コカ・コーラの「ブーストエナジー」セグメントが年平均成長率プラス20%超
コカ・コーラが、ビジネスパートナーとしてX JAPANのYOSHIKI氏とタッグを組み誕生させた新製品「リアルゴールド X」「リアルゴールド Y」を、2022年5月16日(月)より全国で発売。それに先駆けて行なわれた新製品「リアルゴールド X/Y」発表会では、YOSHIKI氏も登壇。とても興味深い話が聞けたので、その様子をレポートしよう。
ロックの高揚感とクラシックの集中力にインスパイアされて誕生
発表会では、まず、日本コカ・コーラのマーケティング部スパークリングフレイバーズカテゴリー事業本部長の島岡芳和氏が登壇し、新製品誕生の経緯を説明した。
島岡氏によると、2021年のコカ・コーラのエナジードリンクカテゴリーの販売金額シェアは1.3ポイント上昇し、売り上げが拡大したという。
そして、コカ・コーラでは、エナジードリンクの市場を「ブーストエナジー」「スパークリングエナジー」「カジュアルエナジー」の3つに分類しているが、中でも頭や体をシャキッとさせたい時などに飲用する「ブーストエナジー」は、エナジー市場の約半分を占める巨大なカテゴリーとなっている。
さらに、この「ブーストエナジー」セグメントは、ここ3年間で年平均成長率でプラス20%を超える大きなカテゴリーとなっており、いまや炭酸飲料やコーヒーと並ぶ主要なリフレッシュ飲料として、若者を中心に定着しているという。
また、消費者が「ブーストエナジー」を飲用する理由として、気合いを入れたい時や気分をあげたい時の「高揚系の飲用場面」と、シャキットしたい時やここぞの頑張りの時の「集中系の飲用場面」の2つが挙げられると説明した。
この飲用場面に着目し、この2つのアイデアをインパクトを持って消費者に伝えるために、今回ビジネスパートナーとしてYOSHIKI氏とタッグを組み、エナジー市場の活性化を狙っていくのだという。
写真左から「REALGOLD X」500ml、350ml、250ml缶、REALGOLD Y」500ml缶
そこで、ロックの高揚感をイメージした「リアルゴールド X」とクラシックの集中力をイメージした「リアルゴールド Y」の2製品が誕生。その製品コンセプトには、強い意志でさまざまなことに挑戦し続けるYOSHIKI氏の“NOTHING IS IMPOSSIBLE.”(不可能なものはない)という熱いメッセージが込められているという。
なお、今後のコミュニケーションプランとしては、YOSHIKI氏と共同して強力な音楽プラットフォームを活用し、デジタルマーケテイングを駆使して積極的に展開をしていく予定だという。
YOSHIKI氏が語る“NOTHING IS IMPOSSIBLE.”とは
そして、いよいよYOSHIKI氏が登壇。まずは、今回の製品発表について感想を問われると「けっこう時間がかかったので、やっとここまでこれたんだなと感無量です」と答えた。
次に新製品のコンセプトについて説明を求められると以下のように語った。
「“NOTHING IS IMPOSSIBLE.”(不可能なものはない)という言葉は、僕の生き方であり、常に大切にしていた言葉なんですね。そして、誰もが道を切り拓く先駆者であり、自分の夢や目標に向かって挑戦し挑戦し続ければ、いつか必ず道は開けると信じてきた。そんな想いが、このリアルゴールド XとYを通して、みなさんに伝わるきっかけになればと思っています」
また、今回のプロジェクトにビジネスパートナーとして関わるきっかけや経緯について、以下のように話した。
「もともと僕は、日本コカ・コーラのホルヘ社長さんと仲が良かったんですけど、僕が日ごろから“不可能なものはない”から海外でも闘い続けているし、いつか必ず道を切り開くというようなことを言っていたら共感してくださったんです。そして、何か一緒にできることはないかと意気投合して、このプロジェクトがスタートしました。すると、すばらしいメンバーがたくさん集まっていただき、テイスティングはもちろんパッケージデザインなど、何度も試行錯誤を重ねてここまできました」
さらに続けて、ビジネスパートナーのあり方についてもコメント。
「僕はアメリカを拠点にしているのですが、向こうでは僕のようなアーティストとコカ・コーラのようなメジャーブランドとのビジネスパートナーとしての関係が、ここ最近はじまっているんです。それは単にコマーシャルやアンバサダーとして起用するというだけではなく、製品コンセプトからビジネスパートナーとしてお互いに関わること。それが革新的だと思っています。
もちろん、僕らアーティストは、楽曲だけを作っているのではなく、自分たちをブランディングしたりマーケティングしたりとプロデュースしていますので、こういったことに関われるということは、光栄でもありワクワク感があります。これは今後、こういったアーティストや企業とのビジネスパートナーとしての関係の連鎖がはじまるかも知れません」
そして、発売にともない、それぞれのコンセプトをイメージしてYOSHIKI氏が作曲したオリジナル楽曲の演奏動画についてもコメントした。
「実は、タイトルはまだ決めていないのですが、今回のリアルゴールド Xについては、ロックの高揚感というイメージ。リアルゴールド Yは、クラシックの集中力をイメージした楽曲を作りました。そしてWEB動画用の撮影では、それぞれドラムとピアノの演奏を楽しませていただきました」
■WEB動画 REAL GOLD X NEWエナジー篇(15秒)
■WEB動画 REAL GOLD Y NEWエナジー篇(15秒)
なお、今回公開されたWebムービーは、それぞれ15秒ずつというものであったが、会見では30秒の尺の楽曲が解禁された。さらに、この楽曲には、秘密の仕掛けが隠されているとのことで、その謎は5月16日の発売日に解き明かされるとのことだ。
発表会の最後にメッセージを求められたYOSHIKI氏は、以下のように締めくくった。
「このリアルゴールド X/Yを発表することができてとても嬉しい日です。本日はあくまで発表であって、スタートです。僕自身にとっても大きな挑戦になっていくと考えています。ぜひ皆さんにもこの製品を手に取っていただき、それぞれの挑戦をしていただけたらと思っています。
この製品コンセプトが、“NOTHING IS IMPOSSIBLE.”ということで、本当に全てのものが不可能でないとはわからないけど、まずチャレンジしてみなければわからない。最初からできないと諦めるのではなくて、とりあえず挑戦しよう。その挑戦する過程で必ず克服できる。
僕の音楽人生、まだ克服できてないものはたくさんあるけど、僕はそれでもずっと挑戦している。もうアメリカに行って30年くらい経ちますが、今だに負ける気がしない。30年前の自分から、徐々に壁を乗り越え、その度に強くなっている。そういった僕と同じように挑戦する方たちの背中を押してあげたいという意味を込めて誕生した商品です」
さて、今回のコカ・コーラとYOSHIKI氏とのコラボでで誕生した「リアルゴールド X/Y」についてだが、そのコメントからも推察できるとおり、ビジネスパートナーとして製品コンセプトから全てにわたってYOSHIKI氏が関わっていることが分かる。
こういった事例は、例えばスポーツ選手と関連する道具であったり、ミュージシャンと楽器などという組み合わせでは、近いものがあったかも知れない。ただ、これほどまでにビジネス的に対等かつ深く関わることは、あまりなかったように思う。
今後は、こういった信念を持ったアーティストや著名人などが、さまざまな企業とパートナーシップを組み生み出される製品が、続々と登場するのではないだろうか。
関連情報:https://c.cocacola.co.jp/real_xy/
取材・文/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)