DIYには、木材を組み合わせたり、好きな色に塗ったりするだけでなく、3Dプリンターを活用する手段もある。自身で設計したアイテムであらゆるライフハックを実践している高橋忍さんに、3DプリンターならではのDIYの楽しみ方を聞いた。
高橋 忍さん
ゲームエンジンの開発を手がけているUnity Technologies Japanで建築分野のプロジェクトマネージャーを務める。
初心者にも扱いやすい3Dプリンターはコレ!
高橋さんが使っているのは、FLASHFORGEの『Adventurer3』。コンパクトで省スペースなボディーのほか、成形台がケースに覆われているのが特徴。排気や騒音が少なく、樹脂の温度を保ちやすくて失敗が少ないそうだ。子供やペットがいる家庭でも安心。
生活や仕事を便利にする立体物を成形!
様々な角度でタブレットが置けるスタンドをはじめ、高橋さんがつくるものは多様。ガラスペン用のインク吸引台や『DIME』の付録を応用したアイテムも!
イメージをカタチにするまでのステップ
[STEP01]構想
どんなものをつくるのかアイデアをまとめる
高橋さんの場合、つくりたいものを考えるところから3DプリンターのDIYをスタート。身近にあふれる〝ちょっとした困りごと〟を解決したいという部分から着想を得るとか。「『ガラスペンのインク吸引をより安全に行ないたい』『仕事でも使用するVR機器をラクに収納したい』など、ふと思い立ったものを形にしています」(高橋さん)
[STEP02]採寸
デジタルノギスのほか定規や粘土も活用
アイデアをカタチにする際の採寸時には、複雑な構造でも測りやすく、計測表示が見やすいデジタルノギスを活用。方眼付きのカッティングマットの上に測りたいものを置いて写真を撮影し、それをソフトに読み込ませることでデータを作成することもあるそうだ。測るのが難しい曲面部分は、形状の型取りに油粘土も活用しているとか。
[STEP03]データ化
個人用途なら無料で使える便利な3Dソフトを使用
計測した数値はAutodeskの3Dソフト『Fusion 360』内のCADソフトに取り込み、3Dモデリングしていく。数ある機能のうち、使用するのはせいぜい10種類だという。「平面を立体化させたりくり抜いたりしてつなぎ合わせるのがほとんど。ほかの加工方法はYouTubeに紹介動画があるので、それを参考にしています」(高橋さん)
[STEP04]出力
成形後の用途を念頭に使う樹脂をチョイス!
出力の際、最初は印刷時間を短く設定のうえ、あえて粗く印刷し、大まかな出来上がりを確認する。基本的に一発で完成することがないためだ。なお、3Dプリンターで使用する樹脂素材は、耐熱性や強度が様々。キッチン周り用なら耐熱性を持つABS樹脂、ケースなど強度が求められるものにはPLA樹脂と、用途によって使い分けている。