Python
学習者や現役プログラマーから高い人気を誇るのが『Python』です。将来的にはよりニーズが高まると見られており、学習を始めても損はないでしょう。
Pythonの特徴を紹介します。
アプリ制作、業務効率化などが可能
Pythonは汎用性の高いプログラミング言語で、Webアプリやゲーム制作などにも使われます。身近なところでは、Excel操作の自動化も可能です。手間のかかっていた集計・グラフ化・統合などの作業も、Pythonで一気に効率化できます。
さまざまな用途がある中でも、特に強みとされるのがデータ解析とAI開発です。
Pythonには、データ解析や機械学習に必要なさまざまな機能をまとめた、豊富なライブラリがあります。ビッグデータの解析やAI開発でPythonが選択されるケースは多く、標準言語化しているといっても過言ではないでしょう。
AIやビッグデータの活用が企業にとって不可欠となる今後、Pythonの存在感はますます強まっていくと予想されます。
InstagramはPythonで開発されている
Pythonは、Webアプリの制作現場でも活躍している言語です。例えば『Instagram』『Dropbox』『YouTube』などは、Pythonを使って作られています。
Webアプリは更新のスパンが短く、スピード感が重視されます。シンプルな文法・少ないコードで開発できるPythonとは相性がよく、好んで使われることが多いようです。
ライブラリ・フレームワークが豊富なことも、Webアプリ開発では有利といえます。コーディングの手間が少ない分、制作にかかる時間も短くなるでしょう。
コードが簡潔で読み書きしやすい
Pythonはコードの可読性が高く、文法がシンプルなスクリプト言語です。『学習しやすい』という点も大きな魅力といえるでしょう。
プログラミング言語を学習する際、すでに定義が決まっている『予約語』を覚えるのに手こずることがあります。ところがJavaScriptやC言語と比較して、Pythonは予約語の数が約半分しかありません。
『処理が違ってもコードの書き方の基本は同じ』『波括弧やendなどを使わない』といった特徴もあり、初心者にとって学びやすい言語といえます。
Pythonを使ってみたい人は、『Google Colaboratory』の活用がおすすめです。インストール不要・無料で、ブラウザから簡単にPython向けの環境を構築できます。
Swift
Swiftは、2014年に登場した比較的新しいプログラミング言語です。コンパイラ言語でありながら学びやすさもあり、近年人気が高まっています。Swiftの用途や強みを見てみましょう。
iOS向けアプリが作れる
SwiftはApple社がオープンソースで提供している言語です。もともとはApple社製品のアプリ開発用に作られたものですが、近年はWebアプリやAndroidアプリの開発で使われるシーンも出てきています。
Apple社ではもともと『Objective-C』というプログラミング言語が使われていました。SwiftはObjective-Cと互換性を保ちながら、『コードの読みやすさ・書きやすさ』『高速処理』『安全性の高さ』などの面で改良が加えられています。
iPhoneやMacユーザーは多く、iPhone用・Mac用のアプリは常にニーズが高めです。Apple社製品用に作られたSwiftを使うメリットは多く、学習者も増加傾向にあります。
Swift Playgroundsによってゲーム感覚で学習できる
Swiftには、コードがシンプルで読み書きしやすい・文法が簡単といったメリットがあります。コードの安定性が高くプログラミングミスが起こりにくいともいわれており、初心者にも比較的ハードルが低いといえるでしょう。
初心者用のプログラミング学習アプリがリリースされているのも、Swiftの大きな魅力です。
App Storeで提供されているプログラミング学習アプリ『Swift Playgrounds』は、パズルやゲームのような楽しいコンテンツです。
一見子ども向けのようですが、本物のコードを使って学習できます。気軽にSwiftの基本を学びたい初心者は、まずダウンロードから始めましょう。
Java
Javaは人気の高いプログラミング言語として、必ずといっていいほど名前が上がる言語です。ユーザー数は多く需要もありますが、コンパイラ言語で習得難易度は高めとされます。
大きな特徴である汎用性の高さと、Javaが難しいといわれる理由について解説します。
基本的に何にでも活用できる
Java最大の特徴ともいえるのが、用途が幅広いことです。Webサイト制作・アプリの開発から、住宅・車・家電製品の組み込みシステムまで幅広くカバーします。
Javaが動作するときは、OS上に仮想環境を構築します。ベースとなるOSの環境に依存しないため、クロスプラットフォームでの使用が可能です。一つのコードで、さまざまな場所に実装できます。
作ってみたいもの・やってみたいことが多くある人には、Javaを学習するメリットが大きいといえるでしょう。
覚えるルールが多く難易度は高め
Javaの特徴としてしばしば挙げられるのが、記述量の多さです。コンピューターに一つの指令を出すだけでも、多くのコードを必要とします。覚えることが多い分だけ、学習の負担は大きいでしょう。
『オブジェクト指向』の言語であるため、まずオブジェクト指向の考え方についての理解も欠かせません。これを理解しないまま学習を進めても、壁に当たってしまいます。
実際のところ、Javaを独学でマスターするのは現実的とはいえないでしょう。スクールやオンライン講座への参加が必要になれば、コスト面でも負担が増えます。
「絶対にJavaをマスターしたい」くらいの強い気持ちがある人におすすめの言語です。
C、C++、C#の違いは?
C言語は、1972年に登場した歴史あるプログラミング言語です。C++・C#といった多くの派生言語を生み出しており、今なお開発現場では第一線で使われています。
プログラミングへの理解を深めるため、C言語と派生語のC++・C#それぞれの特徴も簡単に知っておきましょう。
C言語
長い歴史を持つC言語は、社会の基幹システムにも多く導入されていて需要が高い言語です。
C言語が得意とするのは、機器の中にプログラムを組み込む『組み込み系システム』の開発や通信関連プログラムの開発、ゲーム・パッケージソフト・ロボットの開発などです。言語の汎用性は高く、しばしば大規模開発にも使われます。
C言語は機械語に近い分ソースコードが難解で、習得の難易度は高めです。とはいえ需要はまだまだ高く、習得のメリットは大きい言語といえます。
C++
C++はC言語の拡張版として、1983年に生み出された言語です。C言語との互換性が高く、開発現場ではしばしば二つの言語が併用されています。
C++の特徴は、オブジェクト指向がプラスされていることです。C言語よりも複雑なプログラムを作れるほか、開発効率が高いとされます。動作の安定性が高いことも大きなメリットで、小規模開発から大規模開発まで幅広いシーンで活用されています。
例えば、『Google Chrome』『Cocos2d-x』などは、C++で開発されたものの代表格です。
C++を学ぶには、オブジェクト指向への理解が必要となります。メモリ管理もプログラマー自身が行わなければならず、残念ながら初心者の手に負える言語とはいえません。
ある程度スキル・知識を身に付けてから学習を始めるのがおすすめです。
C#
C#は、主にWebアプリやゲーム・スマホアプリの開発に使われるプログラミング言語です。
C言語系には分類されるものの、C言語やC++との互換性はありません。文法はC++とJavaに近くシンプルで、C言語やC++よりは習得難易度が低いといえるでしょう。
また、C#はMicrosoft社が開発した言語です。Microsoft社が提供するツールを使えば、プログラミングの難易度が下がります。
例えば同社が提供する『Visual Studioシリーズ』は、開発に必要な環境構築をサポートするツールです。これをダウンロードすれば、初心者でもC#の開発環境を簡単に構築できます。
Visual Studio: ソフトウェア開発者とチーム向けの IDE およびコード エディター
構成/編集部