脱使い捨ての炭酸飲料対応ボトルに関心高まる
炭酸水をはじめ、炭酸石鹸や炭酸シャンプー、炭酸美容液などなど健康や美容に役立つと人気の炭酸。中でも炭酸水を飲むことは、胃腸の血管を拡張させ胃粘膜にも刺激を与えるため、腸内環境を改善してくれるといわれている。
また、炭酸水を摂取すると、血中の二酸化炭素濃度が上がりより多くの酸素を運ぼうと血行が改善。肩こりや冷え性の解消、疲労回復も期待できるという。さらに、炭酸ガスにより胃が膨れて満腹感が得られるため、間食や暴飲暴食を防ぎながらダイエットにも効果的なのだとか。
そんな昨今の炭酸飲料の人気に応え、炭酸飲料に対応した保冷密封ボトルを大手国内メーカーが次々に投入した。
タイガー魔法瓶とサーモスから次々に登場
まず、今年の1月21日にタイガー魔法瓶から登場したのが、炭酸飲料対応の真空断熱炭酸ボトル「MTA-T050/080/120/150」。
同商品では、キャップ開栓時に炭酸ガスが抜けてふきこぼれや飛び散りを防ぐ「炭酸ガス抜き機構」や、万が一、ボトル内の圧力が異常に高まった際、炭酸ガスが自動で抜ける「安全弁」を備えた独自の「Bubble Logic(バブル ロジック)」を採用。冷たい炭酸飲料を、結露することなく安心して長時間保冷できるようになっている。
さらに、ボトルの内面に凹凸が少ない独自の加工「スーパークリーンPlus(プラス)」が施されているので、加工なしのものに比べて炭酸の気化を抑えるほか、ニオイや汚れもつきにくい。容量は、0.5L、0.8L、1.2L、1.5Lの4サイズが用意されている。
https://www.tiger.jp/product/bottle/MTA-T.html
そして3月1日には、ステンレス製魔法びんのパイオニアとして世界中で愛されているサーモスから「保冷炭酸飲料ボトル FJK-500/750」が登場。
実はサーモスでは20年以上前となる2000年に「真空断熱イージーキャップボトル FDD-500」という炭酸対応の製品を発売したことがある。この商品は、2004年まで販売されたのだが、少しばかり登場が早過ぎたのか、あまり売れ行きがぱっとしなかったという。
今回、新たに登場した商品は、同社で人気のスープジャーを参考に新構造のフタを開発。せん本体に設けた圧力開放穴が開栓時と内圧が高まった時に圧力を逃がすように設計されており、フタを少し回すと圧力が抜け、さらに回すとフタが開くという2段階構造を採用している。
こうすることで、炭酸が吹きこぼれにくくなっているほか、もし圧力開放穴が機能しなくなった場合でも、左右2か所に設けた溝から圧を逃がせる2重の安心設計となっている。容量は、0.5Lと0.75Lの2サイズを用意した。
https://www.thermos.jp/product/list/sports.html
炭酸飲料対応ボトルは数年前に登場していた
国内メーカーから続々と登場した炭酸飲料対応ボトルだが、実は海外メーカーからは数年前より登場していた。
■「RevoMax 2」
海外のヒット商品を国内で展開するヴェルサイユトレーディングが、2018年11月7日より発売したのが、炭酸やビールにも使えて抜群の保温・保冷力を持つ真空断熱ボトル「RevoMax 2」。この商品は、特殊構造のキャップにより、炭酸やビールを入れても開封直前に絶妙にガス抜きができるバルブを搭載。これにより密封性を落とすことなく、液漏れや吹きこぼれの心配がないという。
■「FLSK」
さらに、2018年6月にはMakuakeで支援金1000万円超えを達成したドイツ生まれの水筒「FLSK(フラスク)」が、一般販売を開始。同商品は、スタイリッシュな見た目だけではなく、メーカー独自のテクノロジーで世界最高水準の保温力を持ち、メーカー調べで保温18時間、保冷24時間の機能を有している。もちろん、頑丈な漏れ防止のボトルキャップのおかげで、お茶や水だけでなく炭酸類もOKだ。
このほかにも家庭用炭酸水メーカーで人気のソーダストリームが、保冷機能はないものの専用ボトルを販売していたりと、炭酸飲料は持ち運ぶ時代に突入している。仕事やプライベート、アウトドアなどに自分の好きな炭酸飲料を持ち運べばいつでも手軽に気分転換できるだろう。さらに、脱使い捨てによるSDGsへの貢献にもつながるため、これからのマイボトルは炭酸飲料の対応が一般化するかもしれない。
取材・文/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)