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「上司に言われたい褒め言葉TOP3」から考える部下のモチベーションを上げる褒め方

2022.05.30

上司の立場の人は、普段、部下と接するときに、どんなほめ言葉をかけているだろうか。もしかしたらほめることに苦手意識を感じて、うまくほめられなかったり、ほめることに躊躇してしまったり、適切なほめ言葉が見つからないで迷ったりした経験があるかもしれない。

そんな上司に向け、今回はほめる達人に、部下のモチベーションを上げるほめ言葉を教えてもらった。

部下が上司から言われたい「ほめ言葉」TOP3

龍谷大学は2022年1月、企業の上司・部下1,000人を対象に、関係性や世代間ギャップについてのアンケート調査を実施した。

そのうち、「上司からあなたが言われたいほめ言葉は?」との問いに対する部下の回答結果は、1位「信頼して任せられるよ」、2位「○○さんがいてくれてよかった」、3位「一緒に仕事ができてうれしい」となった。

いずれも確かに言われたら、誰でも嬉しく感じる言葉だ。

上司はそのまま使って大丈夫? 部下が言われたいほめ言葉を達人が解説!

しかし、TOP3のほめ言葉は「部下が言われたい」ものであるため、実際にそのまま上司が使ってしまうと、部下のモチベーションや成長のさまたげになってしまう恐れもある。そこで、ほめる達人に、これらのほめ言葉の使い方について聞いてみた。

今回、話を聞いたのは一般社団法人日本ほめる達人協会の特別認定講師である川端勢至氏だ。文字通り、「ほめる達人」を教える講師として活動しており、時には講演なども行っている。

まずは、ほめる達人として、「部下が上司から言われたいほめ言葉」TOP3について、率直な感想を聞いた。

【取材協力】

川端 勢至氏
一般社団法人日本ほめる達人協会 特別認定講師
アミューズメント運営会社の店長として全ての店舗で売上目標を達成し、「ほめる店長」と呼ばれ活躍。その経験を活かし現在は、ほめ達認定講師として全国で、ほめ達検定、研修、講演を行い、受講者から高い評価を得ている。
https://www.hometatsu.jp

「TOP3の言葉は、どれも『やる気を引き出す言葉』であると言えます。現代の若者にとってお金の報酬は、仕事をする上での大きな動機になるとは限りません。彼らを動かすには心の報酬が大事で、心が満ちてこそ人はやる気になりますし、『会社のために頑張ろう』ともなるのです。この心の報酬を得るにためには『自分は役に立っている』という『貢献』を実感する必要があります。

人は、自分が誰かの役に立っているということを知りたい、誰かから感謝されたい、という貢献欲求を持っています。ですから、貢献の実感を味合わせることが心の報酬を渡してあげることになり、部下のやる気を引き出すことになります。上司から言われたいほめ言葉のTOP3は、部下にとって心の報酬を得られる言葉ですので、部下のモチベーションを上げることにつながりやすいと言えるでしょう」

では、それぞれのほめ言葉について、良い点や注意点を解説してもらおう。

1.「○○さんには信頼して任せられるよ」

「言ってもらえた部下にとっては貢献の実感を得られるので、仕事に対するモチベーションを上げる言葉だと言えます。しかし、伝える際には注意が必要かもしれません。信頼して任せられる理由を明確に伝えないと、『仕事を丸投げしている』または『丸投げしようとしている』印象を与えてしまう危険性もあります。相手に納得できる理由も一緒に伝えないと、上辺だけの言葉と思われて『この上司は、分かっていないな』と逆にモチベーションを下げることになってしまいます。納得できる理由を部下に伝えるには、普段から部下に関心を持って、しっかり行動を観察して、見守っていることが重要です。部下をほめるには、小さなところにも目を向けることが大切になります」

2.「○○さんがいてくれてよかった」

「この言葉は、部下の存在を肯定する、非常に良いほめ言葉です。この一言で部下は『自分の存在を認められた』と感じるので、部下のモチベーションは上がります。

人は、自分の行動や成果をほめられる以上に、自分の存在そのものを認められると心が満たされます。この言葉が、部下が上司に言われたい言葉の上位になったのは、『職場に自分の居場所がない』と不安を感じている人が多い表れと言えます。『職場に居場所がある』と感じることができると、仕事に対するモチベーションにつながります。『ここに、いて良いんだよ』『ここに、いてほしい』というメッセージを相手に伝える言葉ですので、ぜひとも使っていただきたい言葉です。また、こう言われたら部下は嬉しくなりますので、自分の存在を居心地が良いと感じてくれる上司に対しても好感を持ちやすくなるはずです」

3.「一緒に仕事ができてうれしい」

「この言葉も部下のモチベーションを上げるおすすめの言葉です。この言葉をすすめする理由は、『うれしい』と相手に感想を伝えていることです。

ほめられても『いえいえ、めっそうもない』『そんなことないです』と相手の言葉を受け入れるのが苦手な人もいます。日本人は『ほめるのが苦手』と言われていますが、それと同じくらい『ほめられるのが苦手』な人がいるのも事実です。ほめ言葉を受け入れることがむずかしい人も、相手の感想となれば否定することはなかなかできません。『そういうふうに感じる人もいるんだ』と受け入れやすくなります」

部下のモチベーションを上げるほめ言葉3選

続いては、川端氏がおすすめの部下のモチベーションを上げるほめ言葉を3つ紹介する。ぜひ押さえておこう。

1.「頑張っているね」

「仕事をしている部下に『頑張れ!』と言ってしまうと、『まだまだ頑張りが足りないぞ!』『もっと仕事に励めよ!』というふうに、言った本人にはそのつもりがなくても相手を追い立てていることになります。『頑張っているね』『頑張ったな』なら、部下の頑張りそのものを認めることになります。

応用としておすすめなのが『頑張りすぎるなよ』です。この言葉は、部下の頑張りを認めて、さらに部下をねぎらっています。仕事で苦労しているときに『頑張りすぎるなよ』と言われたら、部下は『自分の苦労を分かってくれている』と感じて、仕事に対するモチベーションが上がるでしょう」

2.「~してくれて、ありがとう」

「日本ほめる達人協会では、感謝を伝えることもほめること、とお伝えしています。人は、ただほめられたいわけではありません。誰かから感謝されたい、という気持ちを強く持っています。ですから、『事実 + ありがとう』は非常に良いほめ言葉なのです。この事実は、小さくても大丈夫です。小さな事実でも良いので、『誰のどんな役に立っているのか』を感謝の言葉を添えて伝えてあげる。その言葉は必ず部下の心にしみ込んでいき、モチベーションアップにつながります」

3.「~が、できているね」

「ほめることが苦手な人もいると思います。また、上司も人間ですから、いつもならほめられるけど心に余裕がなくなり、『どうしてもほめられない』というときもあると思います。そんなときは、『事実を伝えるだけ』でも大丈夫です。先におすすめした『ありがとう』さえ言えない心の状態のときは、部下が行動した『事実を伝えるだけ』でも相手のモチベーションを上げるほめ言葉になります。『ここの確認ができているね』『次の仕事の準備ができているな』『この部分を意識して取り組んでいたな』。これだけで良いのです。事実だけを伝えることによって、『きちんと見ているよ』『見守っているよ』『君がしたことは気付いているよ』というメッセージを送ることになり、部下は『認められた』という気持ちになります」

今回、解説された6つの褒め言葉、ぜひ気を付けながら部下に対して使ってみよう。部下のパフォーマンスに変化が起きれば、成功といえる。

【調査出典】
龍谷大学「世代間ギャップ」調査

取材・文/石原亜香利

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