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すぐに辞める新入社員、愛想を尽かす働き盛り世代、大量離職時代に人材を定着させるヒント

2022.04.17

人材の確保は「採用+定着」セットで考える

昨年から「大退職時代」あるいは「大量離職時代」(The Great Resignation)というワードをよく耳にするようになった。アフターコロナで景気が回復しつつある欧米では、大量の自主退職が発生しているという。

アメリカでは自主退職率が過去最高水準となり、マイクロソフトが発表したレポート(2021 Work Trend Index)では「40%以上の人が離職を検討している」という恐ろしい結果も。

コロナ禍で経験した労働環境の大きな変化を受け、今までの働き方を再考している人が増えていると言われている。景気が良くない時は自発的な退職は少なくなる傾向にあるので、日本でも同様となるのかはまだわからない。

アイデムの研究部門では、「なぜ新入社員はすぐに辞め、働き盛りは会社に愛想を尽かすのか?」というテーマでニュースレターを発行したので、気になる概要をお伝えしよう。

定着しない理由は離職の時期で判断できる?

離職率の出し方にも様々あるかとは思うが、入社した社員がどのくらいしてから辞めるのか、感覚値ではなく、数値として捉えてみると見えてくるものがある。

七五三現象と呼ばれている、新規学卒者の3年離職率を表す統計結果がある。中学、高校、大学の新規学卒者が、それぞれ3年目で離職してしまう割合が、おおよそ中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割という結果から来ている。「3年で3割、5割が離職してしまう」皆さんは多いと感じるだろうか。

しかも離職の理由、退職者の本音も聞けているのか、不明なことも多いのではないかと思う。では、なぜ離職するのだろうか。表1は、求人サイト「イーアイデム」を利用した求職者へのアンケートの結果だ。

今まで退職経験の中で、最も早く辞めた時の勤続期間と、その理由について聞いたもの。辞めた理由で最も多いのは「結婚、出産、育児、介護、看護」26.5%、次いで「職場の人間関係に問題があった」が23.4%と続く。

ライフイベントと重なり、仕方なく辞めざるを得ないことも多いよう。そして、もう一つ目立つのは「人間関係」。正社員であっても仕事の内容というよりも、人間関係で仕事がし辛くなるという理由が多いのは、やるせない話でもある。

この結果をもう少し詳しく見てみよう。表2は、退職理由を、退職までの勤続期間別に分類した結果だ。

3か月未満、6か月未満といった、正社員にしてはかなり早期に離職した場合、全体では下位だった「事前に受けた説明と実際の仕事内容が異なった」「体力的に厳しいと感じた」「能力・実績に見合った評価がされなかった」といった理由が上位に挙がってくる。

特に「事前に受けた説明と実際の仕事内容が異なった」という離職理由は深刻で、採用の手法に大きな問題が潜んでいる。求人情報や面接を経て、仕事内容や待遇の説明を受けて入ってきたにもかかわらず、入社してみたら全然違っていたということだ。

求職者からしてみるとまさに「騙された」と感じることもあるのではないだろうか。

定着しないのは、定着を考えた採用をしていないから

このようなことがどうして起こるのだろうか。それは「定着を考えた採用を行っていないから」ということが多いようだ。

人材不足に苦慮している企業では

・応募がなければ採用できない
・良い人を採るには、たくさんの候補者の中から選びたい

という心理が働いている。

企業としては求職者を騙すつもりはないのだろうが、応募者が減るようなことはなるべく隠したい、良いところを強調したいという心理が働く。

少し大げさにいうと、採用は企業(採用したい能力)と求職者(給与や自己実現)のニーズのマッチングということを抜きにして、多くの応募者を確保し「採用」したい、というところのみに集中してしまっているのだ。

求職者は、新しい職場に対して大きな希望を抱いている。転職であれば、転職の理由となった事柄の改善や発展に。新卒であれば、これからのビジネスパーソンとしての自分に。

自分の思い描いていたものと違った場合は、早急な軌道修正が必要になると考えることは当然のことだろう。

早期離職を防止する2つの方策

現在では、多くの企業でR.J.P(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)理論の考え方を取り入れた採用活動を行っている。現実的な仕事情報の事前開示、つまり、良い面ばかりでなく、大変なところ・厳しい現実も含めて事前に伝えることに取り組んでいるのだ。

以前と違い、自社WebサイトやWeb求人サイトでは、より多くの情報を盛り込めるようになり、より詳細に伝えることができるようになってきており、インターンシップ・体験入社など、リアルに仕事や職場を体験する機会を設けることもできる。

このような取り組みが、求職者の入社前後のギャップを少なくし、早期離職を防止に貢献するのではないだろうか。

もう一つ、早期離職を防止する手段として最もポピュラーなのは「新入社員研修」だ。主な目的は「学校(学生)」というコミュティから「ビジネス(会社員)」という新しいコミュニティへの移行を円滑に進めること。

企業側が採用の段階で様々な工夫をしたとしても、学生社会からビジネス社会への参加のリアリティショックも大きいものがある。

図2は、先に紹介した七五三データを1年ごとの離職率に分けたものだ。離職率は1年目が最も高く、2年目、3年目と低下していく。さらに、大学卒業者と高校卒業者で大きく異なるのは、1年目離職率の差。2年目3年目は大きな違いはない。

社会経験の差が大きく影響しているようにもうかがえる。入社直後のリアリティショックを「いかに軽減していくか」がとても重要で、この時期の丁寧な教育が早期離職を防止し、定着を高めるかの分かれ道になりそうだ。

新入社員研修に代表されるこのような施策は「オンボーディング」と呼ばれ、自社の文化に早くなじんでもらう手法として中途採用等にも活用されるようになってきている。

若手、働き盛りはなぜ辞めていくのか

わが社はあまり早期に離職する社員はいないな、といっても安心はできない。冒頭述べた通り、労働環境は刻々と変化している。日本も例外ではないかもしれない。

景気が回復し、人材獲得競争がより激しくなれば、社員の胸の内に潜む転職願望が発火しないとも限らない。

早期離職はリアリティショックが大きな原因であった。先に紹介したアンケートでは、リアリティショックに直結する要因以外では、「職場の人間関係」と回答する人が最も多くなっている。

他には「仕事と賃金が見合わない」や「仕事量やそれに伴う責任が重すぎた」「仕事に興味が持てなくなった・失った」など、評価や仕事そのものに関連するものが目立つ。「聞いていた条件と違った」のような根本的な労働条件の相違は、早期離職へとつながる。

一方、社員が思う、「自分自身へのキャリア形成に関する支援」「成長実感」、「仕事への適正な評価」これらは、マズローでいえば自己実現欲求・承認欲求に、マグレガーでいえば動機づけ要因だ。

上記の自己実現欲求や動機づけ要因は、不十分でも早期離職にはつながりにくい傾向にある。しかし、仕事や会社へのロイヤリティは低下し、成長意欲の高い優秀な社員ほど、幻滅し、じわじわと浸透し、ゆくゆくは退職していくことになるだろう。

これらは、直属の上司がフォローできる場合が多いのではないだろうか。人材育成、部下の管理(モチベーション等含む)は、ミドルマネジメント層にとって重要な仕事のうちの一つ。だ

この課題を解決するためには、経営者として、ミドルマネジャーの実務的な負担を軽減し、業務のマネジメントや部下指導・育成に十分取り組めるような環境を組織的に整備する、ミドルマネジャーへのOJTへの制度的支援を行う、自律的な成長を支援するためのOFF-JTを強化していく(経団連「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」より)とも言われている。

大雑把にいえば、ミドルマネジャーが部下とよくコミュニケーションをとり、進捗管理をすること。進捗管理といっても一つ一つ進行管理を行うということではなく、部下がどのような状況にあり、どんな心境なのかを把握し、ねぎらい、評価していくということだ。

同社の調査でも、マネジャーとのコミュニケーションが不足している場合、信頼関係も薄く、仕事へのモチベーションや会社へのロイヤルティが低いという結果も。反対にコミュニケーションが良好な場合はその逆の結果となっていた。

人材の確保は「採用+定着」セットがお得

今まで見てきたように、早期離職が多い原因は採用時の“情報のミスマッチ”(こんなはずじゃなかった)というもの。その後の退職は“コミュニケーションのミスマッチ”といえる。

企業にとって人材を確保するということは、“採用すること”だけではない。良い会社(職場)づくりを行い、人が定着する職場ができてこそ、人は呼び寄せられてくるものだろう。

図3のグラフは転職した人が「どのようなルートで就職したか」の統計だ。なんと、縁故・社員の紹介で入社したと回答した人が4分の1も。

社員の紹介で入社する人はどのくらいいるだろう。「自分の会社は良い会社だから、一緒に働かない?」と言ってもらえる会社となっているだろうか。

採用は定着をセットで考えなければうまくいかない。逆に定着する職場づくりを実行していけば採用に困ることは無くなる。採用と定着はセットがお得だろう。

関連情報:https://www.aidem.co.jp/

構成/Ara

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