョウガ、紫蘇、葱、キュウリをそれぞれ千切り、薄切りにしておく。
最後はアクセントチーム。なくてもよさそうに見えるが、意外に重要なので、忘れずに入れて欲しい。
あとはただ、混ぜていくだけ
最初に入れるのは、ミョウガ、キュウリ、生姜。
次に味付けチーム4品を投入。
胡麻と葱を入れて
水を加え
よく混ぜればつゆが完成。冷蔵庫でよく冷やしておく。
「冷や汁そば」におすすめは、五木食品『山芋入り更科八割そば』
乾麺蕎麦の超愛好家としても知られ、多くのコラボ商品を手がける池森氏のレシピ本だけに、それぞれのつゆに合うおすすめの乾麺蕎麦が提示されている。
今回の「冷や汁そば」で池森氏が使ったのは、五木食品『山芋入り更科八割そば」』。
九州で人気の乾麺蕎麦『山芋入りそば』の高配合商品とのこと。2種類の色白の蕎麦粉を使用し、蕎麦を引く時に最初に出てくる高価な一番粉「花粉」をブレンドしているのも特色だという。
八割蕎麦だが、更科特有の美しい白い色をしている。
花粉をブレンドしているので豊かな甘みがあり、山芋配合によるつるみもある。なめらかで喉ごしのいい蕎麦なので、冷や汁のようにたっぷりの汁に入れてすすりこむのにぴったり。
ひと口すすると止まらなくなる旨さ!全材料がいい仕事をしている!
蕎麦は水でよく洗い、水気を切って器に盛っておく。つゆはぎりぎりまで冷蔵庫に入れておいたほうがいい。
食べる直前にたっぷり紫蘇を乗せる。顔を近づけると、まずこの紫蘇の香りが食欲をかきたてる。
最初は、めんつゆに味噌にさば味噌缶が入ったら、味が濃くなり過ぎるのでは?と思ったが、蕎麦を入れるとちょうどいい濃さ。胡麻のプチプチ感、キュウリのシャキシャキ感、そしてさばの旨み、生姜の香り…。すべてが融合して旨さ爆発のつゆになっている。これだけでも箸が止まらないのだが、「さすが池森流」と感動したのが、最後のラー油。
美味しすぎて、つい入れ忘れたまま最後まで食べてしまうかもしれないが、ぜひ忘れずに入れて欲しい。ラー油が加わることでガラリと印象が変わり、さらに食欲にターボがかかる。辛いのが好きな人は、真っ赤になるほど入れたくなるに違いない。
レシピにはなかったが、鯖缶にカレー粉をかけた10秒おつまみをよく作るので、「合う」と信じて、ラー油の代わりにカレー粉を入れてみた。ラー油のパンチ力には負けるが、これはこれで美味しい。
暑くて暑くて、食べたいものが何ひとつ浮かばない時の救世主になることうけあい。ぜひ覚えていて欲しい。
取材・文・撮影/桑原恵美子