すっきりとした味わいと飲みやすさで幅広い世代から愛されるほうじ茶。
緑茶や紅茶とも違う独特の香りは“癒しの香り”とも呼ばれ、飲む人を心からリラックスさせてくれます。
思い返せば、この7、8年でほうじ茶の人気は一気に高まり、ハーゲンダッツやスターバックス、コンビニスイーツにもほうじ茶メニューが登場するなど、様々な形でひろがりをみせています。身体や心を思いやってペットボトルのほうじ茶飲料を購入する人も増え、その売り上げも好調なのだとか。
コロナ禍になってからは、マスク生活の中でほっと緊張をゆるめてくれる存在として、ますます注目を集めているほうじ茶。そこで今回は、ほうじ茶を飲んだり食べたりするだけでは、飽き足らない!という方におすすめしたいほうじ茶のディープな楽しみ方をご紹介したいと思います。
改めて、ほうじ茶ってどんなお茶?
ほうじ茶は漢字では“焙じ茶”と書き、その名の通り、煎茶や茎茶などのお茶を高温で焙煎=焙じてつくるお茶のこと。一言でほうじ茶といっても、どんなお茶を焙じるのか、また焙じる温度などでも趣が全く変わってくるため、知れば知るほどはまってしまう奥深~い世界です。
ほうじ茶といえば、魅力的なのが香ばしい香りとどこかほっとする味わい。
ほうじ茶の香りには、焙煎の過程でうまれるピラジンという成分が含まれており、この成分がリラックスさせてくれる存在として知られているもの。
この癒しの香りを常に傍に感じていたいと、ほうじ茶の香水や焙じる香りを楽しむ“茶香炉”などを購入する人も増えているのだとか。
サウナやお風呂DEほうじ茶!
ここ最近、じわじわと人気を集めているのが、そんなほうじ茶を”飲む”のではなく、お風呂やサウナで楽しむこと。
例えば、ほうじ茶ロウリュ。ロウリュといえば、サウナ内のストーブの上に置かれたサウナストーンに通常は水をかけ、その蒸気を浴びて発汗を促すというものですが、水の代わりにほうじ茶をかけることで、香りとリラックス作用も同時に感じられるとあって、大人気に。全国各地にひろがりつつあります。
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ほうじ茶ラバーならもう既にやっているという人も多いと思いますが、“ほうじ茶風呂”も忘れてはいけません。お茶屋さんから販売されているほうじ茶の入浴剤などを購入するのも良いですし、飲み終わったほうじ茶の茶殻をティーバッグなどに入れ、そのまま湯舟に入れるだけでも贅沢なほうじ茶風呂が出来上がります。
ちなみに我が家のお風呂では、「ほうじ茶のTEA SOAP」(祇園辻利)を愛用中。
オーガニック素材を使ってつくられている洗顔石鹸なのですが、ほのかにほうじ茶の香りを感じられて、ほうじ茶ラバーにはおすすめです。
ほうじ茶D.I.Yで部屋中ほうじ茶フレーバーにしよう
ディープにほうじ茶を楽しみたいという人にとって、なんといっても外せないのが、自宅で自分好みのほうじ茶をつくって、焙煎したてのほうじ茶を頂くほうじ茶D.I.Y。
できたてのほうじ茶は、フレッシュな香ばしさを感じられますし、なんといってもお部屋がほうじ茶フレーバーになるのも嬉しいところ。
焙じ加減も自分で調整できるので、お店で買ってきたほうじ茶とはまた違う一杯が頂けます。
焙烙(ほうろく)というほうじ茶をつくるための専用の道具もありますが、フライパンなどでも、丁寧に焙じれば、簡単にほうじ茶が出来上がります。
我が家では、余ってしまったお茶を焙じ茶にしたり、Chabashira JAPANESETEAから出ている“ほうじ茶にするとおいしい香りの甘みのあるくき茶”“ドリップティーバッグ”などがセットになった、D.I.Y焙煎ほうじ茶セットを買うなどして、ほうじ茶ライフを楽しんでいます。
香りや味わい、飲みやすさ、どこをとっても癒しそのものであるほうじ茶。ストレスの多い現代人にとって自然と手が伸びてしまう存在であるのも、うなづけるのではないでしょうか。
お茶として飲む、スイーツとして食べるだけではなく、様々な形でコラボレーションしやすいお茶だけに、今後も新たなムーブメントをつくっていきそうな予感。
ほうじ茶旋風は、まだまだ続いていきそうです。
茂木雅世 もき まさよ
煎茶道 東阿部流師範・ラジオDJ
2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまう活動を開始。現在ではお茶にまつわるモノ・コトの発信、企画を中心にお茶“漬け”の毎日を過ごしている。お茶×音楽ユニットYuge〻のメンバーとしても活動中。
趣味は暮らしの中に取り入れやすいサステナブルアイテムを探求することとバスケ観戦。
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