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お値段266万円!キヤノンの激アツ超望遠レンズ「RF1200mm F8 L IS USM」で未知の画角を体験

2022.04.06

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

重量3.34kgで1200mmを実現

カワセミ撮影を続けていると、標準レンズが600mm、望遠が800mmという感覚になってくる。では超望遠と言えば1200mmである。実際、400-800mm相当のズームレンズに1.4倍のテレコンを付けているので、560-1120mm相当で撮影している。

今回、EOS Rシリーズに対応したミラーレス用の1200mm800mmが新製品として登場する。どちらのレンズも重量3kg台で手持ち撮影も可能、まあ人によると思うが、カワセミ撮影は待ち時間が長いので一脚か三脚は必須となる。さらに1.4倍と2倍のテレコンが使えるので最大焦点距離は2400mmになる。開放絞り値はF16だが鳥認識AFはちゃんと働くのだろうか。ということで4月中旬にこのレンズを借用しての検証が決定。

第1回 SONY「α1」編はコチラ
第2回 Canon「EOS R3」編はコチラ
第3回 Nikon「Z9」編はコチラ

手前がRF800mmで奥がRF1200mmである。1200mmのコンパクトさ実感できる

元祖1200mmは重量16.5kg、価格は980万円だった!

Canonの1200mmは約30年前に銀塩一眼レフ用として「EF1200mm F5.6L USM」として登場していた。スタジアムのバックスクリーンからバッターの姿を画面一杯に捉えるために使われたレンズだ。当時のAF機能が作動する限界の開放絞り値であるF5.6を実現させたため重量は16.5kgの超ヘビー級になった。両手で持ってもズシリと重く、専用の台座がなければ撮影不可能なモンスターレンズである。

今回の「RF1200mm F8 L IS USM」は明るさをF8に抑えて、重量3.34kgと手持ち撮影できるほど軽量化を果たしている。予想実勢価格約266万2000円と現実的な値段に抑えられ、受注生産でなくなった。

キヤノン本社に永久保存されているという幻の「EF1200mm F5.6L USM」が登場

新旧レンズを並べてみるとRF1200mmがいかに小型化されたかが分かる

100mmから2400mmまで、画角の違いを比較しよう

それでは早速、1200mmの実力を拝見。三脚を使って窓越しにビルを撮影。画質よりも画角に注目していただきたい。比較のために100mmからスタート、その後、400mm、600mm、800mm、1200mmと続き、1.4倍と2倍のテレコンを1200mmに装着した。ピントはAFで合わせている。

800mmを超えると望遠効果でググッと遠近感が圧縮され、肉眼では見えなかった世界が広がる。さらに望遠になるとかなり遠距離にあるビルなので空気の揺らぎのせいかザラザラした粒子感がある。実際の画質はカワセミで確認したいと思う。2400mmではわずかな動きで被写体を見失いそうになる。天体望遠鏡を見ているような感じだ。これを使いこなすのはさすがに難しそうだ。普段は見られない未知の画角に触れて、まさに目からウロコが落ちる体験だった。

100mmで撮影、左のクレーンのとなりにあるビルを被写体に選んだ
Canon EOS R5 RF100-400mm F5.6-8 IS USM 1/200sec、F8、ISO100

400mmでは切れ味のいい描写が得られた。ビルが中央に現れ主役感が出た
Canon EOS R3 RF400mm F2.8L IS USM 1/800sec、F5、ISO100

超望遠600mm、一般の人には馴染みのない画角になってくる
Canon EOS R3 RF600mm F4L IS USM 1/800sec、F7.1、ISO200

超望遠800mm、開放絞り値はF5.6と暗くなってくるがミラーレスなら問題ない
Canon EOS R3 RF800mm F5.6L IS USM 1/1000sec、F7.1、ISO250

超望遠1200mm、開放絞り値F8になるが描写は意外に柔らかく感じる
Canon EOS R3 RF1200mm F8L IS USM 1/1000sec、F8、ISO400

超望遠1680mm相当、テレコン使用にて撮影、解像度は高いままだ
Canon EOS R3 RF1200mm F8L IS USM 1/1000sec、F16、ISO1600

超望遠2400mm相当、テレコン使用にて撮影、エアコンの室外機までハッキリ見える
Canon EOS R3 RF1200mm F8L IS USM 1/1000sec、F16、ISO2000

写真・文/ゴン川野

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