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Zシリーズ初の超望遠ズームレンズが登場!ニコン「Z9」と「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」でカワセミ撮影に挑戦

2022.03.22

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

待望のZシリーズ初超望遠ズームレンズが登場!

Nikonのカワセミ撮影用ミラーレスと言えば、「Z 9」で異論はないだろう。電子シャッター化によって1/32000秒の高速シャッター速度を実現。高速連写20コマ/秒、オートエリアAFは犬、猫、鳥の頭部、瞳、全身を認識する。またZシリーズで初の3D-トラッキングを搭載して前後に移動する被写体を捉え続けるという。

ボディは決まったのだが、レンズが難しい。70-200mmに2倍のテレコンを使っても最大400mmにしかならないし、絞りは2段暗くなる。そこに登場したのが「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」である。単焦点の400mmF2.8も登場したが、税込200万円超えの価格と重さ約3kgが問題である。今回は100-400mmのテレコン無しで撮影することに決めた。テレコンを付けると開放絞り値がF11になりカワセミ撮影には厳しいと判断したのだ。

第1回 SONY「α1」編はコチラ
第2回 Canon「EOS R3」編はコチラ

タテヨコ4軸チルト式液晶モニターを搭載したZ 9は重量約1340gとミラーレスとは思えないヘビー級

AFの設定は動物優先で3DトラッキングまたはオートエリアAFを使用した

「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」は2つのFnボタンを搭載、重量は三脚座なしで1355gと軽量化されている

液晶画面には絞り値、撮影距離、焦点距離などがボタンを押すごとに表示される

プロの信頼が高いKANI「UV IR CUT」フィルターを装着

銀塩からデジタルカメラになって、すたれてしまったのがレンズフィルターである。モノクロームからカラーフィルムへ、そしてデジタルとなり必要なフィルターは少なくなり、現在、最もよく使われるフィルターは保護フィルターと偏光フィルター、そして動画撮影ではNDフィルターが再び脚光を浴びるようになった。

しかし、一度、下火になってしまったフィルターはなかなか高品質の製品が手に入りづらくなっている。そこで注目して欲しいのが「KANI」フィルターである。満足できる製品がないため自らメーカーを立ち上げたというベンチャー企業にありがちなストーリーを持つKANIブランド。カメラマンにも支持される高品質と対応力の広さがポイントで、特に角型フィルターが有名である。輸入元のロカ・デザインの取材協力が決まり、今後、角型フィルター特集を予定している。

「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」に装着できる77mmサイズの「UV IR CUT」を借用できたので、保護フィルターとして撮影に使用した。以前からUVフィルターは紫外線をカットして遠景をクリアーにする効果が知られていた。これに加えて700nmより長い波長の赤外線をカットする効果を持つのが「UV IR CUT」である。望遠レンズ向きで色が変わるなどの影響はないとのこと。実際のテスト撮影でも色調の変化はなかった。

ドイツ製のSCHOTT社のフィルターガラスを採用して高い撥水・撥油性能を有する

ねじ込まずにワンタッチでレンズに装着できる「クイック リング」をフィルターに装着

フィルター径に合わせた薄いラバー状のリングにより、押し込むだけでフィルターを固定できる

3Dトラッキングで捉えたインコの飛翔。肉眼では動きが速く、その色まで視認できなかった
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/8000sec、F5.6、ISO450

1/10000秒で捉えた飛び立とうとするカモ。水滴がビシッと静止して見える
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/10000sec、F5.6+0.33、ISO12800

遂にカワセミを発見。時刻は15時で陽射しは弱いが、Nikon独自の深みある発色が得られた
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/5000sec、F5.6-0.33、ISO12800

今回のベストショット。飛び立つ瞬間のカワセミを連写した1枚、鳥認識AFが追尾を果たした
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/2500sec、F4.8、ISO10000

枝の先端に止まるカワセミ。400mmで絞り開放、背景がボケて被写体が浮かび上がった
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/2500sec、F5.6、ISO5000

弾丸のように飛び立つカワセミ。3Dトラッキングを使っていないがAFは追従している
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/2500sec、F5.6、ISO5000

さらに羽ばたいたところをトリミングした。1/2500秒では羽根の動きを完全に止められない
Nikon Z 9 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 1/2500sec、F5.6、ISO5000

2600枚撮影、高感度に強いZ 9に救われる

Nikon「Z 9」に100-400mmのズームを付けて、撮影開始するもカワセミは現れず。場所を移動して12時に第2ポイントに到着、諦めかけた15時にカワセミが現れた。暗くなってきているためISO12800まで上げても、1/10000秒は切れない。シャッター速度を遅くしての連写となる。連写速度は最大約20コマ/秒とライバル機よりやや遅い。今回はフルサイズ優先でハイスピードフレームキャプチャ+は未使用である。条件は悪かったが、Z 9は高感度に強く色のりも良かった。EVFの見え方も抜群で、何度か着水のチャンスを掴んだのだが、AFが追従されないことがあった。3DトラッキングよりもオートエリアAFの方が追従性は良いという印象を受けた。もっと明るければ違ってくるのかもしれないが、鳥認識をうたうなら、もう少しAFが粘って欲しいところだ。

CFexpress TypeBカードを使ってJPEGのFINEモードで記録すると、1枚あたり20MBから37MBと記録容量が他メーカーよりも大きく、PCへの転送にも時間がかかった。ボディとレンズを合わせた重量は約2.7kgあり、かなり重量級だが望遠端が400mmしかないのが、カワセミ撮影には厳しい所だ。Nikonのミラーレスでカワセミシステムを考える場合、Zマウントの超望遠レンズが存在しないことが最大の問題で、その点は今後に期待するしかない。

写真・文/ゴン川野

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