話題沸騰!DEEN池森氏考案のオリジナル蕎麦を作ってみた【DEEN池森の絶品蕎麦レシピvol.③】
今や、芸能界随一の蕎麦好きとして知られる、人気ロックバンドDEENのボーカル・池森秀一氏。5月30日に発売された初のレシピ本(『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』)も大好評だ。そこで、この本の中から気になるレシピを実際に作って食べてみた。
今回挑戦したのは、なかなかにマニアックな蕎麦メニュー「くるみそば」。それが、池森マジックで、本当に10秒くらいですごい完成度の逸品ができてしまったのだから驚きだ。
15年以上、365日ほぼ毎日食べ続けるほどの蕎麦マニアの池森氏。
※参考「365日毎日食べるほど蕎麦が大好き!?DEEN池森秀一氏が蕎麦にハマった理由」
『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』
池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円(税込)
ちなみにこの本の監修は、日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光氏。池森氏が提案するポップで自由奔放な創作蕎麦レシピ25品と、それにヒントを得た野﨑氏の創作蕎麦レシピ25品が対になっていて、合計50品が紹介されている。
材料は5つ!混ぜて、「ブーン」するだけ!
くるみそばは、長野県や、埼玉県でも食べられている郷土料理。池森さんは、北海道・旭川市で出会った「くるみ蕎麦」に感動して創作したものだそう。
つゆは冷やしておくほうが断然美味しいので、前もって作っておくのがおすすめだ。材料は以下のとおり。
※分量は『DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』でご確認を。
・つゆの素
・昆布かつおつゆ
・くるみ
・すりごま
・特濃豆乳
これを全て混ぜて、
ハンドブレンダーなどでペースト状にするだけ。驚くことに、ほんの10秒くらいで完全なペースト状になる。材料を揃えたら、あっという間に完成。人生で作ったスピード料理の最速記録を更新した。
それでいて、味見をするとその完成度にびっくり。まるでカフェオレのように細かな泡で、絹のような舌ざわり、ほんのり甘めのだしつゆと濃厚なコク…。「自分は料理の天才だったのか」と思いそうになるが、天才なのは池森氏だった…。
ハンドミキサーが無い人は、刻むのもあり
本来、くるみそばは、くるみをすり鉢に入れ、時間をかけて摺って作るものだったらしい。だから自宅にハンドミキサーがないという人は、すりばちで摺るのもありだが、「どちらも持っていない」人は刻んでみてはどうだろう。
最初は「面倒」と思っていたが、やってみるとひたすら手を動かしながら、ぼんやり仕事の段取りなどを考えていると、やがて「無」の境地になって、いつしかずっと刻み続けたくなる。仕事で煮詰まった時のいい気分転換を発見してしまった。
刻んだくるみで同量の割合でつゆを作ってみた。かなり細かく刻んだつもりだが、やはり舌触りは全然違う。でも食感に変化があって、これはこれで美味しいような…。今回は、ワイルドな十割蕎麦を使うので、これもありかもしれない…。
このつゆに合う池森さんおすすめの蕎麦は、おびなた『みわび信州十割そば』
乾麺蕎麦の超愛好家としても知られ、多くのコラボ商品を手がける池森氏のレシピ本だけに、それぞれのつゆに合うおすすめの乾麺蕎麦が提示されている。この「濃厚くるみそば」の場合は、おびなたの『みわび信州十割そば』。
池森氏の解説によると、「シャキッとした心地いい歯切れと、なめらかな食感が楽しめる」とある。
厚みは普通だが、かなり幅が広い。これは、噛みごたえに期待できそう。
調理法を見てびっくり。普通の乾麺蕎麦は3分くらいが多いが、これはなんと茹で時間7分。しかも蒸らし時間2分。つゆは10秒でできるが、茹でるのに10分近く…。さすが十割蕎麦。
しかし、食べてみて感動した。歯に食い込むようなコシ、そして十割と思えないなめらかさ。麺自体が美味しくて、何もつけずにずっと噛んでいたくなる。家で、しかも乾麺蕎麦でこのレベルのものが食べられるなんて…。
完成!薬味には生姜をお忘れなく!
これだけ蕎麦がおいしければ、「普通のつゆで充分」「むしろ普通に食べたい」と思うが…、
薬味として、白ネギとおろし生姜を添える。特におろし生姜は、池森氏が「ポイントはつゆにつけたおろし生姜」「濃厚なつゆにきれいにハモります」と書いているので、ぜひ忘れずに。
左がハンドミキサーを使って作った、池森レシピ。右はハンドミキサーを持っていない人のために、試しに刻んで作ってみたもの。つゆだけを味わった時は、後者も「あり」と思ったが、蕎麦とからめてみたら、あまりにも違った。
ハンドミキサーで作ったほうは、とにかく蕎麦とのからみがいい。つゆが自ら、蕎麦にからみに寄り添いに行く感じで、一体感がすごいのだ。これはやはり、ペースト状にしたことで粘度が高くなっているからだろう。蕎麦1枚を食べきると、つゆが完全になくなっていた。
そして、生姜は絶対に入れたほうがいい!!ちょっと重めの甘さに、生姜がぴったりとハマる。食べていると池森氏の「濃厚なつゆにきれいにハモります」という声が聞こえてくるようだ。
こちらの「手刻み」タイプは残念なことに、蕎麦とのからみが今ひとつ。蕎麦との一体感が少ないので、コクがあまり感じられない。こんなに差が出るとは…。
つゆを作るのはとにかく簡単なので、これを作るためだけにでも、ハンドミキサーかブレンダーを買って欲しいと思うほど。
「濃厚くるみそば」は、とんでもないパワーフードかも
食べ終わり、「これなら毎日でも食べたい」と思って、ふと気が付いた。
クルミは、「脳にいい食品」といわれている。脳細胞や神経細胞に存在し、情報の伝達や発信を行う細胞(ニューロン)に必要な栄養「オメガ3脂肪酸」が、ナッツの中でも特に豊富だからだ。一説には、クルミ10粒で、成人が1日に必要なオメガ3脂肪酸(約2.0g)に相当するといわれている。さらに、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、クルミに含まれる「トリプトファン」という成分から産生されるという。
胡麻も蕎麦も豆乳も、アンチエイジング効果が高いことはご存じのとおり。
もしかしたら、スムージーなんて飲んでいるより、毎日このメニューを食べたほうが、脳にも心にも体にもいいのではないだろうか…。
『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』
池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円(税込)
ちなみにこの本の監修は、日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光氏。池森氏が提案するポップで自由奔放な創作蕎麦レシピ25品と、それにヒントを得た野﨑氏の創作蕎麦レシピ25品が対になっていて、合計50品が紹介されている。
取材・文・撮影/桑原恵美子