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職場の「心理的安全性」が高い会社は何が違うのか?若手社員の評価が高い企業の取り組み

2022.05.30

近年、よく耳にするようになった「心理的安全性」と言う言葉。企業では、ダイバーシティやジェンダー平等、働き方改革など、多様性を受容しながら誰もが働きやすい職場づくりが求められている。

またイノベーションが求められる中、アイデアや意見が言いやすい環境は欠かせない。そうした中、自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態「心理的安全性」は重要な要素となる。

その「心理的安全性」を高めるために取り組んでいる企業の事例を3つ紹介する。

若手社員が評価する企業TOP5

オープンワークの働きがい研究所が2022年4月に発表した「新卒入社してよかった会社ランキング2022」では、20代の新卒入社社員(2015年以降入社)が「新卒入社してよかった」と感じている企業を知ることができる。

このデータは企業の口コミサイトOpenworkに投稿された会社評価レポートの回答データをもとに集計されたものだ。トップ5には次の企業が挙がった。

「新卒入社してよかった会社ランキング2022」

1位 ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
2位 株式会社ユーザベース
3位 株式会社コスモスイニシア
4位 グーグル合同会社
5位 三井不動産株式会社

また、トップ30にランクインした企業の新卒入社社員による口コミでは共通して「心理的安全性」の高い職場・組織であることを評価する声が多かったという。

そこで、上位3位の企業に「心理的安全性」を高める具体的な取り組みを聞いた。

ベイン・アンド・カンパニーの「心理的安全性」を高める取り組み

ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンは、世界38か国に63拠点を持つベイン・アンド・カンパニーの日本法人。社員数は300名弱の経営戦略コンサルティング会社だ。

●心理的安全性はコンサルタントの前提

ベイン・アンド・カンパニーの社内風景

同社のパートナー(コンサルタント)である大原崇氏は、職場の心理的安全性を高めることの重要性について次のように述べる。

「心理的安全性は、極めて重要なトピックだと考えています。コンサルタントはチームでクライアントの課題解決に取り組みます。パートナーやマネージャーというシニアなメンバーが、経験に基づいて仮説や論点を提示し、クライアントとチームをリードしますが、メンバーがそれらを検証するだけだと鋭い提言は出せません。メンバーが、時には『素朴な疑問』を呈したり、新たなファクトを見つけて過去の常識にチャレンジすることがあって初めて価値ある提言になります。それが我々にとってのチームプレーです。心理的安全性はその前提として重要な要素だと考えています」

●問題があれば議論し解決策を考える仕組み

心理的安全性を高めるために、どのような取り組みを行っているのだろうか。

「社員の意識向上のために、Unconscious bias(無意識の偏見)やDE&I(ダイバーシティ、インクルージョン&イクオリティ)に関するトレーニングやパネルディスカッションを年に複数回開催したり、パートナー・マネージャーに対する360度フィードバックを実施しています。

フィードバックは、パートナー・マネージャー個人には半期に一度実施され、何か課題があればHR(人事)や本人のメンターなどが関与し、改善のためのトレーニングなどを提供します。プロジェクト単位でも、週次でプロジェクトに対する無記名でのNPS調査(※)を行い、その結果をメンバー全員で毎週議論し、より皆が協力しやすい環境でプロジェクトに臨めるようにしています。プロジェクトメンバーの心理的安全性も含め、何か結果に問題があれば建設的に議論し解決策を考えるという仕組みが整っています」

※NPS調査:ネット・プロモーター・スコア。製品やサービスに対する顧客ロイヤルティ(忠誠度)をはかる調査手法。2003年にベイン・アンド・カンパニーが開発。

同社ではコンサルティング業ならではの前提として活発な議論は欠かせないことから、心理的安全性が確実につくられる仕組みづくりを定着させているようだ。

ユーザベースの「心理的安全性」を高める取り組み

ユーザベースは、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」や経済情報プラットフォーム「SPEEDA」などを提供する情報関連企業。社員数は約800名(2022年1月1日時点)の会社だ。

●信頼関係構築でオープンコミュニケーションを実践

職場の心理的安全性について、どのように考えているのか、グループ執行役員カルチャー担当の村樫祐美氏に話を聞いた。

「職場において心理的安全性を保つのは非常に大切であると考えています。当社の大切にしている価値観は『The 7 Values』として規定しているのですが、そのうちの一つ『異能は才能』を実現する上で、オープンコミュニケーションを実践することは大変重要であると考えています。ただ、オープンコミュニケーションは信頼関係が構築されることが大前提で成り立つものです。信頼関係を構築するために双方が『これを言っても相手は受け入れてくれるし尊重してくれる』と感じられる心理的安全性を担保することが最も重要であると考えています。

当社では当人同士が直接話すことがベストな解決方法だとは考えていますが、それはすべての人にとって、また、すべての事例において適用するとは限りません。そのため、所属チームや部署ではなかなか相談できないことなどを本人が抱え込まないように、第三者や利害関係のない外部パートナーと提携し、彼らが間に入って心理的安全性を持てるような環境作りの支援に動くなどのフォローや仕組みも存在します」

●社員が「横のつながり」を増やせる仕組みが多数

ユーザベースの社内風景

職場の「心理的安全性」を高めるために、具体的にどのような工夫をしているのだろうか。

・バディやメンター制度で横のつながりをつくる

「新入社員に対しては『Welcome Partner制度』という横のつながりを作るためのバディ(仲間・相棒)をアサインし、業務以外のことも話せる人を増やす仕組みや、リーダー向けのメンター制度なども存在しており、抱え込まずに相談できる横のつながりを増やせるような仕組みがあります」

・エンゲージメントサーベイの実施

「全社サーベイ(調査)を導入しており、半年に一度各従業員のエンゲージメントに関わる情報を吸い上げ、施策を打てる状態を作っています」

・上司から部下へのコミュニケーションスキルの強化

「心理的安全性を高めるためには、縦の関係性を改善することで解消するケースが多いと考えています。具体的には、直属の上司との関係性が当てはまります。上司から部下へのコミュニケーションスキルを高めるために、コーチング、NVC(Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)、アサーティブコミュニケーション研修などを導入し、より相手が自分の考えや意見を伝えやすい状況を作るための研修を実施し、心理的安全性の向上に努めています」

ユーザベースでは、信頼関係を重視しており、横のつながりを意識したコミュニケーションが実践されているのが特徴であるようだ。

コスモスイニシアの「心理的安全性」を高める取り組み

コスモスイニシアは、マンション・一戸建などの住まいの分譲、投資用不動産等の開発・仲介・賃貸管理、ホテル開発なども展開する不動産デベロッパーで、社員数約660名の会社だ。

●「進化し続ける組織」を目指す

職場の「心理的安全性」についての考え方について、同社の人事部 大川樹実氏に話を聞いた。

「当社はMissionとして『Next GOOD お客さまへ。社会へ。一歩先の発想で、一歩先の価値を。』、Visionとして『「個」が躍動し、日本一、笑顔と驚きを想像する企業。』を掲げている不動産デベロッパーです。

Mission・Visionの実現にあたって、心理的安全性の担保は不可欠であると考えています。当社における心理的安全性が担保されている状態とは、職場において対会社・対上司・対チームメンバーに対して思い切った発言や行動をしても大丈夫だと思える環境のもとで、年齢や役職に関係なく健全な意見交換が行われ、組織として高いパフォーマンスが発揮できる状態です。

その状態をつくる上で注意していることは、ただの『仲良しな組織』になるのではなく、個々人へ求める基準や責任を高め、健全な衝突と高いパフォーマンスを発揮する『進化し続ける組織』を目指すことです」

コスモスイニシア「社長賞」受賞者と社長の記念写真

●3つの工夫で「心理的安全性」を高める

職場の「心理的安全性」を高めるために、具体的にどのような工夫をしているのだろうか。

・役職名ではなく「○○さん」と呼ぶ

「職場において思い切った発言や行動を安心して実践できるように、当社らしい企業文化や価値観を創業以来、数十年に渡り大切にすると共に、会社のフェーズや時代の潮流に合わせ様々な制度・仕組み・機会を随時導入しています。

企業文化としては年齢や役職に関係なく日常的に率直なコミュニケーションがとれるように、例えば役職者であっても、社内において役職名で呼ばず『○○さん』と名字に『さん』付けや、時に下の名前で呼ぶなど、役職等の職場のパワーバランスを感じないフラットな空気を大切にしています。

その結果、『誰が言うか』ではなく、『何を言うか』を重視する価値観が形成されていると思います」

・採用活動で「仲間探し」を実施

「採用活動においては、単なる選考活動ではなく、当社の企業の文化を好む人材やMission・Visionに共感してくれる人材を『仲間探し』と称し、実施しています。そして最終的に当社に入社するか否かにかかわらず、通常かかるであろう選考プロセスの数倍以上の時間をかけて、相互理解や納得に重点を置くことを大切にしています」

・自分の考えを発信・整理・対話できる仕組みを構築

「当社では、自らの考えを発信、整理、対話できる仕組み、機会の設置をしています。自身のキャリアや日常に考えていることを会社に直接伝える自己申告の制度、自組織や上席のMission・Visionをもとに、中短期的な目標を、自ら立てる目標管理の仕組み、日常業務から離れて経営方針や自組織の在り方について意見交換、協議するオフサイトミーティングの開催、全階層において上司とメンバーでの1on1ミーティングの推奨、経営層・従業員問わず、オフィスでテーマについてフリートークし、従業員の夢や志、熱い想いをリアルで語る場 『INITIA TALK BAR』の開催などを行っています」

コスモスイニシアでは、ただの仲良しな組織ではない、「健全な衝突と高いパフォーマンス」を目指す活発な話し合いが存在するようだ。

若手社員をはじめとした社員から評価されているだけあって、心理的安全性を高めるために多様な工夫されていることがわかった。どのような企業でもヒントになりそうだ。

【出典】
オープンワーク「新卒入社してよかった会社ランキング2022」

取材・文/石原亜香利

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