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この10年で一般社員に求められるようになったスキルや知識TOP3、3位言語化する力、2位IT・デジタルリテラシー、1位は?

2022.03.01

この10年で「一般社員に期待されること」が大きく変化

昨今、専門性の高い新入社員を高年収で採用することや、ジョブ型人事制度・リスキリングのように、個人が高い専門性を身につけたり変化したりすることの重要性に焦点を当てた話題を、各種媒体で見る機会が増えてきた。

そのような潮流の中、管理職は専門性の高い個人を活かす組織づくりを遂行できるマネジメント力や組織を変革させるリーダーシップの発揮が期待されるようになってきた。一方、ビジネスパーソンの大半を占める一般社員への期待は、この10年でどのように変化してきたのか。

そこでラーニングエージェンシーは、これまであまり取り上げられてこなかった一般社員への期待の変化について、約5,000名にアンケート調査を行った。

1. 50%を超えるビジネスパーソンが、10年前と比べて一般社員に期待されることが変わったと回答

10年前と現在を比較し、一般社員に期待されることが変わったと回答したビジネスパーソンは54.7%(図1)。そのうち、管理職の回答だけでみると「変わった」と回答した人は71.5%に上った。一般社員をマネジメントする立場だからこそ、管理職は一般社員に期待されていることの変化を強く感じているといえる。

ここから先の設問は、一般社員に期待されることが10年前と比べて「変わった」と回答した方のみに尋ねた。

2. 一般社員が携わる業務は、定型業務から非定型・プロジェクト型業務へと変化。また、個人としての成果よりも、チームにおいて発揮する能力が期待される

一般社員に期待されることで、10年前と比べて最も増加した回答項目は「非定型的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する(+51.5pt)」。そのほか、「チームで協力して成果を上げる(+44.1pt)」「周囲を巻き込みリーダーシップをとる(+42.9pt)」も増加傾向にあった(図2)。一般社員の業務内容が、定型的な業務からプロジェクト型業務へと変化し、部門・部署を超えた人が集まりチームで遂行する業務能力が期待されるようになってきた。

一方で、一般社員に期待されることで、10年前と比べて最も減少した回答項目は、「定型的な業務を確実に遂行する(-43.1pt)」。その次に、「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する(-15.3pt)」「個人として成果を上げる(-12.5pt)」も減少傾向にあった。ルーティン業務のように定型的に対応する業務を確実に遂行することのみならず、ゼロベースで考えることや、時に自らの責任で判断・行動することも期待されるようになってきている様子がうかがえる。

3. 一般社員は、期待されることの変化に対して、実際は追い付いていない移行期にある

現在、一般社員に期待されていることと、実際担っている役割にはどのようなズレがあるのかを確認した。スコアに最も差があったのは「周囲を巻き込みリーダーシップをとる(-37.2pt)」で、60.5%の人が一般社員に期待されると回答したものの、23.3%しか実際に担えていないと回答。

同様に「非定型的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する(-34.8pt)」「自ら現場で判断し、行動する(-31.3pt)」「チームで協力して成果を上げる(-23.4pt)」も、期待されていることと実態に乖離があった(図3)。図2とあわせて見ると、一般社員に期待されることは大きく変化した一方で、それに対して実態がまだ追いついていないことがわかる。

なお、本設問において回答者の役職による大きな差異は見られなかった。

4. 状況の変化や顧客・マーケットのニーズ多様化が、一般社員に期待されることの変化に影響をもたらした

一般社員に期待されることが変化した理由を尋ねたところ、「状況の変化が速くなった(57.2%)」「顧客やマーケットのニーズが多様化した(42.6%)」が上位にあがった(図4)。これより、予測不能のVUCA時代において、顧客・マーケットの多様化に一般社員も適応する必要がでてきた。

また、「チームメンバーの特性やレベル感が多様化した(41.9%)」の項目では、管理職の回答がやや多い(一般社員による回答との差異:4.7pt)結果となった。管理職は、一般社員が感じるよりもチームメンバーの特性やレベル感が多様化していると捉えている。

5. 一般社員に求められるようになってきたスキル・知識は「タイムマネジメント」が55%と第1位に。「言語化する力」や「共感力」などコミュニケーションに関するスキルも多い結果に

一般社員に期待されることのうち、特に重視されるようになってきたスキルや知識では、「タイムマネジメント(55.8%)」が最多となった(図5)。働き方改革による残業時間削減など、短い時間で効率的に成果を上げることが求められてきたことが背景にあると考えられる。

なお、「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)(47.6%)」や「共感力(32.3%)」も高い結果となった。チームで成果を上げるためには多様なメンバーとのコミュニケーションを通して関係性を構築する必要があることから、これらの知識・スキルも重要視されるようになってきていることが推察される。

まとめ

調査結果より、一般社員に期待されることが「1人で成果を出せる優秀な個人」から、「チームを巻き込んで成果を出せる個人」へと変化しており、現在はその移行期にあるということが読み取れる。ルーティン業務・定型業務を確実に遂行しつつ、さらに周囲のチームメンバーに対して良い影響を与えながら、組織としての成果に貢献することが求められるようになってきたということだ。

この背景としては、市場ニーズの変化スピードが増し、多様化したことから、1人のスキルや経験に依存しては、継続して成果を出し続けることが難しいビジネス環境になったことが推察される。

また、多様なメンバーが集まる中、チームで成果を出すために「言語化する力」「共感力」など、メンバーとのコミュニケーションで欠かせないスキルが、チームを率いるリーダーや管理職だけでなく一般社員にも重視されるようになってきていることも注目したい点だ。

これらのスキルは独力で身につけることが難しいため、会社として周囲を巻き込み、継続的な育成の取り組みを行うことが重要といえる。

ラーニングエージェンシー「一般社員(非管理職)に期待されることの変化に関する調査」より

構成/ino.

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