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仕事の段取りが悪い人が無意識にやっているNG習慣

2022.03.04

人から「段取りが悪い…」と言われてしまった経験はないだろうか。また、「資料作りにとてつもなく時間がかかる」「段取りを考えていると悩んでしまい、なかなか仕事に着手できない」「周囲が求めている優先事項と折り合わない」といった悩みが起きることも。

これらの原因はどんなことにあるのか? 仕事の段取りが悪い人が無意識にやっているNG習慣と改善策を、仕事の段取りに詳しい研修講師に聞いた。

段取りが悪い人のパターン4選! その習慣に潜む原因とは?

今回は、仕事の段取りが悪い人の典型パターンを4つ挙げた。これらがすべての原因とは限らないが、よくあるパターンではある。まず、これらの段取りの悪い差はなぜ起きるのか、その原因について株式会社リクルートマネジメントソリューションズのマーケティング営業部長で、段取りに関する研修講師も務める坂井直純氏に聞いた。

【取材協力】

坂井直純氏
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
マーケティング営業部 部長
およそ15年に亘り、マーケティング及び商品開発に従事し、中期事業計画策定、新商品開発、新規アライアンス締結、全社プロジェクト等のマネジメントを経験。西日本、東海地区の営業部長を経て、現職。研修講師としても活動。
https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/S00117/

1.仕事の順番をたびたび間違える

【このタイプの特徴】

器用で細かい仕事は得意だが、段取りが悪いと言われる。「あ、こっちが先だった」とやる仕事の順番を間違える。

「順番を間違えて仕事をする方は、目の前の仕事に目が行きがちで、自分自身の仕事や役割、スケジュールを客観的に俯瞰してみる力が弱い傾向があると言えます。

このような状況を解消するためには、まず自分自身の職場における役割を正しく認識することです。その上で、一定期間の間に実施する仕事をすべて明らかにして、いつまでに何をやらなければいけないか?といった全体像を頭に入れてから、仕事に取り組むことが大事です。

そして、人は常に一つのことしかできないという前提に立って、取り組まなければならない仕事と、自身のスケジュールを明確にしたうえで、仕事の優先順位をつけます。

こうしたことがうまくできないという方は、上司との定期的な面談や1on1の場等を設定して、他者から客観的にフィードバックをもらうことで、自分の現状を再認識してみましょう」

2.資料作りにとてつもなく時間がかかる

【このタイプの特徴】

資料を一度作り始めたら途中でおかしいことに気づき、初めからやり直すことが多い。

「このケースは5W1Hで仕事を捉えていないことが一番の要因です。資料づくりにおいては、まず『WHY』すなわち『何のためにつくる資料』なのかを明らかにすること。その上で、資料には『WHAT・WHERE』である『何を伝えるために、どのような構成にするのか』を明確にします。これらを明らかにした上で、本でいう目次や絵コンテのようなものを最初につくりましょう。私がよく行っているのは白紙に16の四角を書いて、そこに資料に入れる内容を書き込んで思考の整理をすることで、ストーリーラインを明確にするのです。

そのうえで、WHO『誰』にWHEN『いつ』届けなくてはいけないかを考え、資料を見る相手や、プレゼンテーションの場を考えます。さらに、HOWとなる『具体的に伝える内容や伝え方』を明確にしてから資料作成に取りかかるようにします。

この考え方は、資料づくりだけでなく、会議や商談の設計においても活用できますので、ぜひ取り入れてみてください」

3.段取りを考えていると悩んでしまい、仕事に着手できない

【このタイプの特徴】

段取りを考えていると悩んでしまい、なかなか仕事に着手できない。だからまず着手するようにしている。ただ、想定外の部分も多く、結局、やり直しなどで時間がかかることもある。

「こうしたケースでは、まずは悩んでいる時間を最小限にすることが重要です。人は誰でも悩むものですが、悩んでいる時間≒仕事をしていない時間、とも言えます。まずは『悩む』のではなく、『考える』という思考プロセスへ転換しましょう。そして何を『考える』のかというと、前述の5W1Hで仕事を捉えなおすということです。そのうえで、わからないことがあるのであれば、確認してから段取りをしていきましょう。

そして、このようなケースが起こりやすい人は、仕事や経験から学ぶという習慣が身についていない傾向が強くあります。想定外のことと自分では思っているものの、経験から学んでいる人にとって、それらは想定内であったりします。大事なのはPDCAサイクルを意識し続け、どのような仕事でもアウトプットと時間とリスクを明確にした上で仕事に着手する。さらに『仕事そのもの』『周囲への影響』『自身の能力』の3つの観点で、仕事を振り返る習慣を身につける。こうすることで、同じようなあやまちを繰り返さないビジネスパーソンに転換できます」

4.周囲が求めている優先順位と違っていることが多い

【このタイプの特徴】

周囲が求めている優先事項と自分の優先事項に折り合いがつけられない。周囲から急かされても自分の優先事項を優先させないと仕事がうまくいかない気がする。

「こうしたケースは、組織視点で仕事を見る力が弱く、ついつい自分主語で仕事をみてしまう傾向が強い方に顕著にあらわれます。

このタイプの方は、まず組織の中の自分ということを念頭におき、自分自身の現在の組織における位置付けや期待について考えてみましょう。そのうえで一度すべての仕事をポストイットなどに書き出してみて、その仕事の位置付けや重要度を、仕事を依頼してきた方の立場や会社視点で考えるということをしてみてください。当然、影響範囲が大きなものは優先度が高い仕事になります。

また、影響範囲を考える際には内部視点で考えるのではなく、外部視点で考えることが重要です。すなわち社会への影響を最優先に考えることです。この感覚がずれたときに、得てしてクレームが大きくなったりするのです。

また社内業務においては、自分の仕事の後工程の人の立場を考えて優先順位をつけると良いです。日々の依頼事項に対して、前倒しで仕事ができる人は自身が失敗した際にも後工程の人がリカバーしてくれるようになります。時間軸や空間軸を広げて仕事を見つめなおすことで、仕事の優先順位は変わってきますし、適切な優先順位で仕事を取り組むことで、みなさん自身のファンを社内外につくることができます」

段取りがいい人の5つのステップ

段取りがいい人はどんな手順で仕事をしているのか。坂井氏は5つのステップを教えてくれた。

ステップ1 なりたい姿を明確にし、年単位での大まかなスケジュールを立てる

「目の前の仕事をどうするか?からスタートすると、決して段取り上手にはなりません。一番身に着けなくてはいけない段取りは、『将来なりたい自分自身』に向けた段取りです。いつまでにどうなりたいかを明らかにして、そこに向けて『やるべきこと』を明確にして、それを完遂できるようにスケジューリングすることが第一歩です。一つひとつの仕事の段取りというよりは、外したくない大切なことを明確にした上で、段取りを組むという思考を身につけることがポイントです。

仕事面では、まずは半年や一年ごとの目標設定をする際に、5W1Hと達成基準を明確にしてスケジューリングすると良いでしょう。ここを明確にして計画することが仕事のスタートになります」

ステップ2 週末には2週間先、月末には2ヶ月先のスケジュールを確認する

「週末、月末など区切りの時期には、月間カレンダーを使いながら2ヶ月先までの繁閑やイベントなどを確認した上で、リスクも含め予測を立てておくと良いでしょう。

よく『想定外のことがあって』というようなことを話される方もいますが、会社で起こる出来事のほとんどは『想定内』の出来事であり、ただそれを認識していないだけだったりします。

そのためにも、この2ヶ月先まで考えておくことが重要で、このサイクルを身につけておくと、仕事のみならずプライベートでもバタバタせず、段取り上手なワークライフバランスを送ることができます。さらに、毎週末に2週間先までのスケジュールを見て、翌週一週間の中で、できれば、2~3時間の空白時間を2つ程度つくっておくと、急な対応にも動じずに対応できますし、仕事の前倒しも可能になります。スケジュールは詰めすぎないことが大事です」

ステップ3 一つひとつの仕事のアウトプットを明確にする

「まず、その仕事を行うことの『目的』を正しく理解すること。それは上司に確認する場合もありますが、その仕事の発注者・意思決定者に確認をすることが大事です。ここを外すと、手戻りや不足などが乱発します。

目的を正しく理解した上で、仕事のアウトプットとして何をどこまで行う必要があるかを確認します。すなわちQCD(品質・コスト・納期)の品質に関わる部分を確認することです。半期ごとの目標設定が曖昧な方はこのプロセスが苦手だったりします。例えば、会議や商談などのアジェンダ設定の際にアウトプットをすりあわせる習慣をつけることで、日常的にこの力を鍛えることができます」

ステップ4 一つひとつの仕事に対するプロセスを組み立て、スケジュール管理をする

「次はいわゆるQCDのCD(コスト・納期)にあたります。発注者が合意したアウトプットを最終スケジュールだけ明確にするのではなく、途中のマイルストーン(中間目標・節目)を置いて、そのスケジュールも明確にします。一つの仕事におけるタスクを分解して、マイルストーンを設定することで、手戻りや遅延、大幅な変更業務を防ぐことができます。

仕事をしていると、多少のトラブルや失敗はつきものです。そうした場合にも、このマイルストーンを置いたプロセス管理をすることで、仕事におけるミスが致命傷にならないようになります。

そして、仕事を進めるにあたっては、適宜上司や発注者との『報・連・相』の場を持ちましょう。この『報・連・相』が、仕事そのもののリスクヘッジだけでなく、皆さん自身の身を守るためにも重要なプロセスになります。組織の中の自分という意識を持ちながら、仕事を進めましょう」

ステップ5 仕事が完了したら振り返り、自らの血肉にする

「一つひとつの仕事が終わった後、その仕事の出来栄えと評価、さらにはもう一度やるとしたら、どこが修正すべきポイントだったかを、確認しましょう。

こうした振り返りの習慣は、みなさん自身のスキルアップにつながるだけでなく、みなさんが管理職になった際、部下や周囲の人に適切な指導やフィードバックをする力を身につけることができます。

できれば、時折、一つの仕事の振り返りだけではなく、自分自身の仕事全般を振り返り、自分の強み・弱みを俯瞰してとらえておくとよいです」

何が起きても対応するために取り入れたい2つのこと

段取りが苦手な人は、何らかの問題が少しでも起きると途端に慌ててしまう。何が起きても対応できるようにするために、坂井氏は2つのことを取り入れるといいと話す。

「仕事をしていると、日々いろんな出来事が発生します。そうした出来事に対処するために取り入れて欲しい考え方が以下の二点『自分へのアポイントをいれる』『細切れ仕事を上手にさばく』です」

●自分へのアポイントを入れる

「自分へのアポイントを入れましょう。例えば、インプット時間や集中時間など一定の時間を自分のために確保するということです。こうすることで、大事な時間を知らず知らずに失っていくということを防ぐことができます」

●細切れ仕事を上手にさばく

「細切れ仕事とは、他部署からの依頼やメールなど細々日々発生する仕事への対処の仕方です。『固めて対応する』等いくつか対応方法はありますが、何をやれば今の仕事を効率化できるか、社内で仕事のできる人に聞いてみるとよいかもしれません。

職種によってはあてはまらないこともありますが、頻繁にメールを見てしまう人は得てして仕事の進捗が遅くなりがちです。自分の思考をとめないためにもメールチェックや処理は時間を決めて集中的に実施することをおすすめします」

段取りを立てたり、こなしたりすることに苦手意識を持っている人は、ぜひ5つのステップを押さえて、段取りのうまいビジネスパーソンになろう。

取材・文/石原亜香利

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