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退職金は1億5000万円!?フジテレビが大枚をはたいて希望退職者を募集する理由

2022.02.27

フジテレビが希望退職者の募集を発表しました。50歳以上かつ勤続10年以上の社員が対象です。これまでに、「めちゃ×2イケてるッ!」のプロデューサー片岡飛鳥氏や「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」でディレクターを務めた明松功氏、元アナウンサーで総務局勤務の境鶴丸氏など、60人程度が応募しているといいます。2022年1月5日~1月31日までを募集期間とし、2022年3月31日に退職となります。

フジテレビは早期退職者の募集にあたり、90億円を退職金による特別損失として計上する予定です。単純計算で1人当たり1億5,000万円の退職金を支払い、“リストラ”を断行することになります。なぜ、キー局の中でフジテレビだけが人員整理へと踏み込まなければならないのでしょうか?

メディア事業の売上高が唯一のマイナス

フジテレビの2022年3月期第3四半期の売上高は前期比1.4%増の3,952億円でした。日本テレビは6.1%、TBSは13.1%、テレビ朝日は16.6%それぞれ増加しています。他社の売上高が6~16%超増加する中で、フジテレビだけが1.4%と微増に留まったのです。

■キー局第3四半期業績比較(単位:百万円)

※決算短信をもとに筆者作成
フジテレビ
日本テレビ
TBS
テレビ朝日

フジテレビの弱さは営業利益率で見ると一目瞭然です。日本テレビが14.9%、TBSが8.6%、テレビ朝日が7.4%ですが、フジテレビは6.7%で最低です。下から2番目のテレビ朝日と0.7ポイントも水をあけられています。

※決算短信をもとに筆者作成
フジテレビ
日本テレビ
TBS
テレビ朝日

ただし、テレビ局は不動産事業やフィットネス事業(日本テレビのティップネス)、輸入雑貨事業(TBSのプラザスタイル)など、事業を多角化しています。そのため、会社全体の業績だけでは必ずしもメディア事業の不振とは言い切れません。メディア事業が好調なのであれば、周辺事業を売却するなど組織再編で済みます。

そこで、メディア事業だけを取り出して売上高を比較してみましょう。

実はフジテレビは2022年3月期第3四半期において、4社の中で唯一売上高を落としています。売上高は前年同期比5.4%減の3,097億円となりました。

※決算短信をもとに筆者作成
フジテレビ
日本テレビ
TBS
テレビ朝日

2020年は新型コロナウイルス感染拡大により、旅行、外食、公共交通機関など多くの会社が広告を出し控えました。2021年はその遅れを取り戻すチャレンジの年となりましたが、フジテレビは業績をもう一段落としたことになります。

しかも2021年はオリンピックが開催されました。開催地は東京です。ここ数年で最もテレビに注目が集まるタイミングだったと言えます。フジテレビはその絶好の機会ですら逃しているのです。

TBSとともに売上高に占める人件費の割合が高い

フジテレビの2021年3月期の人件費は350億2,100万円でした。これは業績絶好調の日本テレビの2.4倍となる数字です。

※有価証券報告書をもとに筆者作成
フジテレビ
日本テレビ
TBS
テレビ朝日

フジテレビとTBSは売上高に占める人件費の割合が高いです。フジテレビは5.9%、TBSが6.0%でほぼ同水準。日本テレビは3.4%、テレビ朝日は4.5%です。販管費に人件費が占める割合を見ると、フジテレビがトップで24.6%、TBSが24.5%となっています。日本テレビは16.4%です。

フジテレビは高年収で有名な会社ですが、もはやそれに見合うだけの会社の稼ぎがないことを物語っています。

■売上高と販管費に占める人件費の割合

※有価証券報告書をもとに筆者作成
フジテレビ
日本テレビ
TBS
テレビ朝日

テレビは視聴率がものを言う世界です。スポンサーとなる会社は、できるだけ多くの人に広告を見てもらいたいと考えており、効率の良い番組(高視聴率の番組)に積極的にCMを打ちたいからです。フジテレビはこの視聴率が2016年から2021年まで5年連続で4社の中で最下位です。

テレビ朝日決算説明資料より筆者作成

フジテレビは人件費の負担が他社よりも高いにも関わらず、視聴率の低迷から抜け出すことができていません。それが人員整理という決断に至った背景です。

応募条件は50歳以上。これは明らかにフジテレビの黄金期を下支えした従業員をターゲットとしており、組織としての大転換を促す狙いがあるものと考えられます。

日枝体制からの脱却ができない経営陣

リストラによって新陳代謝を高めようとしているように見えますが、経営体制には疑問が残ります。現経営陣が日枝久氏の傀儡になっている可能性が捨てきれないからです。

日枝氏は弱冠42歳でフジテレビの編成局長に就任し、1983年に取締役編成局長となりました。1986年に常務取締役、1988年に代表取締役となりました。短期間で大出世を遂げた実力者です。

日枝氏が編成局長の時代は「オレたちひょうきん族」や「夕焼けニャンニャン」といったフジテレビの一時代を築いた番組が次々と誕生していた時期です。日枝氏は日本のバブル景気の大波に乗り、一気に出世階段を駆け上りました。

2001年に代表取締役会長に就任します。その後、村上光一氏や豊田皓氏、亀山千広氏などが社長を務めます。しかし、日枝氏はフジテレビの顔役であり、株主総会の議長役を29年間勤めていた通り絶対的なトップでした。

潮目が変化したのは2017年。日枝氏はついに代表権のない取締役相談役となりました。

代表権が外れたことで見かけ上の日枝氏の影響力が低下しましたが、今でも取締役の1人であるころは間違いありません。2021年6月にテレビ事業の子会社フジテレビジョンの社長に金光修氏が就任しました。2019年6月に抜擢された遠藤龍之介氏はわずか2年で退任となりました。この人事に影響力を発揮したのが日枝氏と言われています。

経営陣が日枝氏の傀儡である限り、大胆な経営判断はできません。それこそが、フジテレビが抱えている本質的な問題なのかもしれません。

取材・文/不破 聡

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