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職場で見かける〝大人のいじめ〟どう対応すべき?

2022.04.20

学校現場で問題になることの多い「いじめ」ですが、大人の間でもしばしば見受けられます。

特に会社のオフィスなど、職場で横行する「いじめ」はパワハラにも当たり、被害者と加害者・会社の間で申告なトラブルに発展する可能性が高いです。

今回は、職場でよく見られるいじめのパターンや、職場でいじめの被害を受けた場合の相談先、会社が職場におけるいじめを把握する方法などをまとめました。

1. 職場でよく見られるいじめの例

職場で陰湿な「いじめ」が行われている例は、会社の規模の大小を問わず散見されます。

職場でのいじめにはさまざまなパターンがありますが、その多くはパワハラに該当する違法行為です。いくつか例を見てみましょう。

1-1. 大勢の従業員がいる前で過剰に叱責する

仕事を教える、同じミスを繰り返させないなどの目的で、上司が部下に対して指導をすること自体は必要です。しかし、業務上必要かつ相当な範囲を超え、あまりにも酷いやり方で部下を指導した場合、それはもはや「いじめ」と評価すべきでしょう。

例えば、大勢の従業員がいる前で不必要に怒鳴りつけたり、他の従業員も参加しているメーリングリストに口汚い叱責メールを送信したりする行為は、上司の部下に対する指導として行き過ぎです。このような行為は、パワハラの一類型である「精神的な攻撃」に当たると考えられます。

1-2. 部署内で仲間外れにする

部署内の従業員が示しを合わせて、特定の従業員を意図的に仲間外れにする行為は、学校現場などでも見られる典型的な「いじめ」です。

職場で特定の従業員を仲間外れにする行為は、パワハラの一類型である「人間関係からの切り離し」に該当します。人間関係からの切り離しは、上司が主導して行われる場合のほか、被害者と対等なはずの同僚が集団で行う場合もあります。

1-3. 単純作業ばかりやらせて、能力発揮の機会を奪う

仕事に対しては、賃金を受け取ることのほか、自分の能力を発揮して自己実現を図ることに価値を見出している方も多いでしょう。しかし、上司による仕事の割り振り方によっては、従業員が仕事を通じて能力を発揮する機会が奪われてしまいます。

例えば管理職を務める能力のある従業員に対して、誰でもできる単純作業の仕事しか与えないようなケースがわかりやすいでしょう。正当に能力を評価せず、上司の好みによって従業員を「窓際」に追いやることは、「いじめ」と評価されても仕方がありません。

従業員の能力に見合った仕事を与えず活躍の機会を奪うことは、パワハラの一類型である「過小な要求」に該当します。

1-4. プライベートな情報を勝手に暴露する

家族関係・交際関係・金銭事情・過去の経歴など、従業員のプライベートな情報を勝手に暴露して、社内における本人のイメージを低下させようとする「いじめ」行為も散見されます。

従業員のプライベートを過度に詮索したり、本人に無断で他の従業員に暴露したりする行為は、パワハラの一類型である「個の侵害」に該当します。

2. 職場でいじめを受けた場合の相談先

職場でいじめの標的にされてしまった場合、ご自身だけで状況を改善することは困難です。職場でのいじめ・パワハラに関しては、以下の窓口に相談して解決を図りましょう。

①社内のパワハラ相談窓口等

ある程度規模の大きな会社であれば、各部署から独立したパワハラ相談窓口が設けられていることが多いです。パワハラ相談窓口がきちんと機能していれば、外部の窓口に相談する場合よりも機動的に対応してもらえる傾向にあるので、一度相談してみるとよいでしょう。

②総合労働相談コーナー

都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている「総合労働相談コーナー」では、労働問題に関する相談全般を受け付けています。いじめ・パワハラへの対応についても、客観的な立場からのアドバイスを無料で受けられます。

参考:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

③弁護士

いじめ・パワハラによって被った精神的損害については、加害者や会社に対して損害賠償を請求できます。損害賠償請求を行う際には、示談交渉や訴訟等への対応を弁護士に依頼するのがよいでしょう。

3. 会社が社内のいじめを把握するためには?

労働施策総合推進法(パワハラ防止法)30条の2第1項に基づき、会社は職場でのパワハラ発生を防止するため、雇用管理上必要な措置を講じる義務を負っています。職場でのいじめもパワハラに当たり得る以上、会社はいじめ対策についても真剣に検討すべきです。

会社が適切にいじめ・パワハラ防止の措置を講じるためには、職場でのいじめ・パワハラの実態をタイムリーに把握しなければなりません。そのためには、経営陣が現場担当者と緊密にコミュニケーションを取り、現場の実態についての情報収集を図ることが大切です。

ただし、現場担当者の経営陣に対する報告では、いじめ・パワハラの事実が隠蔽されているケースも想定されます。そのため、経営陣が抜き打ち・不定期に現場を視察し、いじめ・パワハラを窺わせる事情がないかをチェックするように努めるべきでしょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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