固定資産税額の調べ方
土地・家屋を購入する予定がある場合、高額な固定資産税を支払えるか不安という人は多いでしょう。抜かりなく準備しておけるように、固定資産税額を調べる方法を紹介します。
固定資産税納税通知書で確認
固定資産を所有している人は例年『4~6月ごろ』になると、自治体から『固定資産税納税通知書』が送られてきます。同封されている課税明細書を見れば、固定資産税評価額や課税標準額の確認が可能です。
納税通知書は1~4期に分かれており、それぞれに支払期限が設けられているので注意しましょう。4回に分けて納めるほかにも、全期分を一括で納められるようになっています。
万が一、課税明細書を紛失してしまっても、市区町村の窓口へ行って固定資産課税台帳を見れば、固定資産税評価額を確認できます。固定資産の所有者や家族以外に、所有者から委任を受けた代理人も閲覧可能です。
新築住宅の場合は決まっていないことが多い
中古住宅とは違い、新築住宅には固定資産税を支払った実績がありません。評価額のもとになる『家屋の調査』を終える前の状態では、はっきりとした税額は分からないのです。
正式な額が判明するのは、住宅の完成後になります。これから購入する新築住宅の固定資産税を知りたいときは、不動産会社やモデルハウスの担当者に問い合わせてみましょう。
予測できる固定資産税額を教えてもらうことができれば、ある程度の目安にはなるはずです。概算ではあっても、あらかじめ用意しておければ安心でしょう。
固定資産税が変動するタイミング
固定資産の価値は、さまざまな要因で変化します。土地・建物の利用価値が下がったときに、税額が高いままでは不公平が生じるので、見直しの機会が設けられているのです。
どんなタイミングで変化するのか、見ていきましょう。
3年ごとに評価替えを実施
固定資産税の額を決めるもとになる『固定資産税評価額』は、総務省が定める固定資産評価基準をもとに、3年に1度見直さなければなりません。この制度を、『固定資産の評価替え』といいます。
建物がある土地の価値が下がった場合や、経年劣化により建物の価値が下がった場合などに、所有者の負担が減るように再評価しているのです。
2021年度は、新型コロナウイルスの流行で経済活動に打撃を受けたことに配慮し、価値が上がった土地であっても税額を据え置きにする措置が取られました。このように、社会情勢によっても変化することがある点も押さえておきましょう。
参考;川崎市:固定資産の評価替えとは何ですか。
参考:総務省|地方税制度|固定資産税の令和3年度評価替えへの対応
参考:令和4年度国土交通省税制改正概要|国土交通省
固定資産税は下がるとは限らない
建物の固定資産税は、年数を重ねれば必ず下がるわけではありません。建物の評価額は、同じ建物を再び立てたときにかかる『再建築費用』をもとに算出されます。
建築後に建築材料費・人件費などが高くなった場合は、当時と全く同じものを作ろうとしても同じ費用では作れません。経年劣化して評価が下がった分を差し引いたとしても、評価額が下がらない状態になってしまうことがあるのです。
また、大規模な補修工事やリノベーションを行った場合も、建物の価値が上がるので固定資産税が増加することがあります。
「築年数が増えたから、固定資産税が大きく下がるのではないか」と期待していると、思わぬ失敗をしてしまうことがあるので、固定資産税の代金は余裕を持って用意しておいた方がよいでしょう。
構成/編集部