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きっかけは10年前のお祭り!SDGsで注目を集めるようになった食べられる器「イートレイ」開発秘話

2022.05.25

徐々に気温が高くなり、バーベキューや野外でのイベントが盛んになるこの季節。ここ数年、コロナ禍で開催を断念していたお祭りなども、今年はやっと開催の見込みが立つのではないだろうか?

お祭りなどの野外のイベントに付き物なのが“屋台”だ。屋台はイベントを盛り上げるのに欠かせないものの、それによって大量のゴミが出ることも事実。そこに目をつけ、10年前に開発されたのが、“食べられる器”である「イートレイ」だ。「イートレイ」を開発したのは愛知県碧南市にある、創業40年の「丸繁製菓」。代表取締役専務の榊原勝彦氏に開発の経緯や苦労を聞いた。

株式会社 丸繁製菓の代表取締役専務 榊原勝彦氏

丸繁製菓開発「イートレイ」

丸繁製菓は、以前はアイスクリーム用のモナカを中心に製造・販売してきた菓子メーカーだ。「イートレイ」はモナカ作りの技術を生かして開発された。“食べられる器”ということで、“eat tray”から「イートレイ」というネーミングになっている。現在発売されているフレーバーは、えび味、オニオン味、紫イモ味、焼きもろこし味、プレーンの5種類。形は丸型と角形がある。

写真は丸型のイートレイ。12枚入り842円~920円(税込)

用途としては、焼きそば、たこ焼き、だんご、五平餅、おにぎりなどの容器として、町おこし企画やB-1グランプリ等のイベントシーンで活用されている。水にも強く、耐水実験を行ったところ、普通のモナカは水を入れてから約9分程度で穴が空くのに対し、イートレイは1時間経っても穴が空くどころか、大きな変化が見られなかった。

大量に捨てられる器を見て「モナカで作れるのでは?」

榊原氏が「イートレイ」を開発したキッカケは、10年前に遡る。とある大きな食のイベントの視察に行った榊原氏が目にしたのは、大量に捨てられる使い捨て容器だ。

「イベントは盛況でしたが、その背景には、メディアでは伝えられない現状である“大量のゴミ”がありました。捨てられている使い捨て容器の形状を見て、『これ、モナカでも作れるんじゃないか?そうすればこのゴミをなくせるのでは?』と思ったのがキッカケです」

以前はアイスクリームのモナカメーカーとして商売をしていた丸繁製菓。榊原氏は常に「どこまでいってもモナカは“主役”にはなれない。あくまで脇役」と感じ、「モナカの価値を上げていきたい」という想いがあった。今までにない商売・商品のあり方として“食べられる器”というアイデアに着目し、開発に取り組んだ。

「1番最初は地元の市民祭で、ご当地焼きそばのお皿として提供しました。その後、2、3年はイベントのみでの提供だったのですが、その間に声をかけて貰ったりメディアから注目されたりして、少しずつ認知が広がり、商品として販売するに至りました」

硬すぎても、柔らかすぎてもダメ

“器としての機能”と、“美味しく食べられる”という両方を兼ねる商品作りは容易ではなかった。皿として必要な強度や耐水性を高めると食べにくくなり、食べやすさを目指すと皿として機能しなくなってしまう。相反するふたつの目的を達成する、絶妙な硬さの落としどころを見つけるため、原料の配合などに苦労したという。

「年配の方には『硬い』と言われることもあります。一方で、若い方には『(噛み応えがあって)お腹いっぱいになるからちょうどいい』と評価されたりもします。どのくらい硬いかと言うと…、イメージ的には瓦煎餅や草加せんべいくらいの硬さです」

提供する機会が増えるにつれて、硬さ以外の難点も見えてきた。イートレイ自体、食べるとそこそこボリュームがあるため、食べきれない人も少なくなかったのだ。

「イベントなどで提供すると、器を食べきれずに、結局半分くらい食べ残している人もいました。ゴミをなくすことを目指している商品が、食べ残されていたら本末転倒なので、ひとまわり、ふたまわり小さい商品もこれから発売予定です」

「SDGs」の普及とともに、注目が集まる

10年前のイートレイ開発当初は「草の根活動という状態だった」と話す榊原氏、「ビジネスモデルとしては厳しいんじゃないかなと思った時期もあった」という。しかし、近年になって状況は大きく変化した。世の中の流れに変化を感じ始めたのは、「SDGs」という言葉が世間でチラホラ聞かれるようになってからだと言う。

スターバックスがプラスチックのストローの提供をやめた2020年頃から、変化が如実に現れ、問い合わせ数が大きく増えた。そんな矢先にコロナ禍に突入してしまい、“食べられる器”として注目は集めつつも、なかなか購入してもらうまでには至らなかった。

しかし、ワクチンの普及も進み、野外イベントの開催も増えてきたまさに今、問い合わせは急激に増えているという。

「前年度の売り上げは、前々年度の4倍程度に増えています。さらに今年も、そこから倍に増える見込みです。問い合わせ元にも変化があり、以前は個人事業主さんや飲食店さんが多かったのですが、最近では企業やホテル、食料品製造メーカーさんなどが増えています」

「なぜこのような商品が必要なのか?」と考えて欲しい

丸繁製菓は「イートレイ」の他にも、さまざまな“食べられる”食器の開発に携わっている。社員食堂を運営する株式会社勤労食から発売されている“食べられるスプーン”である「PACOON」や、アサヒビールから発売されている“食べられるコップ”の「もぐカップ」も、丸繁製菓との共同開発だ。

他にも、“食べられるお箸”として、熊本県産イグサを100%使用した“畳味”のお箸も「熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会」と共同開発している。

榊原氏は今後の展開としても、企業間コラボに力を入れ、フードロスを減らすような商品も推奨していきたいという。

「私は環境活動家ではないので、商売として事業をしています。商品の開発のために色々なことを勉強していくに当たって『あ、こんな問題もあったんだ』という発見が多く、知らなかったことを知るキッカケに恵まれました。このような商品がなぜ必要なのか、利用者の方々が手に取ることで興味を持ち、さまざまな問題について考えるキッカケになってくれたらいいと思っています」

ECOを目指すことは「負担になると広がらない」、「楽しみながらECOをすることをテーマにしている」と語る榊原氏。コロナ禍が落ち着き野外イベントが増えるとともに、イートレイをはじめとする“食べられる食器”のニーズはますます増えることが予想される。丸繁製菓の今後の動向に注目したい。

製品情報:http://www.marushige-icecone.com

取材・文/まなたろう
画像提供/丸繁製菓

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